イギリスの小さな出版社から2009年に『BLR (Bruce Lee Review)』という本が出版され、その後2011年から2017年にかけて同名の6冊の同人誌が発刊された。同人誌は2011年の発刊以来、結局第6号まで全6冊が発刊されたものの、その後途絶えてしまっており、いつ復活するのかも不明らしい。しかし、一旦6号までで終了とすることを決めたのかどうかわからないが、2009年に出版された最初の本と、その後の6冊の同人誌を1冊に纏めた『BLR Vol.1』が2017年に出版された。
全部纏めただけあってかなり分厚く、読み応えのある本となった。大々的に発売されたわけでは無い為、流通量は極めて少ないようで、もはや手に入れるのも難しいレアな出版物だ。サイズもB5ノートサイズで手にとって読みやすい。同人誌は、わざとふるぼけた雑誌のようなデザインの表紙がなかなかユニークで、中身もブルース・リーファンに向けたものなので、相当マニアックな内容となっている。
しかしこの総集編の本、茶色の表紙に金色で『BLR』とだけ書かれ、金色のヌンチャクのシルエットだけの地味なデザイン。表紙にブルース・リーの写真も無く、”BLR”ってなんやねん、と言いたくなるような怪しさ満載の本になっており、まるで卒アルか、聖書かというような地味な雰囲気。一見ハードカバーのようだが、実はソフトカバー。しかも、なんか値段のシールみたいなものが右上に付いているかと思いきや、これも印刷という何とも細かい芸が施されているのが面白い。
中身は表紙にも負けない凝ったな内容で、レアな写真とマニアックなネタに溢れていて、ブルース・リーに縁のあった人への貴重なインタビューや、映画、本、グッズなども多く取り上げられている。
中には、ブルース・リーの息子、ブランドン・リーの映画やインタビューを特集した記事などもあって、他では読めないかなりマニアックなコンテンツである。ブルース・リーのコアファンには嬉しい本だが、逆にブルース・リー初心者にはちょっと着いていけない内容かも(笑)。
世界中に様々なブルース・リー出版物が存在し、コレクターも実に多いが、このBLRもそんなカルト的な出版物の一つであり、ようやくこの総集編をゲット出来たのはラッキーであった。