子供の頃にスーパーカーブームにのって
一世を風靡した漫画、
サーキットの狼を久しぶりに見た。
記憶は遠いものの、
ロータスヨーロッパでポルシェ、カウンタック、フェラーリ・・・と
大排気量のスーパーカーをぶっちぎっていく。
なかなか楽しい漫画だったと思う。
初代のGT-Rやサバンナなどようやく国産車のレベルが上がってきた頃だが、
スーパーカーの定義とは一体何だったのかと思う。
低重心、ハイパワー、ワイドタイヤ、流線形フォルム、ミッドシップ、ターボ、
リトラクティブ・ライト、ガルウィング、スタビライザー、ウィング。
ようやくサニーやカローラが大衆車として浸透してくる。
軽自動車といえど高嶺の花だったころを思えば、
国産車にないものがほとんどであった。
当時の車のスペックをみても、
同じ排気量の国産車とは性能が随分と違ったと思われる。
とはいえまだまだ車の性能が低かった時分の話である。
ロータスヨーロッパに想いを描いた作品は
演出に派手な部分があったが、
あながちない話とも言い切れない。
道路も今ほど整備されていない。
道幅は狭く、継ぎ接ぎだらけ、
舗装はされていても心地よく走れるほど道ではない。
おそらくそういうことも作品の中にそれとなく描かれていたと思う。
低重心、ミッドシップでありながら非力なロータスを主役にしたのは、
小回りの利くゼロ戦で高性能な米軍の戦闘機を撃ち落した武勇伝のようにも映る。
ありえない話ではなかった。
その昔には大衆車のミニがモンテカルロラリーで成績を残したり、
モータースポーツでは色々とドラマがあった。
国産でミッドシップのMR-2が出てきたときはどうだったろう。
ミッドシップのカローラと兪やされたが、走りは断然早かった。
ファミリアのBFMRが出た時はどうだったろうか。
やっぱりむちゃ早かった。
ミラターボの4wd、64馬力のマシンが出た時は
これもむちゃ早かった。
オートマなんかと言われていたが、
雪上ラリーでは優勝したりした。
オート三輪やまるで自転車の原付を町でまだ見かけた時代、
日本のモータリゼーションが一段と進化した時代である。
単に外国の高性能車というばかりでない。
当時のスーパーカーのスペックは
今では見劣りしてしまうが、
夢をたくさん与えてくれたと思う。
現在のスーパーカーがどれほど性能が高くても、
あの当時ほどの感動というか共感が得られない。
不思議なものである。
風吹裕也がロータスからディーノに乗り換えた時までは覚えているが、
今回手に入れたコミックのランチャ・ストラトスを駆る話は初めて読ませていただいた。
ラリーフィールドで活躍した名車である。
今回もなかなか楽しかった。
プレイボーイ誌でスーパー7を駆るサーキットの狼の続編があったと思うが、
そちらは車の話題より少しかけ離れていたように思う。
編集者の都合で書かれていたかのような印象しか残らなかった。
やはり初作のイメージの方がなじみやすい。
別の作品だがメカドックなんか今描かれたら
どんな作品になるのだろうか。
少し期待してしまう。