ゴールデンウィーク明けの5/11に、ミスチルのベスト盤2枚、『Mr. Children 2011-2015』と『Mr. Children 2016-2021 & NOW』が同時リリースとなり、大きな話題となっている。30周年という節目にも相応しいベスト盤リリースのタイミングである。
これまでにもベスト盤が計4枚リリースされているので今回で計6枚のベスト盤となったが、この6枚を全て網羅すると、時系列的にミスチルのヒストリーにどっぷり浸れるのでわかりやすい。最初にリリースされたのは、デビューした1992年から2000年までの18年間にリリースされたシングルなどを中心とした下記2枚のベスト盤であった。
Mr. Children 1992-1995
Mr. Children 1996-2000
次に2012年にリリースされたのが、MicroとMacroと言うサブタイトルがついた下記2枚のベスト盤。Macroは2001年から2005年までのシングルやヒット曲を収録。Microは2006年から2010年までのヒット曲を収録。
Mr. Children 2001-2005 (Micro)
Mr. Children 2006-2010 (Macro)
そして、今回リリースされたのが、下記2枚のベスト。前回のベスト以降、2011年から現在までのヒット曲を収めたものだ。
Mr. Children 2011-2015
Mr. Children 2016-2021 & NOW
今回のベストに収録されているのが下記全28曲(それぞれのアルバムに14曲ずつを収録)。
Mr.Children 2011 – 2015
- hypnosis(日本テレビ系ドラマ「トッカン 特別国税徴収官」主題歌)
- REM(映画「リアル~完全なる首長竜の日~」)
- Marshmallow day(資生堂「マキアージュ」CMソング)
- 祈り ~涙の軌道(映画「僕らがいた」主題歌(前篇))
- End of the day
- pieces(映画「僕らがいた」主題歌(後篇))
- 常套句(フジテレビ系ドラマ「遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニュー アル」主題歌)
- Melody(コーセー「ESPRIQUE」CMソング)
- 足音 ~Be Strong(フジテレビ系列 月9ドラマ&映画「信長協奏曲」主題歌)
- 忘れ得ぬ人
- 放たれる(映画「青天の霹靂」主題歌)
- 幻聴
- 進化論(日本テレビ「NEWS ZERO」テーマ曲)
- 未完
Mr.Children 2015 – 2021 & NOW
- Starting Over(映画「バケモノの子」主題歌)
- fantasy(BMW アクティブ ツアラー CMソング)
- ヒカリノアトリエ(NHK 連続テレビ小説「べっぴんさん」主題歌)
- himawari(映画「君の膵臓をたべたい」主題歌)
- here comes my love(フジテレビ系ドラマ「隣の家族は青く見える」主題歌)
- SINGLES(テレビ朝日系 木曜ドラマ「ハゲタカ」主題歌)
- Your Song
- 皮膚呼吸
- Birthday(「映画ドラえもん のび太の新恐竜」主題歌
- Brand new planet(カンテレ・フジテレビ系 火9ドラマ「姉ちゃんの恋人」主題歌)
- others(キリンビール「麒麟特製ストロング」CM ソング)
- Documentary film
- 永遠(Netflix 映画『桜のような僕の恋人』主題歌)
- 生きろ(映画「キングダム 2 遙かなる大地へ」主題歌)
タイトルの横に記載の通り多くの曲がタイアップされており、耳にしたことのある曲ばかりではないだろうか。そんな28のヒット曲の中でも僕が特に好きなのが下記10曲。
- REM
- Marshmallow Days
- 祈り
- Pieces
- 常套句
- 幻聴
- Himawari
- Here comes my love
- Brand new planet
- Documentary film
僕はやっぱりミスチルの王道であるバラードが好きなのだが、ある意味『sign』、『しるし』、『HANABI』などで僕の好きなバラード路線は既に完成系に達してしまっており、どうしてもその後の曲は似たものが多いと感じてしまう。もちろん悪くは無いのだが、どうしても狙いに行っているように思えて、これまでの曲を超えてこない(自分的には)。例えば、今年リリースされた新曲の『永遠』と『生きろ』も悪くは無いのだが、ヒットを置きに行っている気がしてしまう。
そんな中、選んだ上記10曲は今までには無い、オリジナリティに溢れた曲であると感じる。『REM』はミスチルが手掛けてきた全曲の中でもかなりハードなロックナンバーで、ある意味異色曲だ。そして『Marshmallow Days』は明るい軽さがとても爽やかで新鮮な1曲。資生堂マキアージュのCM曲に起用されたのも納得である。そして、『祈り』と『pieces』は映画『僕らがいた』の前篇と後篇の主題歌となっており、なかなかの名曲である。そして、『常套句』は、サビの“君に会いたい~”というフレーズを繰り返すパターンの曲。これまでにも“もう1回、もう1回~“と繰り返す『HANABI』と同じパターンだが、サビがとても心に染みる曲だ。『幻聴』は特にタイアップが無い曲ながら、こちらもサビがいかにもミスチルらしいものの、他の曲とは少し違うオリジナリティがある美しいバラードだ。
『Himawari』は、映画『君の膵臓を食べたい』の主題歌として印象に残っているし、『here comes my love』も少し捻りの効いた名曲。そして、僕が好きで見ていた有村架純主演のドラマ『姉ちゃんの恋人』の主題歌、『Brand new planet』は今までには無かったミスチルの新しいメロディーラインがとても新鮮で、最近では一番お気に入りの曲だ。『Documentary films』もタイアップ曲では無いものの、アルバム『Soundtracks』に収録された名曲。切ないバラードで、自分の中では『HANABI』にも匹敵する素晴らしさだ。
こうして2011年から現在までのベストをじっくり聴き直してみると、この10年も全く変わらず第一線でミスチルが活躍してきたこと、そしてライブこそ出来なかったものの、コロナ禍でも精力的な作曲を欠かさず前に進んできたことを改めて実感する。こうしてデビューから30年、日本の音楽界でコンスタントに、しかも常に最前線から退くことなく活躍し続けるバンドは他に殆どいない。恐らくミスチルとB’zくらいではないだろうか。先日の名古屋でのライブに続き、来週は日産スタジアムにも参戦予定だが、今年はベスト盤も相まってミスチルを堪能する1年になりそうである。