
学生の頃、友人の家にはよく泊った。
私の友人は私同様に音楽をやっている友人が多かった。
中には音楽グループを私と一緒に組んでやっている友人もいた。
そんな友人の家に、同じグループのメンバーが揃うと、自然に音楽セッションが始まった。
時には酒を飲みながらセッションしたりすることもあった。
その日はその友人宅に泊るから、酔っ払ってもその日は帰る必要がない。なので、気楽なものだった。酔いつぶれたら、そこで寝ればいいだけだから。
飲みながらセッションすると、最初はノリノリなのだが、次第に互いに酔っ払ってくると、最後の方はグダグダになったりもした。
グダグダになると、もうそれはセッションとか練習とかではなく、「ギターを抱えた飲み会」みたいになった(笑)。
そうなると、練習の成果などあまりなくなるのだが、そこに至るまでの過程は楽しかった。
また、バンドで合宿に行った時。その日もまた家に帰る心配がない。その練習スタジオは宿も兼ねていたからだ。
バンド合宿は私は何度か行ったのだが、あるバンド合宿の時、バンドメンバー以外の友人が「飲み」や「遊び」目当てで、後からその宿に合流してきた。現地集合という形で。
もちろん、そういう友人たちも、宿のその日の「宿泊人数」の中に、ちゃんと予約で入っていた。
バンドメンバーは一応「練習」というメインの目的があるのでいいのだが、バンド以外のメンバー(音楽をやっていない友人もいた)にとっては第1目的は「遊び」である。
だから当然、バンド以外のメンバーは夜になると飲み始めることになる。
しかも、我々がバンド練習をやっている部屋で、バンド練習を見ながら飲み始めることになる。
飲み始めると、だんだん酔ってきて、気持ちよくなってくる。
そんな様を見てると、練習している我々も飲みたくなる(笑)。で、バンドメンバーも飲み始める。
練習は、それなりに体も使う。なので、酔いのまわりも早くなる。
で、だんだんその場にいる全員が酔っ払う。
そうなると、もう練習そっちのけで、ただのセッションになり、グダグダになる(笑)。
そこには楽器を弾ける「バンドメンバー以外の参加者」もいるので、そんな奴は「俺も弾きたい」となり、バンドメンバーの誰かが休んでいる時に、楽器を手にしてセッションに参加してくる。
それはそれで楽しい。その展開が。
だが、練習の成果・・という意味では、疑問符がつく。
まあ、そのバンド合宿は実に楽しかったのだが、それ以後のバンド合宿では、「バンドメンバー以外の友人」は、バンド合宿には呼ばなくなった。
友人宅やバンド合宿でのメンバー皆で酒を飲みながらの練習は、酔っ払うまでは楽しいのだが、最後の「成果」はうやむやになってしまう。
こうなると、「成果」を重視するか、「飲み会」を重視するか、あらかじめ決めておかないといけないな・・・ということに改めて気付いたのは、実際にそんな経験をしたからだった。
考えてみれば、そんなの実際に体験しなくても分かりそうなものなのに(笑)。
バンド練習であることを考えると、やはり成果は大事。
でも・・・「楽器を持った飲み会」ってのも、楽しいんだよね、やはり。
楽器を持った飲み会・・で、私が特に忘れられないのが、私同様に作詞作曲をする友人S君が私の部屋に泊りに来た時。学生時代だった。
飲みながら互いに楽器を手にし、深夜互いにそこそこ酔っ払った頃、「よし、じゃあ今、曲を共作しよう!」ということになった。
互いにそれまでに作詞作曲をしてきていたので、酔っ払った勢いで「共作しよう」と急に思いたった割には、しっかり2曲ほど完成した。その場で。
1曲はバラードで、Aメロの作詞作曲をS君がその場で作り、それに繋がるBメロの作詞作曲を私がその場で作った。あっけなく出来た。
そして曲の終盤は2人のかけあい。案外壮大な感じにもなりそうなバラードになった。
甘いラブソングだった。
そしてもう1曲は、軽快なロックンロール。今度はAメロの作詞作曲を私がやり、それが出来上がった後に、S君がBメロの作詞作曲をその場で作って、つなげた。
それは身勝手な男が主人公の歌で、女の子が聴いたらムカッとするような曲になった。
というか、世の中には「女の子に優しい男」の歌が多いので、それとは逆の曲を作ってみようというテーマで作った曲だった。
前述の1曲目のバラードとは正反対の歌になった。
これはあえてそうしたのだった。
1曲目で優しいバラードを作ったので、2曲目ではその逆でいこうということで。
この2曲目も、あっけなく出来た。
つまり、酔っ払った私とS君は、酔っ払った勢いで、その夜その場で2曲の共作曲をあっけなく作ってしまったのだった。
この時、私は気分は「レノン・マッカートニー」だった(笑)。
遊びとしては「レノン・マッカートニー」ごっこ・・・とでも言おうか。
酔っ払って作り始めた曲だと、ともすればどちらの曲も「作りかけ」で終わりそうなものだが、2曲とも作詞も作曲も最後までその場で仕上がってしまった・・というのが、今となってはウソのような話だ。
きっと、2人とも集中力があったのだろう。
だが、2人とも酔っ払った状態で、よくもまあ完成まで持っていけた・・と今では思う。
ギターを抱えた飲み会ってのは、楽しい。
でも、そこで音楽的な成果は、伴わない場合は多い。酔っ払う楽しさが最終的に勝ってしまうことがままあるから。
だが、その夜の私の部屋での、S君との「ギターを抱えた飲み会」は、何もないところからその場でいきなり2曲が「完成」してしまうという「成果」もあった(まあ、曲の出来はともかく)。
今にして思えば、それは私にとって理想的な「ギターを抱えた飲み会」だったような気もしている。
そんな「ギターを抱えた飲み会」、いつかまた誰かとできたらなあ・・・という思いは、今も心の中にある。心のどこかに。
東京に住んでいた頃、友人が下北沢にあるジャズバーに連れて行ってくれました。
ギターやピアノ、ドラムセットが店の片隅に置いてあり、小洒落た内装のお店でした。
しばらく飲んでるいるとお客さんの一人がピアノを弾き始めたのですが、
そこに他のお客さんがエレキで絡み、また違うお客さんがドラムで加わったのです。
店の人に聞くと、常連さんだけど特に付き合いはないお客さんたちだったようです。
それでもあんなに良い演奏ができるなんて…本当にかっこいいなって思いました。
ちなみにその時の曲は「Cleopatra's Dream」
モダンジャズは苦手だったのですが、バド・パウエルのこの曲は大好きな1曲です。
当時「Ryu`s BAR」という番組のテーマとしても使われてましたね。
バド・パウエルのじゃなかったけど…
ジャズミュージシャンはうまい人が多いですし、いいシーンに立ち会うことができたのではないでしょうか。
ロック系の店だと、スリーコードのブルースやロックンロールがセッション曲になる場合が多いです。
演歌セッションが聴ける店とかの存在を耳にしたことがないので、演歌系のそういう店があったら面白いかもですね。
バド・パウエル、、、ジャズピアニストですね。
なんか、渋そうな店ですね。
下北沢は、音楽がさかんな街ですし、街に似合いそうな店ですね。
「練習して、腕を上げること」よりも、「飲み会になって、いろんな話をすること」「気楽なセッションで音楽を楽しみ、仲間と、さらに打ち解けること」「その場で横になって寝られること」こそ、最高の楽しみだからですね(笑)
私もガールズ・バンドが実現していたら、合宿では、練習よりも楽しく過ごす方に重点置いていたかもしれません。
楽曲は、時間かけて作ることも楽しいでしょうけれど、即興的に作ることも、さらに楽しかったでしょう。
一気に12曲ほど作って、アルバム1枚分が出来ることも(笑)
ご存知かもしれませんが、忌野清志郎さんは「ロックンロールを作るコツは、あまり時間かけない方がいいんですよ」とおっしゃっり、その番組内(石橋貴明・中居正広司会『うたばん』)で、1曲作ったことがありました。
だんぞうさんも、これからも即興的な音楽作りをも、たくさん楽しんでくださいね。
合宿前にはバンドではこなれていなかった曲でも、合宿が終わる時には、その曲のバンド演奏に、ある程度メドがたってたりします。
練習を録音しておくと、だんだんバンドサウンドが固まっていく過程が、あとから確認できて面白いです。
普段の練習も楽しいですが、練習後の飲み会も楽しいです。でも、練習より飲み会のほうが楽しみになっていく場合もありました。
ただ、そうなると本末転倒のような気もして、時代屋では、練習後にはあえて飲み会を、わざといれない場合も多くなりました。
曲は、一気にできる場合もありますが、さんざん悪戦苦闘して出来上がる場合もあります。
私のアルバムでは、進化や岩瀬の湯などは一気にできあがりましたが、空の少年やゆれはばなどは、時間がかかりました。
里山の向こうに君が見える などは、最初につけたメロディーわ、あとからボツにして、いちからメロディーを新しく付けなおしたりしました。