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私の漫画遺産 15 「球速0,25秒」  by  作画・眉月はるな 原作・杉四郎

2025年03月14日 | 漫画・アニメ、そして特撮

私の漫画遺産 15 「球速0,25秒」 by  作画・眉月はるな 原作・杉四郎

 

 

 

 

 

この作品は、おそらく現代においては、ほとんど知られていないであろう。

 

漫画家・眉月はるなさんの代表作と言えるほどではないかもしれないし、雑誌への掲載期間も長くはなかったし、当時大ブレイクしたというほどでもなかったから。

 

 

 

だが、私にとっては忘れられない作品であった。ある個人的な理由もあって。

 

 

 

この作品が掲載されたのは、あの少年ジャンプである。

 

掲載期間は1970年。長さとしては、単行本1冊で収まる長さだった。

 

 

 

眉月さんの代表作といえば、なんなのだろう。「アニマル球場」だったかもしれない。だが私はそちらの方はあまり読んでいない。

 

「アニマル球場」に比べたら、この「球速0、25秒」はあまり知られていない。

 

私がこの作品をこのブログで取り上げようと思ったのは、単行本を持っていたからだ。

 

少年ジャンプ連載作品ではあったが、単行本化されたのは、ひばり書房という出版社からであった。

 

なぜジャンプコミックスに収められなかったのかは、私にはわからない。

 

 

 

 

 

この作品を読んで私が「知識」として知ることになったのは、メジャーリーグの豪速球投手ボブ・フェラーの名前だった。

 

そう、この漫画を読んで、初めて私はメジャーリーグの伝説的豪速球投手ボブ・フェラーの名前を知ったのだ。

 

フェラーの豪速球は、あまりに速くて、その速さゆえ「消えてしまう球」と言われていたらしい。また、フェラー自身は「火の球投手」と呼ばれていたらしい。

 

当時はまだスピードガンなどなかった時代で、豪速球投手の投げる球の速度の相場は、具体的には分かってなかった。

 

それがこの漫画では、具体的に何キロぐらいでているのかが具体例で示され、なおかつ伝説の豪速球投手の名前と、その速球が何キロだったのかが書かれていたので、この作品が私にとって心に残ったのだと思う。

 

それまでの野球漫画で豪速球投手の投げる球がどれぐらいの速さなのかは、かなりアバウトだった。

 

例えば、投手の投げた速球があまりに速すぎて、球を受けた捕手が後ろにすっ飛んでしまう・・・という表現はよくあった。

 

だが、投手の投げた球がいくら早くても、受けた捕手が後ろにすっ飛んでしまうなんてことは現実ではありえない。

 

「球速0.25秒」という漫画の中では、ボブ・フェラーの投げた球は、バッテリー間を0.3秒で通過したとされていた。

 

この漫画の中では主人公はボブ・フェラー以上の球速を出すために努力を重ね、最終的にはフェラーを抜く、バッテリー間0.25秒を出すに至る話だったと思う。

 

この作品、もう長い間読み返していないので、記憶違いがあったら申し訳ない。

 

 

 

 

 

ちなみにフェラーの出したバッテリー間球速0.3秒や、主人公投手の出したバッテリー間球速0.25秒について調べてみた。

 

ウィキによると以下の通りである。

 

 

 

「記録に残されているボブ・フェラーの最高の球速は初速117.2マイル、終速98.6マイルとなっている。最高速度である初速のマイル表示をキロメートルに換算すると117.2×1.609344=188.61511(時速約188 - 189km)となり、18.44m間は0.351955秒で通過することになる。なお、主人公の投手が最終話に記録した18.44m間の球速0.25秒は、時速に換算すると265.536kmとなる。」(ウィキより)

 

 

 

ウィキによると上記の通りである。フェラーの出した188キロというのは、いくらなんでも・・。

 

現代の計測機器の計測によるプロの速球投手の相場というのがはっきりしてきている今となっては、にわかには信じがたい数字である。

 

フェラーは当時、自身よりもサチェル・ペイジの方がもっと早い・・・と語っている。

 

その通りだとするとペイジの球速は190キロ以上・・?おいおい。

 

いくらペイジが凄かった「伝説の投手」であったとしても・・。

 

 

 

ましてや、「球速0.25秒」の主人公の球速が265キロだなんて・・。

 

 

 

 

 

現代流の計測方法でいくと、フェラーの速球は160キロ前後だったという説もあるし、170キロだったという説もあるし、伝説通り188キロ出てたという説もあり、その真実は今となっては特定するのは難しいのだろう。

 

 

 

ただ、この漫画の主人公のようにバッテリー間を0.25秒で投げるという265キロというのは、あまりにも突出しすぎてて現実離れしてるとは思う。

 

 

 

ただ、スピードガン計測がなかった昔にとっては、豪速球投手の球の速さは、ロマンがあり、それだけ夢をひろげやすかったのだろう。現実的な球速の相場の情報がないぶんだけ。

 

 

 

 

 

「球速0.25秒」を読むまでは私には、豪速球投手の現実的な速度はわからなかった。

 

そんな中で、実際に計測された(たとえその数字が、今の科学技術よりもアバウトな計測方法で測られたにせよ)数字を具体的に野球漫画に持ち込んだ点で、私はこの漫画が印象に残ったのは確かだ。

 

 

 

 

 

作画を担当された眉月さんは、漫画家として活躍されたあと、その後はアニメーションの方に進み、テレビアニメのアニメーターとして活躍されたようだ。

 

愛媛県宇和島から上京し、漫画家の荘司としおさんに師事したらしい。荘司さんと言えば「夕焼け番長」などの作品で知られる漫画家だ。

 

そのせいか、眉月さんの画風には、どこか荘司さんに通じるものがあったとは思う。

 

 

 

しばらく漫画家を続けたのち、アニメーターのほうに進んだ後は、どうされたのだろう。

 

そういえば、昔何かのテレビアニメを見た時、エンディングテロップに作画スタッフのひとりとして「眉月はるな」という文字があったのを私は見た覚えがある。

 

「球速0.25秒」の単行本を持ってた私には馴染み深い名前ではあったので、アニメのスタッフクレジットの中に眉月さんの名前を見かけた時、「おっ!」なんて思ったものだった。

 

 

 

ちなみに、眉月さんが当時設立した「セブンプロダクション」の場所を私は知ってたことがあった。

 

それは当時私が住んでた町にあったからだ。確か2階建てのアパートの2階にあったと思う。

 

そのアパートのすぐ近くで私は普段遊んでいたこともあった。その辺は、少年だった私の遊び場のテリトリー(?)内だっから(笑)。

 

町の中でその存在に気付いた時、かなり驚きだった。

 

まさか私が持ってた「球速0.25秒」の単行本の作者が、私の住んでた町に住んでたなんて。

 

そんなこともあり、個人的に親近感を覚えていたのは確かだ。

 

できれば、私の持ってた「球速0.25秒」の単行本に、あわよくばサインでもしてもらえないだろうか・・・などと思っていたのを思い出す。

 

そんな個人的な事情もあって、この作品が私には忘れられないのだと思う。

 

 

 

今思うと、この単行本を買っておいてよかった。

 

なぜなら今では中々入手できないと思うから。

 

 

 

 

 

それと。今では日本人投手でも160キロ越えの豪速球を投げられる人が出てくるようになった。

 

人間は、一体どれぐらいの速さの球を投げられるようになるのだろうか。

 

だが・・さすがに260キロ越えなんて、いくらなんでも無理だよね、きっと(笑)。

 

サイボーグにでもならない限り(笑)。←おいおい。

 

 

 

 

 

 

 

 


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