煌明公司nettaskforce

こちらは「ガンダムSEED」のディアミリファンサイトです。個人の趣味での二次製作作品をご理解の上閲覧くださいませ。

ディアミリ二次創作 夏至祭6

2025年02月14日 | 小話
 
 痛みが去ったあと、落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせながらモバイルの「陣痛アプリ」を開いた。陣痛の間隔を計るためだ。
 初産って遅れがちって聞いたことがあるけど…。おしるしもまだないし…。データ収集や不測の事態に備えるためにと、予定日より早めの入院を勧められたけど…。何か問題があったのだろうか…。不安が募る。
 そりゃあ、いつもよりお腹が張ってる感じはあった。でも、食事もおやつも完食したし、ちょっと食べすぎたかな、ぐらいにしか考えてなかった。
 ―って、ところで、2回目キタ―! うぐぐぐぐ~。
 時間は17分後。陣痛って、軽い生理痛ぐらいから始まって徐々にMAXになるんじゃないの? 急すぎない? 破水に備えて防水シートとバスタオルを準備する。
 3回目は15分後、う゛わ゛わ゛わ゛わ゛ぁぁぁ~~~
 4回目は13分後、5回目12分後、徐々に間隔が短くなってきたので、ナースコールした。子宮口はまだそんなに開いて無いが、万全を期して分娩室へ移動する。スタッフに励まされながら呼吸を整えるけど、痛すぎて意識は朦朧となる。病院側にディアッカや両親・プラントのお義父様に連絡してもらう。次第に痛みが増してくる。破水後、子宮口全開大となり、もうすぐ赤ちゃんが生まれますよ、という声が聞こえたが、よく覚えていない。
体中がきしみ、腰の骨が砕けそうなそんな時、
「頭出ました! 次、肩抜きます!」
死ぬかと思った。
「おめでとうございます!」
 両足の間から、まだへその緒が繫がってる赤ちゃんが見えた。
 赤いから赤ちゃんって言うんだと、思った直後気を失ったらしい。遠くからかすかに聞こえる産声に目を覚ます。その間1分にも満たなかったそうだが、目を開けたら目の前にスタッフに抱かれた赤ちゃんがいた。思わず手を差し伸べると、赤ちゃんを抱かせてくれた。
「元気な男の子ですよ。」
 温かな小さな命。汗か涙かわからないものが頬をつたった。生まれてきてくれてありがとう。
 静かな拍手が部屋に響いた。

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