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最近読んだ小説レビュー Vol.5

2005年06月18日 | 小説レビュー
最近、あまり読めてないが、時間だけは過ぎていく、毎度おなじみ流浪の企画!


月に一度のこのコーナー!そう、「最近、読んだ小説レビュー」

今回のラインナップは、3つ!


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『グルーヴ17』 戸梶圭太

≪コメント≫

戸梶圭太さんの最新作で、学園青春もの。これは、「新潮ケータイ文庫」で連載されてたものらしいです。だから、ライトノベルのように台詞が多かったので読みやすいです。戸梶さんが、学園青春ものを書くと、こうなるかぁ(笑)ってのがわかります。どのキャラも安い人間ばかりで、バカが褒め言葉になるような感じ。女の人が読めば引くくらい男の欲望が前面に出た作品です。「セカチュー」のような“純”の付く恋愛ストーリーでは決してないけど、これはこれで、全然着飾ってなくてアリだと思います。男性が読むべき少し曲がった青春小説ですね。


『失はれる物語』 乙一

≪コメント≫

あまり言いたくないのですが、ライトノベルとしてリリースした短編集から、乙一自身が厳選して収録した一般的に言われるベスト盤的な構成。それに、書き下ろしが一つ収録されてます。まさに、現代のベストアルバムの形式に(最後に新曲入れるあたりが特に)近い。全体の感想は、不思議な物語です。ちょっと変な、でも怖くない、誰もが受け入れてしまいそうな不思議な体験を主人公がするっていうタイプが多いです。個人的には、「Calling You」、「傷」、「手を握る泥棒の物語」が好きですね。基本的には、主人公の設定が暗いというのは、乙一さんらしいですね。


『ラヴ★アタック!』 川上亮

≪コメント≫

全体の印象は、戸梶作品のグロがないマイルドな感じ。戸梶作品が、カレーの辛口ならば、これは、甘口。全編、コミカルで、文体が読みやすいし、笑いのセンスが光ってる。多視点で物語が進んでいくんですけど、このテンポがまた絶妙。出会い系にハマるオタク連中とおやじ狩りする女子高生、出会い系初心者の女、そしてラブハンターと、多彩なキャラが出会い系サイトをきっかけにひと騒動起こします。これは、言っていいのかわからないですが、すれ違いネタは、さすが!って思ったんですけど、同性愛ネタは、ちょっと気持ち悪かったです。想像すればするほど、おぇ~ってなります。あれがなきゃ……って感じですね。



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