オイラは、ボイラ 寒がりボイラ

6月から9月まで迄の4か月間は、失業状態ですが、冬期間はボイラーマンとして出身高校を暖めています。

北の旅人は、オアシスを求める。

2017年02月27日 20時11分17秒 | 北のポエム・北海道発のエッセー
 北海道南西部の漁師町で18年間学び、他で暮らしたことのない少年が一人旅立つ。
行き先は、苫小牧港からフェリーで18時間、茨城県大洗港だ。たった一人での旅行目的は、
首都圏での就職である。3月始め、北海道はまだ雪深く、外仕事がない季節だが、東京なら
仕事がたくさんあるだろう。少年は、大都会に自分のオアシスを求め、19:30出航のフェリーきたかみで、
苫小牧を後にした。3月の太平洋は低気圧の影響で、強い風と高波でフェリーの行く手を阻んだ。船は縦ゆれ、
横揺れを繰り返し、1時間半遅れで15:30に大洗港に接岸した。青白い顔をした少年は、重いスーツケースを引き、
リュックを肩にかけ、桟橋を歩いて大洗フェリーターミナルに降りた。昨夜、乗船前に食べた味噌ラーメンの後は、
何も食べていない。激しい揺れで、食べられる状況にはなかったのだ。この後は、バスでJR水戸駅まで行き、
そこから、常磐線各駅停車、上野行きで千葉県の柏駅まで行き、宿を探そうとしていた。目的地は、東京の上野なのだが、
昨日からの疲れが残り、早く横になって眠りたかった。水戸から柏までは各駅停車で、一時間半ほどで到着した。
まもなく18:00になるところであった。柏駅西口を出て、直ぐにビジネスホテルを見つけてそこに泊まることにした。
おなかが、グーと鳴り、昨日から24時間食事をしていなかった事に気づいた。本州での初めての食事を、何にしようか悩んだ末、
ホワイト餃子にした。北海道では、みよしの餃子が有名だが、千葉ではホワイト餃子が有名なのだ。以前、修学旅行で食べたことが、
あったので、少年は美味しいことを知っていた。餃子定食とコーラを注文し、10分でたいらげた。この後ホテルに戻り、
シャワーを浴び、深い眠りについた。今年3月1日に北海道の公立高校を卒業した、この少年の名前は、北石美也(キタイシ ヨシヤ)と言う。

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