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最近読んだ小説レビュー Vol.13

2006年01月08日 | 小説レビュー
年末年始ドタバタしてて、全然読めてません。本がまた溜まってきました。

ブログを書くのも、正月休み明けか、億劫で仕方ない。
でも、やります。

そんなわけで、月に一度のこのコーナーで、今月初レビュー。


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『砂漠』/伊坂幸太郎 

≪感想≫
伊坂さんの久々の長編です。簡単に言うと、大学生5人の大学4年間のお話です。その4年の間はオアシスにいるが、大学生活が終われば、社会という砂漠に出ていかなくてはならない。その最後のオアシスを春夏秋冬に分けて物語ってる。

連作短編のようだけど、長編。前に話した爽快感とあっと驚くオチが目立った伊坂ファーストシーズンとオチはあっさりとしてて、こだわらずキャラやその場の空気を重点的に描いたセカンドシーズンと自分の中では分けていたわけですが、今回は、そのファーストシーズンとセカンドシーズンを足したような感じでした。

伏線もあり、キャラを延々描きながらも最後にはちゃんとしたオチがあり、設定を無駄なく活用している。読後は、清々しくて、彼らの大学生活4年間が本当に走馬灯のように蘇った。一緒にいたような錯覚も覚えた。これは、大学生を経験してる人は共感というか、感情移入しやすいと思いますね。

とにかく、よかったです。やっぱ伊坂さんは、短編もいいですけど、長編は長編でちゃんと読ませてくれる。中身がぎっしり詰まってるって感じがする。

それに、「陽気なギャング~」同様、またあのメンバーのその後が気になる。あいつら今何やってるんやろな、って。主要キャラの東堂と西嶋は結局どうなったんやろ? とかね。

キャラが、ファーストシーズンのようにコミカルで濃いから変ってる奴らだけど感情移入できてしまう。そして、「こういう青春を送りたかったなぁ」なんて思う。

小説ってやっぱこうでなくちゃ! というのを再確認できた作品でした。
伊坂さんの次回作に期待です。おそらく次はまた連載してた短編集かな。



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