
飼っていた鳥が逃げた。
オウムを2羽一緒に飼っていたのだが、そのうちのメスが逃げていった。
ここ1ヶ月、ゲージを嘴でかじる音がよくするなぁと思っていた。
たまに、扉が勝手に開いている事も何度かあり、危機一髪のときもあった。
今考えれば2匹は、一緒に脱走する計画を立てていたのかもしれない。
ゲージの扉が開き、バサバサッという音と共に、翼が空へをまった。
それに気づき、慌てて扉をしめ、オスの脱走を私は阻止した。
1匹は、庭の樹の最も高い場所へ止まり、暫くこちらを見ていた。
名前を呼ぶと、近くに降りてくることが以前あった為、何度も呼んで見る。
鳥を捕まえるのは難しい…
逃げた猫や犬はまだしも、鳥には翼がある。
私は飛べない。
プラタナスの並木が茂る通りまで飛んでいき、どの枝に鳥が止まったのか一つ一つ目を凝らした。
地上では、残されたオスが切なそうだった。
一緒に脱走する計画だったのにね…。
私が鳥だったら、籠の中なんて嫌だ。
プラタナスの並木を沿ってゆっくりと飛び、自分の好きなところに行きたい。
鳥の気持ちを思いながらも、連れ戻そうとする自分に矛盾を感じた。