最近は中お年寄りだけえなく、若い人たちにも物忘れやボケ、無気力などが急増しています。加えてすぐにキレやすい子供も、ふえていますね。とくにここ数年は子供の凶悪犯罪が新開やニュースをにぎわしています。ついこの間も中学生が真冬に川で泳がされその後に殺されてしまった事件がありました。
このような現象は、脳の前頭前野の衰えから起こります。毎日の生活で目や耳を介して、絶えずいろいろな情報を得ています。そうした情報は、ひたいの裏側にあり、脳全体の働きを統制する前頭前野に送られます。この前頭前野が、受け取った情報についてどのような対応をとるか判断するのです。前頭前野が活発に動いているときは、β波という脳波が盛んに出現しています。
しかし、前頭前野が衰えると脳からβ波が出現しなくなってしまうのです。そうなると、何に対しても無気力、無関心になつてしまい、判断力を失って、ささいなことでも怒りだしたり、暴力的になったりします。
また、記憶力も極端に低下して、物忘れがはげしくなります。これはまさに認知症に類似した現象です。こうした症状を改善する方法がないかと模索していたところ、意外なことが効果的であることがわかりました。それが、「つま先立ち」なのです。若い大学生数人を使った実験では、3~5分ほどゆつくりとつま先立ちをやらせたところ、β波が徐々にふえていました。つまり、つま先立ちを行うと、低下していた脳の前頭前野を活性化し、その働きを回復する効果が期待できるというわけです。
さらに、つま先立ちには、ドーパミンやセロトニンといった脳全体を活発にしたり調整したりする、脳内ホルモンの分泌を促す働きもあります。つま先立ちは、脳の働きを高め、ボケや物忘れを防いだり改善したりするいちばん簡単な運動といってよいでしょう。
脳出血が増えていますがつま先立ち運動で予防できそうです。忙しい毎日の中でこうした地味な運動は継続するのが難しいのですが、食習慣や運動習慣は続けることで効果を発揮するものです。なんとか時間をつくりたいものです。