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過去のプリンスアルバムを再発見、『The Gold Experience』!

先日、プリンスの貴重な未発表アルバム『Welcome 2 America』がリリースされて以来、また自分の中でプリンスが“マイブーム”になっており、過去のプリンスアルバムなどを聴き直している。ブログで『The Black Album』も取り上げたが、今回は1995年にリリースされたアルバム、『The Gold Experience』を取り上げてみたい。



1993年6月に“改名宣言”をした後、あのプリンスお馴染みのサインを使って、“The Artist formerly known as Prince”としてリリースされたアルバムだ。僕はこれまでもプリンスのアルバムは発売されると必ずすぐ購入してチェックしていたものだが、何故かこのアルバムが発売された当時、あまり好きになれず、あまりじっくり聴き込まないままCDを放置してしまっていた。それでも捨てずに長年保管していたが、今回改めて聴いてみると、実にャbプで、ロックで、ファンキーな良いアルバムであることを再認識してしまった。



収録されているのは下記18曲。今思い返すに、この18曲という曲数の多さや、間に6回も入っている“NPG Operator”というInterludeが妙に邪魔で気に入らなかったように思う。また当時特に大きなヒットシングルも無かったことも興味が薄れた要因だったかもしれない。

1) P. Control
2) NPG Operator
3) Endorphinmachine
4) Shhh
5) We March
6) NPG Operator
7) The Most Beautiful Girl In The World
8) Dolphin
9) NPG Operator
10)Now
11)NPG Operator
12)319
13)NPG Operator
14)Shy
15)Billy Jack Bitch
16)I Hate U
17)NPG Operator
18)Gold



しかし、このアルバムに収録されている『Endorphinmachine』が、後に日本のK-1のテーマソングに選ばれたことでこの曲が大ヒット。アルバムも改めて注目を集めたが、僕もその時にまたこのCDを引っ張り出して聴いていたのを良く覚えている。そして、その時にハマったのが、1曲目の『P.Control』という曲。P ControlとはPussy Controlのことで、タイトルからしてかなり露骨にエロティックな曲だが、途中で魅力的な女性の声で、“Are You Ready?”とサンプリングされた声が流れるのが何とも色っぽくて好きなのだ。曲もファンキーでプリンスのラップもなかなか冴えている。2018年に1995-2010年のプリンスヒット曲を集めたベスト盤、『Anthology 1995-2010』にも収録された。




そして当時先行シングルとしてリリースされた『The Most Beautiful Girl In The World』は、プリンス最初の妻、マイテに贈った曲と言われているが、プリンスの裏声炸裂の何とも美しいバラードだ。プリンスは多くの名曲バラードを残しているが、この曲はその中でも5本の指に入る名曲だろう。



そして更に注目すべきなのは、もう1曲、ファルセットバラードの傑作、『I Hate U』。これも嫉妬に満ちた歌詞ながら、何とも美しいメロディーの曲である。



『319』という曲もアルバム『Batman』に収録されている『Party Man』にも似た上質なファンク。また、人種差別への抗議をテーマに歌った『We March』は冒頭のメロディーが何ともスケール感がある曲で、その後も色々なメディアで活用されるほどキャッチーで有名になった。



そしてこのアルバムで特に気に入っている曲が、ラストの『Gold』。『The Gold Experience』の最後を締めくくるに相応しいスケール感たっぷりの曲だが、切なさの中に未来への希望を感じさせるメロディーがとても印象に残る。全体で7分23秒もある大作で、後半の泣きのギターも含め、まさにあの名曲『Purple Rain』を彷彿させる名曲だ。



6回も入っていて邪魔な(笑)NPG Operatorというのは、色々な経験(Experience)をガイドが案内してくれるような演出になっているのだが、この6曲分を除けばアルバムはとても引き締まった全12曲という良いラインアップになる。しかも、この12曲どれもが今聴くとなかなか素晴らしい曲ばかりだ。このアルバムがリリースされた1995年というのは、ちょうどプリンスがレコード会社のワーナーと揉めて、改名騒動などの真っ只中であった時期だが、ネガティブオーラに満ちた1994年リリースの『Come』(1994年に日の目を見たThe Black Albumを除く)や、1996年にリリースされた『Chaos and Disorder』とは違い、かなり全体的に明るいトーンで、陰険な雰囲気はない。しかもファンキーで、ロックで、絶頂期のプリンスに近いクオリティーであり、改めてこの『The Gold Experience』の素晴らしさを再発見してしまった。また暫くはこのアルバムをじっくり楽しみたい。
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