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そんな秀作揃いの中、やはり一番のお気に入りは『まだ結婚できない男』である。これは2006年の夏ドラマとしてフジテレビで放映された『結婚できない男』の続編だが、オリジナルがあまりにも面白かったので、続編が出来ないかといつも願っていたほどなので、今回実現したのはまさに奇跡的であった。『結婚できない男』は僕の好きな歴代ドラマの中でもトップ5に入る傑作だが、阿部寛の何とも味のあるコミカルな演技と、彼を取り巻く魅力的なキャラクターたちが絶妙なドラマ展開を繰り広げ、見事な作品に仕上がっていた。そして今回13年ぶりの続編も、オリジナルの独特なユーモアと世界観、そして魅力的な新キャラクターなども満載でとても素晴らしい作品に仕上がっている。設定としては、あれから10年経過したことになっている。
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オリジナルでは、後半恋愛感情に発展した阿部寛演じる建築家の桑野信介と、夏川結衣演じる、内科医のなつみさんを中心に、桑野と同じマンションの隣の部屋に住む、みちる(国仲涼子)、桑野がいつもホームページをチェックしていた女ったらしの建築家、金田(高知東生)、桑野の仕事仲間のまや(高島礼子)など、実に多彩な俳優陣が出演。今回の続編では、新たに弁護士のまどか(吉田洋)、桑野のマンションの隣に引っ越してきた駆け出しの女優、さき(深川麻衣)、桑野のことが気になるカフェの店長のゆきえ(稲森いずみ)、住宅プロデュース会社の社員、桜子 (咲妃みゆ)、桑野設計事務所の社員、しおり(奈緒)などの新たな顔ぶれが揃って、続編ながらフレッシュさも打ち出した。また、オリジナルの金田役ャWションには、今回、桑野への中傷コメントを書き込むサイトを運営する“やっくん”だと間違われる、薬丸を演じるのがデビッド伊東。桑野と同じジムに通っているが、ジムでの面白いやり取りが繰り広げられる。
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オリジナルと同じなのは、事務所の後輩えいじ(塚本高史)、桑野の家族(義理の兄のよしお(尾美としのり)、妹のけいこ(三浦理恵子)、母いくよ(草笛光子)、そして大工の棟梁(不破万作)などで、続編であることへの安心感をもたらす。
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そして忘れてはならないのが、オリジナルで癒しの時間を提供したパグの存在。元々は隣に住むみちるがケンという名前のパグを飼っていて、ケンが桑野のきゅうり攻撃にすっかりなついてしまってから、桑野とケンが心を通わせ合っていたのが何とも愉快だった。そして今回も、新たな隣の住人のさきがパグのタツオを飼いだすことで、また桑野とパグの新たな物語が始まったのだ。これは何とも粋な設定である。
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桑野の偏屈独身男ぶりが何とも面白いこのドラマだが、続編はオリジナルから10年の時を経た設定となっているが、この間に世の中の結婚に対する価値観も変化している点なども上手く取り込み、小道具としてAIスピーカーやインスタなども今回登場し、桑野が若干健康志向に変わっていたりしているのも撃ェ細かい、時代考証なども上手く取り入れており、良く出来たドラマだ。
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最後にもう一つ粋な演出は、ドラマの主題歌。オリジナルではELTが歌う『スイミー』という曲であったが、今回の続編では同じく持田香織(ELT)が歌う『まだスイミー』というリメイクソングになっており、アレンジこそ若干違うが、“まだ”スイミーなんてふざけたタイトルを付けて起用するとは、とても上手い作戦である。これは一本取られた思いである。
最終回まで存分にドラマを楽しみたい。