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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

「イート・ア・ピーチ by オールマンブラザーズバンド」の、内ジャケットの凄さ

2017年06月20日 | 音楽全般

先日、アメリカのロックバンド、オールマンブラザーズのヴォーカリスト兼オルガン奏者として知られたグレッグ・オールマンが亡くなった。残念でならない。

最近、私の好きなミュージシャンが次々と他界しており、寂しい限り。辛かったりもする。

今回は、グレッグ・オールマン追悼の意味も含め、オールマンブラザーズのアルバム「イート・ア・ピーチ」を取り上げてみたい。

 

この「イート・ア・ピーチ」は、オールマンブラザーズにとって、あの歴史的名作ライブアルバム「フィルモアイーストライブ」の次に発表されたアルバムだ。

 

レコーディングの最中に、看板ギタリスト・デュアン・オールマンが事故死したため、収録曲によってはデュアンが参加しているものもあれば、参加できていない楽曲もある。

デュアンを失ったメンバーの哀しみは相当なものだったと思うし、以後のバンド活動に対する暗雲もたれこめていたことだろう。

だが、その悲劇をメンバーの一致団結で乗り切って、完成させたアルバム。それがこの「イート・ア・ピーチ」であったろう。

 

LPアルバムとしての構成は、2枚組だった。で、A面とC面には、スタジオ録音の新作曲が収められ、B面とD面にライブ音源が収録される・・・という、変則的な構成だった。

B面とD面に収められているライブ音源は、前作「フィルモアイーストライブ」で収録されなかった、長~いジャムセッション「マウンテンジャム」という1曲が収められていた。

そう、B面とD面を足して1曲。

つまり、長い演奏だったため、LPの片面だけでは収めきれず、1曲を2分割して、B面とD面に収録したのだった。B面の続きがD面だったわけである。

 

凡人の私の発想からすれば、ならば2枚組のうち1枚目を表面も裏面も全てスタジオ録音の曲でまとめ、2枚目のレコードの表裏に「マウンテンジャム」を収録すればよかったのに・・・などと思ってしまう(笑)。

 

まあ、それはともかく、オールマンズのアルバムの名作アルバムというと、「フィルモアイーストライブ」と、デュアン死後に心機一転で発表した「ブラザーズアンドシスターズ」があげられることが多いが、私に言わせれば、この「イート・ア・ピーチ」も大傑作だと思う。

個人的には、オールマンズの代表作は「フィルモアイーストライブ」「イート・ア・ピーチ」「ブラザーズアンドシスターズ」の3枚のアルバムを挙げたい。

それほど、「イート・ア・ピーチ」は傑作だと私は思っている。

 

 

デュアンのプレイが炸裂する、ブルースロックの熱いライブが「フィルモアイーストライブ」。

で、デュアンが健在時にデュアンの影に隠れていたようなもう1人のギタリストであるデイッキー・ベッツが躍動して、よりカントリーフレイバーが強まってポップさを増したのが「ブラザーズアンドシスターズ」・・そんな印象を私は持っている。

で、「フィルモアイーストライブ」と「ブラザーズアンドシスターズ」の間に発表されたのが「イート・ア・ピーチ」で、このアルバムはデュアン中心のオールマンから、ディッキーが躍動する新生オールマンへの橋渡し的なアルバムである。

そのせいか、「ブラザーズアンドシスターズ」につながる、カントリーフレイバーを感じさせる曲もすでに現れている。

 

フィルモアライブでのオールマンズと、ブラザーズアンドシスターズ以後のオールマンズは、まるで別のバンドのように音楽性が変わるが、その過度期をしっかり記録したのがこのアルバム「イート・ア・ピーチ」。

スタジオ録音の曲はどれも粒ぞろいで、フィルモアライブでの音源「マウンテンジャム」も、長い曲でありながら長さを感じさせない見事な出来だ。

 

「イート・ア・ピーチ」を入手した時、その収録曲のずばらしさにも私はずっかり魅せられ、まずまずオールマンズのファンになってしまったが、収録曲に感じた魅力に勝るとも劣らないぐらい魅せられたのが、このアルバムの見開き「内ジャケット」のイラストであった。

ショップで、アルバムの単なる表面と裏面のジャケットを見ただけじゃ分からない、「内ジャケット」の素晴らしさ。これはもう特筆ものだった。

曲だけなら、ラジオなどから聴ける機会はある。

表と裏のジャケットだけなら、ショップで見ることもできる。

だが、買って、見開きジャケットをパカッと開いてみないと全体像が見えない「内ジャケット」のイラストの素晴らしさと印象深さとインパクトを味わえるのは、このLPを買ったものだけが味わえる特権のようにも思えた。

 

これは、風変わりなパノラマイラストだった。言葉では説明が難しい、メルヘンチックでありながらも摩訶不思議なイラスト世界だった。しかも、このパノラマ性は、小さなCDジャケットのサイズで見ただけでは、隅々までは楽しめないのではないか。

やはり、LPサイズのジャケットを、しかも見開き2ページ(?)分の大きさで見てこそ、その面白さを味わえるのではないか。私は今でも「イート・ア・ピーチ」の内ジャケットを、そう思っている。

 

隅々まで見れば見るほど、妙な発見があるような気がして、見ていて飽きなかった。

 

私は子供の頃から、パノラマ絵は好きだった。

幼少の頃に読んだマンガ・・・例えば「おそ松くん」などに、2ページ見開きのパノラマカットがあったりしたが(確か、宝島系のエピソードだった)、そういうパノラマカットは、いつまでもいつまでも眺めていた覚えがある。

手塚治虫先生のマンガにも、そういうパノラマカットがあったような覚えがあるが、ちょっと記憶はおぼろげだ・・。

 

とりあえず言えるのは、幼少のころから、パノラマカットのイラストは好きだった・・・という刷り込みがあったので、「イート・ア・ピーチ」の内ジャケットのパノラマイラストは、私にとっては「久々のごちそう」であった。

 

しかも、ロックアルバムとしての収録曲も素晴らしいときている。

さらにしかも。あのオールマンブラザーズの過度期の貴重なアルバム・・という意義もあったし、そのアルバムの制作途中で看板スターのデュアンが亡くなったため、デュアンの遺作的な意味合いもあったわけだ。

 

これだけもろもろの条件が重なり、私にとっては心に深く深く刻まれた作品。

それが・・「イート・ア・ピーチ」というアルバムだった。

  

 

 https://www.youtube.com/watch?v=1Qzdrq8nhpg

(↑ 特に、3分47秒あたりからのメロディやサウンドの展開が私は大好き)

 

 

この記事を読んで下さった方、もし機会があれば、一度このアルバムの内ジャケットのイラストを、LP見開きサイズで見てください。

そこには・・表ジャケットを見ただけじゃ想像できなくて、絵の内容を言葉で表現するのも難しい、不思議な世界が広がっているのです。

 

 最後に、、、

あらためて、グレッグ・オールマンに、合掌、、、。

天国で久々に兄デュアンに再会していることでしょう。

兄デュアンは、「俺がいなくなってから、お前は十分頑張ってくれた。いつも見てたぜ。オールマンブラザーズを、ありがとうな。」

とでも声をかけているのかも知れませんね。

 


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