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残念な朝ドラとなってしまった、『ちむどんどん』

僕は毎回、NHKの朝ドラをチェックしている。録画して、週末に一気見したりすることが多いが、前回の『カムカムエブリバディ』は最高に楽しい作品だったので、毎晩録画をチェックして毎回楽しみにしていた。現在放映している朝ドラ、『ちむどんどん』もスタート時はかなり楽しみにしていたし、沖縄本土復帰50年を記念したドラマとして、沖縄のやんばるを舞台にしたドラマとして、注目されていた。

実際にスタート時は、主演の比嘉暢子(ひがのぶこ)の子供時代を演じていた稲垣来泉ちゃんの演技が素晴らしくて、“これは期待出来そうだ!”と当初思っていた。来泉ちゃんは本当に演技が上手く、とても可愛い。今はTBSの日曜劇場ドラマ『オールドルーキー』にも娘役で出演中だが、彼女は今一番注目している子役女優である。

しかし、来泉ちゃんから本来の暢子を演じる黒島結菜に変わったとたん、イマイチなドラマになってしまい、とても残念に思った。

決して黒島結菜自身が悪いわけではない。設定と脚本に問題があるように思う。来泉ちゃんが演じていたのは、とても芯が強く、明るく前向きな女の子を演じていたし、とても感情移入出来て、好感が持てる演技であった。特に芯の強さという点では、来泉ちゃんの見事な演技力によるところが大きかったと思う。

一方で、黒島結菜が演じている暢子は、幼少期に感じた芯の強さというよりは、どこか行き当たりばったりで、悪い意味で能天気さ(楽観的というよりも)ばかりが悪目立ちしてしまう印象に。来泉ちゃんが築いたイメージがどうも継承されておらず、まるで別人のようだ。そんな演技に、だんだん感情移入出来なくなってしまった自分がいた。舞台が東京に移ってからは、特にバタバタな展開ばかりが目立ってしまい、沖縄本土復帰50年の意味合いも薄れ、結局何を伝えたいドラマだったのかがわからなくなってしまった。兄の比嘉賢秀(けんしゅう)のバカさ加減もかなり度を超えていて、正直いらつく次元に入ってしまったのもドラマをつまらなくしている大きな要因の一つとなっている。

観だした朝ドラは最後までしっかり観るつもりだが、『カムカム~』があまりにも良い朝ドラだったので、その分今回の『ちむちむ~』には少しがっかりしてしまった。

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