男ゴコロと旅の空 rainbow in my heart

出張に行く。食事する。女を抱く。酒を飲む。仕事する。丸裸の俺?

うしろ姿は永遠に 高校時代(3)

2005-01-29 00:44:55 | さらば性春
初めてのキス。
あの頃、僕と正美は、どんなデートをしたんだっけ。
僕の家に、遊びに来ることも多かったな。
横浜とはいえ、その頃の港北区は、まだ牧歌的な場所も
多く残っていました。
近くに獅子ヶ谷市民の森っていうのがあって、
階段をどんどん上っていくと、小さなお社があったり。
そのお社の横の、ふわふわの芝生で、寝っころがって
いちゃついたり、してたかな。
クリスマスには、モアーズの地下にあるカサ・デ・フジモリで、
パエリア食べながら、サングリア飲んだっけ。
横浜スタジアムの外野席で、タバコ吸っていた記憶もある。
そう、その頃は、僕も隠れてタバコ吸っていたんですね。

さて、そんな僕らは、いったいどこまで。。。
新宿に、映画を見に行った帰り、
(映画はなんだったろう。ジャクリーン・ビセット主演の、
 シェフ殿ご用心だったろうか)
僕らは、レンタルルームに、行ったのでした!
当時は、ぴあは、まだ月刊でした。シティロードも、がんばっていました。
そして、街ネタの情報誌としては、angleというのが唯一。
そこで仕入れたレンタルルームに、いそいそと。。。
まだ、あからさまにホテルっていうのは、勇気いったんです。

結局、二人は、最後までは、できませんでした。
服を脱いで、ブラを外し、顔をうずめて。
でも、いつも、最後の砦は、遠かった。
『こわい。。。』正美の、上気した、でも不安な顔を見ながら、
「あせることないよ。ゆっくり、時が満ちるのを待とう」
そう自分に言い聞かせて、僕は正美を抱きしめ、キスしたのでした。

春が来て、新学期。
僕は、付属校から、そのまま大学へ進学しました。
高校時代、首都圏のいくつかの高校の映画研究部と「高校映画連盟」を
旗揚げしていた僕は、当然のように、
大学でも、学生映画の全国組織に参加します。
高校時代と環境が変わり、僕の周りには、面白いこと、楽しいことばかり。
新しい仲間との生活に夢中になった僕は、
いつしか正美のことを、忘れるように、なっていたのです。
5月の連休が過ぎたある日。一通の手紙が、届きました。

『私は、あなたを見失ってしまいました。
 でも、大丈夫。私は一人でも、生きていけます。。。』

僕は、その手紙を読んで。。。

何も、できなかった。
正美に、なんて言っていいのか、わからなかった。
電話をかけては、コールの途中で、受話器を置きました。
手紙を書いては、何度も途中で破りました。
初めて、僕のことを好きになってくれた人。でも、
『何言ってるんだ!僕はずっと正美が好きだ。これからも、一緒にいよう!』
この一言が、言えなかった。

別に、他に好きな女の子ができたわけではありません。
正美のことは、こんなに好きなのに。

太田裕美の「木綿のハンカチーフ」
今でも、この歌を聴くと、正美を思い出します。
あのとき、正美をしっかり、抱き留めてやることができたら。
僕も、もう少しまともでいられたかも知れませんね。

今もし、街ですれ違ったとしても、
僕らはお互いに気付くことは、ないでしょう。
彼女と撮った写真も、いつしか失われてしまいました。
でも、僕の高校の卒業アルバムの、
学園祭のファイヤーストームの写真には、
仲良く肩を並べている僕と正美のうしろ姿が、写っているのです。






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2 コメント

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Unknown (高田)
2005-01-31 01:58:53
とても素敵です。僭越ながら自分に重ねてしまいました(汗)
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高田さん、ありがとう。 (bays_star)
2005-01-31 09:50:10
はじめまして。

こうして自分自身を振り返ってみると、

自分でも心洗われる気持ちがします。

このあと、年とともに

懺悔の日々が続くのですが。。。
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