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映画感想文 Vol.44 「フライ、ダディ、フライ」

2006年06月22日 | 映画感想文
フライ,ダディ,フライ (2005)
★★★★★★★★★☆


観終わった後の率直な感想は、

面白かった、というより「良かった」ですね。

やっぱ原作を読んでるんで、オチもストーリーもわかってたんですけど、楽しめたし、改めてプロットの良さと作者の着眼点の良さを評価できました。

やっぱ、病気、死、別れ、戦争、祖父母系、これらのテーマで感動させる、泣かせる事は簡単なんです。人を死なせて泣かせるというのは特に。

でも、それら以外で、やっぱ感動させられるのはすごいし、この作品で人は一人も死にません。第一、おっさんの成長物語っていうのはやっぱ着眼点いいです。

かっこ悪いからカッコいいに持っていくのは真逆の事だから難しい反面、反転させられると感動を起こさせる事ができる。

うだつの上がらない、世間では、臭いやら、かっこ悪いやらと嫌がられてるサラリーマンの親父をヒーローにするっていうプロットは、同世代のサラリーマンの人にも勇気を与えられるし、主人公の気持ちをダイレクトに共感できると思う。今の時代にマッチした作品だと思いますね。だから、子供のがいて、人生に面白みを感じなくなったサラリーマンにぜひ観てほしい。

ただ、減点★一つの理由としては、南方(説明役)と山下(ボケ&パシリ役)はいるとして、残りの二人のどちらかは削れただろう、と思いました。完全にイロモノなので。いてもどちらか一人でいい。

原作では、シリーズものなので、いてもいいんですが、映画なので、「サマータイムマシンブルース」のように無駄キャラは省く必要があります。それが引っ掛かりました。

あと、ロケーションのほとんどに主要メンバー以外の人(エキストラ)がいないし、バスのシーンでも車が全く走っていない、という点で違和感を覚えました。人口どんだけ少ないねん、という突っ込みをしたくなるほどいないので、リアリティに欠けます。

それ以外は良かったし、最後じわっと泣けたので、これはMY名作コレクションに入ります。


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