一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

ボーカルの掃除

2020年05月28日 | ファゴット
緊急事態宣言が解除されて、学校再開から部活再開。
そしてようやくファゴット再開の人も多いでしょうね

ところで、今更ながらボーカル掃除の話。
ファゴットのボーカルは、クラリネットのマウスピースや、
オーボエのチューブと同じく、
リードの振動を楽器本体に伝える大事な部分

ボーカルの定期的な掃除は、安定した演奏の為には結構大切だけど、
今までのレッスン記事の所々に、バラバラに書き散らしていて、
まとまった事を書いて無いのに最近気づいた(笑)ので、
ファゴット再開の一助にもなるかなと思い、
この機会にまとめておこうと思います

というわけで、ボーカルの掃除。
ボーカルの中に水を通して水垢をふやかしてから、
市販のボーカルブラシをボーカルの両端から1~2回程度差し込んだあと、
もう一度水を通して、中をきれいに洗います。
しつこくゴシゴシやらなくても、これぐらいで大丈夫

メーカーによっては、ピアニシモホールの部分が、
ボーカル内側に長く突き出ているものがあるので、
ブラシが中で何かに当たって、それ以上奥に行かない場合は、
無理矢理突っ込まないように

そして洗ったついでに、ピアニシモホールが詰まってないかも確認。
水をボーカルの中に入れたまま、先端を指でふさいで、
反対側から息を吹き込むと、穴から水が勢いよく吹き出します。
穴が詰まってる場合は、径の細いドライバーか、
またはリードのワイヤーがあれば、それで詰りを取り除きます。
ホールリーマーがあればベスト。ホールリーマーについてはこちら「リハとレッスンの午後」
赤丸が話題のピアニシモホール。

時々「毎日ボーカルスワブは通してるけど、
ブラシも通した方が良いですか?」と質問されるけど、
そのボーカルにブラシを差し込んでみたら、
やはり黒い汚れが流れ出たことが何度もありました。
スワブは水は拭き取るけど、汚れを充分取ってはくれないみたい

それと、ただ水を通しただけでは、あまりきれいにならないので、
やっぱりブラシをちゃんと通した方が良いです
僕はJDRで売ってるフォックスのブラシを使っています。「FGボーカルブラシ FOX」

ボーカルの中は意外と狭く細く、ちょっと水垢が溜まると、
高音域がたちまち出づらくなるし、響きも悪くなるので、
毎月一回程度はボーカルの掃除をしましょう。
ボーカルブラシは必需品
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楽器シリーズ 第1集

2018年12月12日 | ファゴット
「日本郵政から12月6日に発売された、楽器の絵柄切手の中に、
どうやらファゴットの絵柄があるらしい。」
という情報を得たので、これは何としても買いに行かねば

・・・と思っていたら、昨日レッスンに来た山本さんから、早速頂いてしまいました
発売された62円と82円の切手の内、ファゴットの絵柄は62円の方だ

時節がら「くるみ割り人形」つながりなのかな?
今回オーボエは無いのに、ファゴットがあるとは
シートストラップだよ

さあ、みんな最寄りの郵便局に急げ
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久々に手入れ

2018年03月02日 | ファゴット
最近何かと気忙しく、自分の楽器の手入れまで手が回らなかったんだけど、
少し暖かくなって、ちょっとやる気になったので、
何年振りかで派手に分解して、掃除と手入れ

キーを楽器本体から外したら、
傷んで取れそうなフェルトがいくつかあったので、
それらは剥いで、新しいフェルトと交換。

ホコリや緑青を落とし、くすんだキーは磨き
キーオイルも注したら、キーのノイズが消えて動きもスムーズに

結局5日位かかったな
これからはこんなに溜めずに、こまめにやろう
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久々に上京(楽器だけ)

2017年02月20日 | ファゴット
少し前から、テナージョイントのコルクに、亀裂が入ってきていて、
最近それがグルっと一周しそうになっていました。
赤丸の中に、横に走る亀裂
ここは回す時に力が掛かるからなあ

さらにボーカルのコルクも随分縮んで緩くなって
最近騙し騙し使っていましたが、
本番も終わったばかりだし、学生さんは今試験期間中なので、
今の内に、どちらのコルクも張り替えてもらう事にしました。
僕の楽器の主治医は、ルボアの萩森さんなので、
東京に送って、ついでに楽器の健康状態もチェックしてもらいます。

ファゴットのケースが楽に入る大きさの箱はなかなか無いので、
近くのスーパーからダンボールをもらってきて、二箱を合わせて一箱作りました。
「春キャベツ」って書いてあるけど気にしない

さあ、行ってらっしゃい。よく治してもらっておいでね

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スワブを新調

2017年02月08日 | ファゴット
アメリカ滞在時代から使っていたスワブが、
最近吸水力が落ちて、洗ってもあまり回復せず、
表面もテカってきたので、新しいのを買う事にしました。

ヤマハのファゴット用スワブが良いという話を聞いたので購入。
テナージョイントもブーツジョイントも、一つのスワブで両方拭ける、
便利な「ワンピース タイプ」ってやつです。
それぞれ別々のスワブだと、一々面倒なので。

ヤマハ独自開発の布地は、よく水を吸っていい感じ。

ただ、紐を導く先端のチェーンがちょっと長いみたいで、ブーツの中を拭く時に、
U字管でひと固まりになったチェーンが、そのまま細い管に入って、時々詰まります。
反対側に出ているスワブをちょっと引っ張れば、中で解けるけれど、
慣れれば詰まらせずに、1回で通せる様になるのかな?

上はヤマハスワブのチェーン。下は今まで使っていたAlbion社製の重り。
ただ、Albion社のスワブも新型はチェーンになっちゃってるみたいですが
これは今まで一度も詰まらず、ストレス無しに通せたんだけど
重りの長さが絶妙
ここはヤマハさんに研究改良して欲しいところ。

最近リード材料や楽器アクセサリー類が、
アメリカで使っていた物から、だんだんと日本製に入れ替わってきて、
ちょっと寂しい

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弦のニュアンス

2016年10月02日 | ファゴット
ヴァイオリンのKさんが「シューベルトの弦楽三重奏を音出ししてみたい
と、楽譜を持ち込んできました

先日の下関チェンバーでも、チェロの楽譜をいくつも演奏してみて、
その表現の幅を、自分の演奏にもっと取り込みたいと思っていたので、
ヴィオラのF君にも弾いてもらって、三人で演奏してみました。

ビブラートの振幅や、ボーイングのアップダウンとスピードを意識しながら、
息をコントロールすると、いつもとちょっと違う弦の世界が垣間見えて面白い。
シューベルトは曲も素晴らしいしね

良い勉強させてもらいました

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息漏れ注意報

2015年12月02日 | ファゴット
暖冬とはいえ、夏に楽器に溜まった湿気も、
徐々に楽器から抜けているようです
そのせいか「U字管から水漏れして、ブーツジョイントのキャップの中に水が溜まる」
という楽器に、最近何本も出会いました。

この銀色のキャップの中です。

中のU字管と楽器本体の間から息漏れして、一緒に水も漏れているようです。
U字管は大きなネジ2本で本体に固定されていますが、
このネジをドライバーで固く締めるだけでは、息漏れは止まりません
こういうのは力任せじゃダメなんだよね。

U字管と楽器本体との間には、コルクかゴムが接着してありますが、
この表面に、コルクグリスを塗ってから、ネジを締めましょう。
この面は犬の鼻みたいにいつもグリスで湿ってるくらいが良いです。
ちゃんとグリスを塗ってあればドライバーで固く締めなくても、
指でギュッと締めるだけで密着しますよ。

この面がカラカラで楽器に密着してないと息漏れして、
低いF辺りから最低音までの間が出しづらくなります。
毎日U字管を外して、きれいに拭き掃除している人ほど乾燥注意です

僕は年に2~3回の大掃除の時くらいしか、U字管は外しません。
楽器を片づける時に、Asキーを開けておけば、毎日外して拭かなくても、
スワブを通して拭くだけでちゃんと乾きますよ。
Asキーを開けるやり方湿度対策その2

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季節の変わり目は

2015年09月29日 | ファゴット
昨夜、C高のYさんからメール。
うまく音が出ないらしく、症状を聞くと、何やら楽器がおかしい様子。
既に夜中ながら、顧問のN先生にお伺いを立て、今日の放課後に急遽お邪魔する事に
楽器が調子悪いと、練習しても仕方ないもんね

楽器を見てみると、夏のコンクールで頑張った結果、コルクが取れたりしたうえに、
更に最近修理を請け負った某所が、色々と考慮に入れてない調整を施したようで、
全体の音色や音程のバランスが、かなり崩れてしまっていました。
という訳で全部引っぺがして修正
やり直したら、きちんと音が並ぶようになりましたよ
そしてコンクールで頑張ったリードを、新品に変えて完璧(笑)。
楽器やリードの状態が悪いと、無理に音を出そうとして、悪い癖が付くからね。
でもこれで大丈夫


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忙しくなる前に

2015年08月10日 | ファゴット
これからいろいろ行事があるので、その前に楽器の手入れを
オイルもバッチリ注して
キーの緑青は響きを止めてるんでしょうね。
きれいに拭き取ると音が良くなるようです

今日は秋吉台セミナー前の、最後の伴奏合わせ

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図解で一目瞭然

2015年05月15日 | ファゴット
本屋さんで見つけた本が、レッスンで役立ってます。
『医師と声楽家が解き明かす発声のメカニズム』荻野仁志、後野仁彦共著、音楽之友社。
最近重版がかかったのか、どこの本屋さんでも見かけるので一つ購入。

声帯の仕組みを説明する為に、第一章の1ページめから、
「オーボエが音を出す場合」と、ダブルリードの説明から始める所も好ましい

口や喉の形や仕組みを、言葉で説明してもなかなか分かり辛いけど、
この本にはいろいろと図が載っているので、見せながら説明しています
正しい理解は上達への第一歩


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という事は・・・の続き

2015年04月11日 | ファゴット
超音波洗浄器で、リードの削り屑や汚れが取れる事は分かりましたが、ヤスリもきれいになりました。
まあこういう方が本来の使い方なんでしょうが、金属表面の油や、微細な汚れも取れるという事。
そこでファゴット吹きなら、即考えますよね。
「これってボーカル洗えるんじゃないの?
という訳で、餬餠@廓然さんはとっくに試しているんでしょうが(笑)早速実験です

洗浄槽は小さいので、ボーカル全体をそのまま浸すわけにはいきませんが、
幸いボーカルにも独特のカーブがあるので、手で角度調節しつつ、先端とコルクがある方と、
ほぼ全体を2回に分けて、それぞれ1分ずつ洗ってみました。

ボーカルはちょっとゴミが溜まると、すぐに高音域が出し辛くなるので、
僕はいつも月2回位ブラシを突っ込んで洗っていますが、
コルク側を洗って洗浄槽から取り出したら、ボーカルの中から白っぽい水が出てきましたよ

早速吹いてみたら反応が良くなって、響きが増え、
洗う前より音がまとまっている気がします。
リードと同様に、素直で自然な振動になっているような?
プラシーボ効果かなあ?(またか?
でも水は最初よりも濁っているので、何らかの汚れが取れているようです。

その昔、東京で学生だった頃に、「メガネの汚れがよく取れる魔法の布」という触れ込みで、
極細繊維の、キメの細かい布が発売されました。
当時管楽器専門誌のパイパーズか、バンドジャーナルか忘れてしまいましたが、
この布で楽器を拭くと汚れがよく取れて、楽器の響きが良くなったという話が載っていて、
自分も買ってみたのを思い出しました。
「トレシー」とかいう商品名だった気がするけど、今もあるのかな?
そしてその記事の中で、ボストン響ファゴットのローランド・スモール氏が、
「これでボーカルの中を拭いたら、よく振動するようになった。」とも言っていました。
当時それは試しませんでしたが、超音波洗浄器で洗うのは、結局これと同じ話かも。
つまり「洗ったらもっと良いボーカルに変化する」訳じゃなく、汚れが溜まって振るえなくなっているものを、
「洗って本来の状態に戻す」という事かなあと思います。
興味が湧いた方は、ぜひお試しあれ

*追記
餬餠@廓然さんから「コルク側はやり過ぎるとコルクが剥がれるよ」というコメントをもらいました。
試す時は洗い過ぎに注意です

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また荷物開封~

2015年03月24日 | ファゴット
先週Y中のファゴットを選定する時に、興味があって試し吹きに来たOさん。
めでたく楽器を買う事になりました
というわけで、昨日の荷物は、再び東京から届いたアマティJDR。
今回のケースはギグバッグタイプです。

オーボエを買いたいという人に、日本ダブルリードから楽器を調達した事は、
今まで何度もあったけど、ファゴットを調達したのは実は初めて
下関でここ最近ファゴット買った人っているのかな?
僕にとっても記念すべき一本です。

今回はY中のために選定した楽器と、同じ傾向の二本を送ってもらったので、感触は割りと僅差。
それでも吹くとやっぱり個体差があるんですよ

吟味の末、お互いの感想が一致した方に決定。
よく響く良い楽器です

良い楽器に出会えて喜ぶ人を見ると、こっちもうれしいもんです。
Oさん、おめでとう

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荷物開封~

2015年03月18日 | ファゴット
Y中吹奏楽部で、新しいファゴットを一本買う事になり、
先日顧問のO先生から、楽器の選定を依頼されました
昨日の荷物は、日本ダブルリードから届いた、二本のアマティJDRです

JDRライトケースって思ったより軽い
最近の楽器は、ひと昔前のピカピカのニスじゃなくて、
つや消しのマットな塗りなんですよね。
でもこの方が音も良いみたい

昔はこのクラスの楽器だと、写真上側の五つのキーの一番左、
ハイD用のオクターブキーが付いてない物も多かったですが、これにはちゃんと付いています。

4月から、めでたく大学生になるOさんが「すごく興味あります」と言うので、
今日は一緒に試奏する事にしました。
もう一人吹く人がいると、客観的に聴けるので良いですね

日本ダブルリードの担当の方からは「もし気に入らなければ、どちらも送り返して頂いて結構ですよ。
すぐ次の二本を送りますので。」と言われていたのですが、一本が良い楽器だったのでこれに決定。
同じシリーズの楽器でも、個体差はハッキリ出るものですね。
でもこのクオリティなら個人の楽器としても充分です。

最後は、選んだ楽器の製造番号を選定証に書き込んで署名。
責任を感じます

さてY中のHさん、良い楽器が行くよ
上手く育ててね。

別にJDRの回し者じゃないんですが(笑)
円安等の影響で、4月1日になったらアマティJDRはすごく値上がりしますよ


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筆はやはり選ぶでしょ

2015年02月05日 | ファゴット
楽器のホコリを払って、きれいに掃除するための筆。
今使っている筆は・・・これまた大学生の頃に買ったんじゃなかろうか?

長年使って、毛先もボロボロ
最近は自分の楽器だけじゃなく、学校の楽器もたくさん掃除したなあ。

先日良さそうなのを見つけたので、ついに交換。
毛の束の厚みが有り過ぎると、キーの間が上手く掃除出来ないし、
高い筆は動物の毛を使ってるけど、ちょっと軟らかいんですよね
ナイロンの安いので十分

絵筆はそのままだと、柄がちょっと長過ぎるので、
リード工具入れに入るように、鋸で短く切りました

さあ気分も一新

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久々に新調

2014年12月16日 | ファゴット
僕はシートストラップ派なんですが、時々立って演奏する時は、
やはりネックストラップを使います。
で、昔買った、ユポンのネックストラップを長年使っていましたが・・・。

楽器の重さが一番かかる部分が、ついに破れました。
シンプルで使い易かったんだけど

本番も近いので、使い慣れた同じユポンのストラップを、また買おうとしたら、どうやらもう売ってない?
ユポンは知らぬ間に、木管アクセサリーから手を引いてしまった?ようです
そこでBG Franck Bichonという、フランスのアクセサリーメーカーのネックストラップ購入。

僕はネックストラップは首に掛けず、左肩に掛けるんですが、
コットン生地が重さを程よく分散して、ペラッと一枚革のユポンのストラップより軽く感じます。
楽器が軽くなるわけじゃないけど、重さの掛かり方が違うのね
時が経つと、いろいろ良い製品が出てくるもんだなあ。
何せ前のは大学生の頃に買ったから、既に二十・・・ゴホンゴホン

日曜の演奏会で早速使ってみます。

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