僕が子供の頃に実家でセキセイインコを飼っていたこともあり、元々鳥に興味が無かったわけでは無いのだが、ここ暫くは正直鳥に関する興味が殆どなかった。しかし、不思議と最近妙に野鳥が気になるようになってきたのだ。そして今、何とも美しい青い鳥、“ルリビタキ”に魅了されている。
若い頃は、一眼レフカメラを片手に山を散策するおじさんたちをみるにつれ、何が面白いんだろう?と不思議に思っていたものだが、最近は妙に共感出来るようになってきた(笑)。自分も歳をとったということだろう。
しかし、今を思えばセキセイインコ以外にも、僕の周りにはいつも鳥がいたのだ。なぜなら亡き父が“メジロ”マニアで、ピーク時には家で8羽のメジロを飼っていたのだ。飼育の免許書も持っていたが、田舎の愛媛県弓削島に里帰りしては、メジロを飼育している親戚のおじさんからメジロを分けて貰い、船と新幹線に鳥かごを持ち込んで、弓削島から横浜の自宅まで持ち帰っていたのを思い出す。当時は僕はメジロに全く興味が無かったし、どうせ飼うならウグイスの方がいいんじゃないの?と密かに思っていたものだが、父曰く、メジロの鳴き声が素晴らしいと、いつも語っていたのだが、あまりピンときていなかった。しかしこの歳になると、メジロにも少し興味が湧いているし、“あのグリーンの色合いが結構美しいかも”、と思うようになったので気持ちの変化は不思議なものである。
さて、前置きが長くなったが、最近虜になったのがルリビタキという鳥だ。虜になった理由は、何と言ってもその青くて美しい色だ。野鳥の中でも特にブルーの色合いが美しく、何よりも僕の大好きな色であるブルーということが惹かれた最大の理由だ。まさに“幸せの青い鳥”というイメージである。
まだルリビタキに関してはあまり詳しくないので勉強中なのだが、ルリビタキは瑠璃三鳥の一種らしい。オスのブルー(瑠璃色)が何とも美しい。肩羽の付け根から体の横にそって黄色く、腹は白くて丸っこいので可愛い風貌だ。足と嘴は黒。メスは全体的に地味な褐色をしているが、オスの方が色が美しいというのはまさに孔雀と同じかもしれない。
ルリビタキのオスが美しい青色に変わるのは生まれてから2、3年経ってからになる。若い幼鳥のオスは雌に似た地味な色をしていて、だんだんと青味が増してくる。一見してメスと見分けるのは難しいらしい。ルリビタキの寿命は5年くらいとどこかで読んだ気がするが、その意味ではルリビタキのオスが青くて美しいのは、終盤の1-2年だけということを思うと、何だかとても切ない。
ルリビタキの鳴き声は、ネットで色々と聴くことが出来るが、ジョウビタキのように「ヒッヒッ」「カタカタカタ」という声を出す。繁殖期のオスのさえずりは「ヒョロヒョロ」「ピュルピュル」という少し早口な声。茂みのある暗い林に生息する。夏は北海道から四国までの標高の高い場所で縄張りを持って繁殖する。冬になると低山の林に降りてくる。単独で行動し、地表と木の上を行き来しながら昆虫類や果実を食べる。
その見た目の美しさから、最近ネットで見つけたルリビタキの写真を集めたりして楽しんでいるが、先日ついにルリビタキの写真集を発見し、思わず購入してしまった。それがこちら。約130ページ以上の写真集だが、ルリビタキの様々な表情が見事に捉えられており、そのブルーで美しい佇まいを見ているだけで癒される。
残念ながら、まだルリビタキを肉眼で目撃したことは無い。近くの寺家や生田緑地などの自然公園に生息している可能性も高いので、きなこの散歩をしながらぜひ林の中にも目を凝らしてチェックすることにしよう。いつか大自然の中でご対面したいものである。