なんとあのブルース・リー最後の作品『死亡遊戯』が公開された3年も前に、流出した『死亡遊戯』の情報をもとに、勝手にパクって作ってしまった作品だ。なので、今ではカルト的なポップアイコンであるあの有名な黄色いトラックスーツが初めて世の中にお目見えしたのが、なんとこのパチもんの『新死亡遊戯』なのだ。本家よりもパチもんが先に公開されてしまうとは驚きであり、当時かなり物議を醸し出したようだが、当時の香港映画界では結構リークされた情報を元に、本家よりも先に作ってしまうようなことは結構あったらしいのだ。
この映画は昔から気になっていたのだが、なかなか入手が困難な作品で、たまにネットでDVDを見かけても10,000円~30,000円くらいで売られていたりするくらいのレアものなのだ。そんな中、たまたま先日ネットで破格の値段で売られているのを発見し思わず購入したが、ようやくこの究極のパチもんB級映画を観賞することに成功したのである。
パッケージには2枚のDVDと1枚のサントラが入っており、本編は米国上映版(英語タイトル: Goodbye Bruce Lee: His last Game of Death)と香港上映版(英語タイトル: The New Game of Death)が収録されている。内容は同じなのだが、米国版には主題歌『King of Kung Fu(キングオブカンフー)』というナントのお粗末な曲が流れて大爆笑。これは結構笑える!
物語は、『死亡遊戯』を撮影していたブルース・リーが撮影途中で急死してしまった為、代役を探しているところから始まり、まるでドキュメンタリーのように映画が始まる。そして代役がブルース・リィに決まったところで、今度は撮影に入り、様々なアクションの撮影シーンが繰り広げられるが、これが何ともお粗末で全くキレがない(笑)。ブルース・リィ自身はもう少しキレのある格闘シーンを演じることが出来るのだが、これは彼のデビュー作で、まだ何とも荒削りで笑えてしまう。
そしてストーリー展開もかなりヒドイ。あまりにも酷過ぎて、思わず笑ってしまう。お笑い芸人によるパロディー映画かと疑ってしまうほどだ(笑)。何度か闘ったりしているうちに、彼女が敵に誘拐され、彼女を助ける為に六人の格闘家が待ち受けるセブン・タワーへ向かう。そこにはどう見ても強そうに見えない変テコな格闘家たちが立ちはだかるのだか、コンセプトは本家『死亡遊戯』からインスパイアされたのだろうが、何ともツッコミ所満載のアクションシーンが続き、相当退屈な展開に。
これはブルース・リー好きでも見ているのが辛い作品ではあるが、ある意味そっくりさん映画の金字塔的な作品でもあり、カルトカンフー映画として、そして単純にブルース・リー関連の“歴史遺産”として、カンフー映画ファンは一度チェックした方が良い映画である。しかし、ホー・チョンドーの魅力をもっと楽しみたいのであれば、やはり『ブルース・リー物語』がおススメである。
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