【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

現代の探検家《田邊優貴子》 =22=

2016-11-29 18:29:42 | 冒険記譜・挑戦者達

○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

○ 南極の凍った湖に潜って、原始地球の生態系を追う =田邊優貴子= ○

◇◆ 第8回 つかの間の日本、そしてまた南極へ =2/2= ◇◆

  バイヤーズ半島キャンプ隊の南極行は出発直前だった2013年の秋になって取りやめとなった。 そんな矢先の冬、「アンターセー湖に行かないか?というか、お前も行くぞ。 出発は次の10月中旬ころだから」とデイルからの誘いがあった。 内陸の山岳地帯にあるアンターセー湖なんて、滅多に行ける場所じゃない・・・このチャンスを逃すなんて大馬鹿ものでしかない!と思った私は、瞬時に返事をした。

 「もちろん!」と。 けれどバイヤーズ半島のことは心に引っかかっていた。 スペイン側から「今シーズンはダメだったけど、来シーズンは絶対行けるから!」と言われていたのだ。 悩んでいた私だったが、最終的にいいことを思いついた。

 「そうだ、どっちも行こう」 と。

 それからはひたすら日程調整や準備に取り組んだ。 両方の南極行きの日程のこと、大学のこと、相手国とのやり取り、装備や研究・調査器材の調達や準備、普段の仕事、やらねばならないことが山のようにあった。

 今思っても2014年の春以降は「忙しい・・・忙しすぎる・・・南極のバカヤロー・・・うう・・・」なんてことをブツブツと言いながら、めまぐるしく日々が過ぎていった記憶ばかりが残っている。

 けれど、“チャンス”とか“タイミング”というものはこういうものだ。 どちらかだけを選んでいたら、もう一方へ行けるチャンスはあと10年巡ってこないかもしれない、それどころか一生行けるチャンスがないかもしれない。 それくらい、どちらも稀なチャンスだったと思う。

 それが偶然にも同じようなタイミングでやってきたのだ。 たしかに考えれば考えるほど大変なことが多すぎるけれど、なんとかすればなんとかなるのであれば、なんとしてでも行こう、と決断したのだ。

 そういうわけで、休む間などなく今シーズン第2回目の南極へ出発の時がもう目の前に迫っていた。 東京からニューヨーク、チリのサンティアゴを経由して、南米大陸の先端にある町、プンタアレナスへ。 そこから飛行機に乗って南極・キングジョージ島に入り、リビングストン島のバイヤーズ半島に渡って約3週間のキャンプ生活をすることになっている。

 バイヤーズ半島で調査をすることで、これまで知っている南極と比べて、より発達した生態系を見ることができる。 原始地球にはじまった生態系から、アンターセー湖、昭和基地周辺の湖、南極半島の湖、というふうに生態系が出来上がっていく過程をまるで時系列順に追ってゆくかのような調査行になるに違いないのだ。
 
 さて、私のまだ見ぬ温暖な最北の南極へ。  一体どんな世界が私を待っているのだろう。

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・・・・・ 南極点到達競争 =壮絶な英国隊・スコットの遭難= ・・・・・・・

 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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