僕の大好きな女優の一人である、波瑠が主演を務めるフジ火曜9時ドラマ、『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』がなかなか面白い。特殊能力を持つ刑事ものドラマというのは結構多いので、またそんなタイプのドラマかと、最初はそんなに期待せずに見始めたのだが、意外にも熱い刑事ドラマだ。展開のテンポも良く、いつの間にかどんどん引き込まれていく。
そして何よりも、波瑠が“カッコいい”のだ。波瑠はいつもどちらかと言えば“可愛い“のだが、今回は”カッコいい“のだ。波瑠の主演しているドラマはほぼチェックしているが、今回の波瑠は、一度見た光景を写真のように記憶することが出来る、瞬間記憶能力・”カメラアイ“を持つ女刑事、柊氷月役を演じている。柊氷月という名前もカッコいいが、名前の通り”氷の女王“と呼ばれるほど、他人にも自分にも厳しいストイックな性格。ノンキャリアで警視庁捜査一課の主任にまで成り上がった刑事だ。しかも、今回”柊班“という形で、班の長として部下を取りまとめなければいけない立場で、まさにカッコいい女性の上司として登場するが、あくまでもクールなので、変に上司として頑張り過ぎてないアウトローな感じもまたいいのだ。刑事役なので、派手さはないが、いぶし銀なカッコ良さがあってまた新たな波瑠の一面が見れたような気がする。そんなクールで、氷の女王と呼ばれる柊氷月だが、忘れたくもない“ある過去”があり、その心の傷を抱えながら日々過ごしている。一緒に暮らす妹ともどこか打ち解けられないでいる。
共演は、柊と常に行動を共にする巡査部長、土屋役に山本耕史。実は裏ミッションをもって柊を監視する役のようだが、今後明らかになるその役回りにも注目だ。また柊の部下となる、熱血刑事穂村役をSixTONESの森本慎太郎がかなり好演しており、他にもサイバー刑事木皿役に倉悠貴、警視長官の息子ながら、現場で経験を積みたいということで柊班に加入した若手、瑞江役を演じるのが超特急のメンバー、柏木悠などの若手が柊班を固める。柊を尊敬する瑞江だったので、今後の展開が楽しみだったが、第3話で殉職してしまうという衝撃の展開となった。
色々な犯罪や、警視庁裏政治の闇などを取り扱う刑事ドラマなだけに良くありがちな、やや暗くて地味な空気感が漂うが、内容としては意外と骨太な展開になっており、各話の継続性もあって引き込まれた。しいて言えば、柊の瞬間記憶能力が若干唐突感と非現実感があるのは否めないものの、まあ完全なフィクションとして割り切って考えられればドラマとしては楽しめる。
ここ最近の波瑠は、とても良いペースで毎年コンスタントにドラマ主演しており、女優として順調にキャリアを重ねているように感じる。昨年波瑠が主演していたドラマ、『グレイトギフト』がちょっとイマイチだったが、今回の『アイシー』は久々にとても気に入っている。最近波瑠が少し痩せすぎているような気がしており、この点だけがちょっと気になっているが、今後どのように柊氷月の心の傷が癒えていくのかにも注目しながら、純粋に波瑠のクールな美しさを今回のドラマでは満喫したい。