今日、寝具の整理をし、一心不乱にアイロンをかけた。
洗濯は好きだけどアイロンかけが大嫌いという同居人に代わって、いつしかシーツのアイロンかけが蟷螂の仕事になった。
このアイロンかけという作業は蟷螂の73年の間の嫌な思い出を、つかの間忘れさせてくれます。
そしてこれから発生するであろう面倒で厄介な作業も。
心臓の手術後、歯科医の誤療を告訴すべく準備を進めていると、主治医にいわれました。
『術後は、穏やかに、穏やかにお過ごしください』
『穏やかに』という言葉を2回繰り返したところが意味深で、その後弁護士事務所で誤療の告訴を相談したとき、断念させるきっかけになったのです。
『蟷螂さん、歯科医の術前の説明不足だけだと慰謝料は数十万円しか取れませんよ。医学的見地から訴えるとなると、医師に鑑定書を書いてもらうことになりますが、場合によっては100万以上になることがあります。つまり、原告にとっては不利益です。損失を承知で裁判をお勧めすることはできません』
同居人は100万くらいなら私が出すから徹底的に戦うべきと言ったけど、そのとき『穏やかに、穏やかに』という言葉が蘇ったのです。
結局告訴を見送り、穏やかな生活を送るように心がけていますが、最近になって俄に周辺が騒がしくなり、そこでアイロンを思い立ったというわけです。
かなり大きなボックスシーツなので、30分ほどかけてアイロンをかけたら、少しばかり心が洗われました。
