
リペアに出していたギブソンL50というギターが帰ってきた。
実は先日久しぶりにギブソンL50を弾こうと思って、いざ手にしてチューニングをし始めたら、いきなり6弦のペグが割れてしまった。
パキパキと、粉粉に崩れるように。こんなペグの割れ方を見るのは私は初めてだったので、ショックだった。
このギターは、1952年製の、いわゆるビンテージギターだ。
ビンテージギターというのは、近年特に値上がりしてきてるらしいが、そもそも1970年代頃にはすでにビンテージギターは人気があった。
でも、値段相場はピンキリだった。ビックリするほど高価なギターもあれば、意外なほどリーズナブルなものもあった。
だが、全体的に、近年は値上がり気味らしい。
ビンテージギターとは言っても、このギブソンL50は、比較的リーズナブルな楽器だ。まあ、だから入手できたわけだが。
このギターはギブソンのラインナップの中では、入門用ギブソン…そんな位置づけだったのかもしれない。
ギブソンの入門用ではない、このタイプのモデルの上位機種にはL5や、スーパー400などのモデルがあり、それだととんでもない値段になる。
だが、私の入手したL50は、L5やスーパー400とは値段が一桁安い。当時の学生にも購入しやすいモデルだったかもしれない。
私がこれを入手したのは1990年代で、確か町田の中古楽器屋で購入したはず。
ちなみにその楽器屋は、もうないようだ。
今は2022年だから、1952年製のこのギターはかれこれ70年も前に製作されたことになる。
経年変化で、ペグがもろくなっていたようだ。
楽器屋の話によると、このペグはベークライトというプラスチック製らしい。
なんでもベークライトは、それなりに強度のあるプラスチックらしいが、さすがに70年という年月によって劣化があったのかもしれない。
衝撃だったのは、6弦のペグだけでなく、他の弦のペグも、チューニングしようとして回しはじめたら、6弦のペグ同様に割れてしまった。
一気に何本も。
こうなるとチューニングどころではない。
ペグの総取っ替えをしないと、ギターとしての機能がなくなる。
大急ぎで、楽器屋に持ち込み、ペグの総取っ替えを頼んだ。
リペアに出して数日後、修理完了の連絡があり、「よし、これでギブソンL50復活!」と思い、店に取りに行き、無事にL50退院!
受けとる時、楽器屋の店員さんから、「このギター、状態が良いですね。」と言ってもらえたので、満足。
帰宅して弾いてみたら、おお、やはり弾きやすい。
こうでなくっちゃ。
元々このギターは、弾きやすいギターだったのだが、実は前からペグはまわし辛くは感じてた。
だが、それがすっかり直っており、実に快適。
ビンテージ特有の「手に馴染む感覚」も良好。
↑ ペグを交換してもらった後。これでやっと普通に弾けるようになった。
このギターは、アーチトップギターと呼ばれるタイプのギターで、別名ピックギターとも呼ばれるタイプ。
タイプ的にはブルースやジャズっぽい音楽に向いていると、よく言われる。
普通のフラットトップギターとは、また一味違うサウンド。
通常フラットトップギターを弾き慣れてて、ふとこのギターに持ち替えると、結構良い気分転換になる。
リアルビンテージなので、音は枯れ枯れで、気持ち良い。
なにより、前述のように、手によく馴染む感覚が愛しい。
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