
カンポ・デ・クリプターナ
「ドン・キホーテ」の舞台となったラ・マ
ンチャ地方。
カンポ・デ・クリプターナの丘の上には今も
10基の風車が残り、青い空と白い風車の組
み合わせが、いかにもスペインらしい旅情を
かきたててくれます。

ラ・マンチャに風車が出現したのは16世紀中頃
で、この時代において風車は科学技術の粋だった
そうです。
ミゲル・デ・セルバンテス(1547-16
16年)が、「ドン・キホーテ」を発表したの
は1605年のことです。
聖書の次に世界的に出版されるロングセラー小
説です。2002年には「史上最高の文学百選」
で1位を獲得しました。(ノーベル研究所と愛
書家団体発表)

セルバンテスは1547年マドリード近郊で
下級貴族の次男として生まれました。
しかし外科医の父の仕事がうまくいかず、教
育もまともに受けられなかったといわれます。
スペイン海軍で従軍、艦隊の食糧調達係、徴
税吏と職を転々とし、何度も投獄されていま
す。
「ドン・キホーテ」の序文で、牢獄において
構想したことをほのめかしています。
出版されるや、たちまち大評判となりました
が、版権を安く売り渡していたため、生活は
困窮したままでした。
「ドン・キホーテ後編」が1615年発表さ
れましたが、相変わらず貧しいまま、翌年
68歳でその波瀾に満ちた生涯を終えまし
た。

騎士道物語を読みすぎて、物語の世界と現
実の区別がつかなくなった主人公ドン・キ
ホーテが、やせ馬ロシナンテにまたがり、
サンチョ・パンサを従士として、世の不正
を正す遍歴の旅に出るという物語です。
旧態依然としたスペインなどへの批判精神
に富んだ作品で、風車に突進するシーンは
スペインを象徴する騎士姿のドン・キホー
テが、オランダを象徴する風車に負けると
いう、オランダ独立の将来を暗示している
との説もあるそうです。

主人公の自意識や、人間的な成長など「個
」の視点を盛りこんだ、最初の近代小説と
もいわれています。
シェイクスピアは同時代人で、この作品を
読んでいたといわれています。
ドストエフスキーにも多大な影響を与えま
した。
年老いてからも夢や希望、正義を胸に遍歴
の旅を続ける、その姿は多くの人の感動を
よんでいます。
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