一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

秋の大掃除

2014年11月07日 | ファゴット
しばらく手入れもせず使いっぱなしで、油が切れてキーがガチャガチャ
何せこの夏のすごい湿度のせいで、キーに緑青が出ているので、
今のうちに大掃除。

オイルだけじゃなくグリスも入れます。
こういう事は秋吉台セミナーでも教えた方が良いと思うけど・・・

緑青はティッシュでゴシゴシ

油汚れは綿棒で。

外したネジは向きが分かるように。

こういう所、随分ホコリが溜まるんですよね。

一度に大量にキーを外すと、どれだか判らなくなるので、2~3個ずつ。

きれいに磨くと音が良くなりますよ。
いやいや気のせいじゃなくて


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たぶん世界最大の

2014年10月27日 | ファゴット
この大きな百科事典みたいな本は何でしょう?
大きさ比較に腕時計を載っけてみました。

書名は「Essentials of Bassoon Technique」。
著者はLewis Cooper氏とHoward Toplansky氏。

タイトルからすると、奏法等の小難しい文章が書いてあるのかなと思いますが、
実はこれ、丸々一冊ファゴットの運指表です。
その他の事は、ほとんど書いてありません。
しかも1ページにドーンと一つの指使いだけ(笑)。

しかも裏面は全ページ白紙

いろんな替え指が載っていて、便利は便利です
最高音はG。

日本じゃこんな仕様の本は出ないだろうなあ。
ハードカバーだけじゃなくソフトカバーの本もあるみたい。
いろんな意味でアメリカ的な本なのでご紹介

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消しゴムハンコの妙技

2014年10月03日 | ファゴット
「レッスンで替え指を教える時に、ポストイットみたいな付せん紙に、
ファゴットのキー配置が書いてあるようなものがあったら便利だよなあ
とつぶやいたら、器用なHP管理人氏が作ってみてくれました。
消しゴムハンコだそうです。
この手があったとは

*追記
この写真を見たHP管理人氏から「キーが抜け落ちてるのに気が付いたから完全版作るわ
と連絡が来たので、追々改良版が出来るようです。
抜けてるキーを書き足して使っても十分なんだけどね




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久々にリードケース購入

2014年09月19日 | ファゴット
またまたアメリカからの小包。

実は先日の「下関チェンバーアンサンブルコンサート」の本番当日リハの最中に、
長年愛用していたリードケースの金具が壊れてしまいました。
なにせそのケースは、僕が東京で大学生やっていた時から使い始めたので・・・
まあ結構な期間、使っていたんですよ
というわけで新しいリードケース。

リードケースって3本、5本、10本入りその他いろいろあるけど、
僕は舞台に持って上がる用は3本入りのケースにしています。
5本入りケースはちょっと大きいし、常に本番で使えるリードを5本維持するって結構大変。
大きいケースは「これどうかなあ?」みたいなリードを入れるうちに、
気づいたら「リードの墓場」になっている事も
なので3本入り。

リードの糸も無くなってきていたので、ついでに購入。
秋の新色

もう一つついでに、プラークも買ってみました。
これも大学生の頃から使っていたんですが、最近両サイドのエッジが欠けてきていたので。
僕は結構物持ちが良いんですよ
右が今まで使っていたやつ。左が新しいプラーク。
エッジがストレートじゃないやつにしました。
この方がサイドが削りやすいかな?
まあ試してみます。


ポチッとしてね。こっちも
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湿度対策その2

2014年08月05日 | ファゴット
梅雨は明けても日本の夏は高温多湿
ファゴットで一番湿気にやられやすい所は、やはりブーツジョイントのU字管側の木の部分。
学校の楽器等は手入れが悪いとカビが生えたり、ひどい時には腐っちゃう事も
だから楽器を吹いたら、テナージョイントだけでなく、必ずブーツジョイントも水を抜いて、
中をスワブできれいに拭く訳ですが・・・。
そこでいつも思うのは、腐りやすい部分近くのAsのトーンホールが、いつも開いていれば湿気も逃げるのに、ここはいつもは閉じてるのが普通の状態なんですよね
右手小指外側のキーで動く、楽器の一番下の、銀のキャップに近いこのトーンホールです。

というわけで、ちょっと工作の時間
割り箸を適当な大きさに切ります。あまり先端部分だとちょっと小さいかな。

で、練習が終わって楽器をケースにしまう時に、この位置にその割り箸を差し込んで、
Asのキーが上がったままにしておきます
これだと換気出来るので、湿気がちゃんと逃げてくれます。

ただ学校の楽器のような、ニスがピカピカで固い楽器ならいいけど、
ニスが軟らかい楽器は、しばらく使ってると割り箸の跡がはっきり付いてしまいます
そこで僕は「これ」を使ってます。
これ・・・何でしょうね?カーテンレールか、何か家具の部品なんだと思いますが、
家に転がっていました

これをAsキーとFisキーの間に差し込んで、ケースの中ではAsキーを開けたままにしてます。
日本の湿気は強力なので、僕は夏だけじゃなく、年中付けてケースにしまっています。

吹く時には外すの忘れないように。
そのまま吹くとえらい事に

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ボザとビッチ襲来!

2014年07月15日 | ファゴット
またまたアメリカから航空便

キム先生から小難しいエチュードをさらう事を勧められて、ずっと練習したのがこれ。
ジャンコートの「26のメロディックスタディーズ」。

なかなか手強いですが、とても良い練習になります
中身はこんな感じ
NY暮らしの時に、部屋に遊びに来た友達が、譜面台の上のこの本を見て、
「これバスーンの譜面?ヴァイオリンかと思ったよ」と言ってました。
それくらい譜面が「黒い」です

が・・・何年も吹いて、さすがにちょっと飽きてきました
といって、完璧に吹けるようになった訳じゃないんですが
で、先日アメリカの某サイトをのぞいたら、
「ボザのエチュードとビッチのエチュードは更に手強い。」と書いてあるじゃないですか
そう言われると興味が出てくるもんで、アメリカの楽譜屋さんから早速取り寄せました。
ボザのQuinze Etudes Journalieres。15 Daily Studiesという意味です。

いかにもボザらしく、臨時記号がいっぱい付いた、調性の危うい音階がいっぱい

そしてビッチのVingt Etudes。20 Etudesという意味です。

これまたいかにもビッチらしく、跳躍した先がいきなり高いミだったりします

さすがボザもビッチも、ファゴットに容赦なく難しいソロ曲を書くだけの事はありますな。
楽器の事がよく分かっているのかいないのか
これから時間かけてボチボチさらっていきます
なんだか推理小説を読み解いていくような、パズルを解いていくような感じがするんですよね

そしてオマケにもう一つ。パレストリーナ。

秋吉台で試すかな

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音階練習パターン完成

2014年07月11日 | ファゴット
台風の影響で湿度の高い日々が続きますねえ
こんなんじゃなかなかやる気も出ないし、でもその先はまたいろいろ忙しそうなので、
頑張ってリード粗削りまくりです

さてやっと音階練習完成・・・と言ってもまずは学生用だけなんですが
なんとか音階練習パターン書いてみました。
とりあえずレッスンに来た人から配布してみようと思います。
でも・・・みんなこんなの欲しいかなあ?


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湿度対策その1

2014年06月26日 | ファゴット
今のところあまり梅雨っぽくない下関。でも湿度は高いですねえ
日本の湿気は強烈なので、楽器が湿気を吸って膨れてしまい、
組み立て時に各パーツがピタッとはまらなくなってしまいます。
鳴りも良くないし
ケースに乾燥剤を入れる人もいますが、リードケースを入れたままだと、
乾燥剤でカラカラになったリードは再起不能なので良くありません
僕は弦楽器用の湿度調整剤「Vペット」を入れてます。
湿度調整剤は、必要な分だけ湿気を吸ったり吐いたりしてくれるので、リードも大丈夫
寿命は三ヵ月なので、8月末まで入れっぱなしです。

ポチッとよろしく
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今年は室内楽の夏

2014年06月08日 | ファゴット
今日はカルテットの合わせの日。
今年の秋吉台セミナー修了コンサートは、ファゴットカルテットをやる事になりました。
というわけで、ドゥビエンヌの練習にも熱が入ります
このカルテット初めての本番だしね

ところで、最近ビデオカメラを買ったので、リハをいつも録画しています。
ビデオカメラは大抵マイクが良くなくて、今まであまり興味なかったのですが、
これは音が良いので、後で見るといろいろ気づきがあって
特に弦の人は自分のボーイングがチェック出来るから良いですね

練習の写真また撮り忘れて苦肉の策
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どうせやるなら効果あるものを

2014年05月21日 | ファゴット
教えてる中高生が少し吹けるようになったら、音階練習するように勧めるんだけど、
「音階練習やっとけよ。」ってだけじゃ、どうやったらいいか分からないから、定着しないんですよね。
「こういうパターンでやれば?」ってのがないと。
でも国内で市販されてる教則本の音階は、痒い所にいまいち届かないというか

そういえばアメリカに居た時は、先生たち手製の楽譜を何枚ももらったなあ
今でも時々引っ張り出してさらってます
これはゴルツァー先生からもらったもの。
この年代は手書き譜のコピー

先生達も皆いろいろ思うところがあるみたいで、自分のアイディアを書いて生徒に渡してましたね。
これはキム先生のくれたやつ。

というわけで、僕も先生たちのアイディアを元に、自分バージョンを書き始めてみました。
出来たらレッスンしてる子たちに配ってみようかな
やるかどうかは本人次第だけどね

で、とりあえずこれは「中高生用」。
学校の楽器は大抵high Eキーは付いてないし、そんな高い音は必要ないし
でも「威風堂々」なんてやれば、1番ファゴットはそのすぐ下のC#までは出てくるし。
そんな現状に即して、役立つものを目指して書いてます。

でもさ、分量が多い音階練習なんてやりたくないよね?そんなの僕もやりたくない
必要最小限に絞るのが意外と大変だなあ
もし「大人用」書くなら、いつも僕がやってるのと同じ内容になるでしょうが・・・まあ需要があったらね
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しばし開眼の午後

2014年05月04日 | ファゴット
今日はファゴットカルテットの日。
最近またリードをモデルチェンジしているんだけど、これでいいのかどうか他の楽器と合わせてみないと、一人で吹いてるだけじゃいろいろ分からないところがあるんですよ
そういう意味でも毎回貴重な合わせです。

まずはドゥビエンヌのファゴット四重奏曲第2番。
今月はF君が市民オケ本番等でほとんど参加出来ず、僕もなにやらあるので次は来月?
でも詰めていくと百戦錬磨のみなさんだけに、これはいい演奏になりそうな気がしてきたよ
(と、やんわりプレッシャー
欠かせない茶飲み休憩後は前回の続き、ダンツィのファゴット四重奏曲第2番の前回の残り、3&4楽章。
独特の拍子感と味のある旋律ですなあ。
僕は彼の有名な木管五重奏曲数曲と、ファゴット協奏曲くらいしか吹いた事なかったけど、自分の中のダンツィのイメージだいぶ変わった
しかも4楽章は、このテンポで三連符の山は結構難しいじゃん。
なので久々にすごく集中して吹いたら、その間は脳みそがとても活性化していたような気が
でもまたしばらくは無理だな(笑)。



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教科書には載らないけど

2014年04月06日 | ファゴット
今日はお楽しみ、ファゴットカルテットの日。
まだ未定ですが、カルテット初の本番があるかもしれないので
ドゥビエンヌの2番を本腰入れて組み立て始めました
そして後半は初登場、ダンツィのカルテット第2番Op.40初見大会。
今まで出てきた事が無いような良い和音が出てきたり、これもまたありそうで無かった、弦三人共ピッチカートで伴奏など、なかなか面白かったです
ダンツィやドゥビエンヌは木管奏者には馴染みだけど、弦の人たちは一生出会わない人も多いかもね

ファゴットカルテットって、いわゆるバロック~古典派位のレパートリーが多いけど、教科書に載っている「古典派の作曲家」ってハイドン、モーツァルトとベートーヴェンの初期頃なので、曲のスタイルもこの三人の曲を思い浮かべがち。
でもほぼ同世代で、これだけカラーが違う曲があるのを知ると、「なんとか派」ってただ学問上の分類で、当時その周囲には、もっと豊かな音楽文化が広がっていたんだなと思います


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名盤再び

2014年03月26日 | ファゴット
先日東京行きの記事に登場したニューヨーク・フィルの恩師、キム・ラスコウスキー先生は、若かりし頃パリ音楽院で、往年のフレンチ・バソンの名手、モーリス・アラール氏に師事していて、当時は自分もバソンを吹いていたそうです。
僕のレッスンの時にもよく「アラールはこういう風に・・・」という話をしてくれました
今でも多大な影響を受けているし、録音から学ぶ事が数多くあると言っています。

僕のアラールとの出会いは、小郡の師匠のI先生のレッスンを初めて受けた時、その帰りに先生が貸してくれた、アラールの吹いたヴィヴァルディの協奏曲集が入ったカセットテープでした。
中学一年の僕は「うわ~上手になったらこんな音がするんだ全然違うやん」と、何度も何度もテープが擦り切れるまで繰り返し聞きました
今にして思えばバソンなので、同じ音が出る訳はないんですが
その後、他に聞かないといけないものも増えたので、何となく聞いてなかったのですが、キムに習うようになって、アラールとの接点が出来た事からその価値を再認識。遅ればせながらもいいところ
でも改めて聞いてみると非常に示唆に富む素晴らしい演奏です

今日本で入手出来る彼のCDを買い集めたり、また海外にはLP録音をYouTubeにアップしてくれる奇特な人がいたりするので、それらをよく聴いています。
テレマンのソナタやサン・サーンスのソナタがかなりお勧め
いろんなファゴットの名手がいるけど、こういうスタイルの演奏家は今はちょっといないんじゃないかな。

これは僕が最初に聞いた例の演奏。時は流れて当然ながらCDです(笑)。
これが一番入手しやすいかな?これも素晴らしい




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聖家族のファゴット

2014年03月15日 | ファゴット
部屋を片付けてたら、ヨーロッパで撮った写真が出てきました。
スペインで素晴らしかったアルハンブラ宮殿やガウディの一連の建造物等々。
そしてご存じサグラダ・ファミリア。

ファゴット吹きとして絶対外せないのは、正面「生誕のファザード」と呼ばれる門。
ここはキリスト誕生~初の説教までを彫刻で表しているんだけど、門の左右で楽器を演奏して祝福する天使達の像があって、これがネットで画像検索すると、右の一群の一番上にいる、ハープを弾く天使ばかり紹介されてるけど、左の一群の頂点はファゴットを吹く天使なんですよ
*クリックすると大きくなります。
ご覧の通り。ヴァイオリンやリュートを弾いてる天使達より上にいるのがミソ(笑)。
スペインはやっぱりギターの国で、土産物屋でもファゴット人形は見当たらず、諦めかけてこの旅の最後に回ったのがここだったので、この天使に出会ってとてもうれしかったです
*これもクリックすると大きくなります。
この写真だと小さく見えるけど、実物は割と大きいです
バルセロナに行く機会があったら見て下さいね




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また海を越えて

2014年03月12日 | ファゴット
楽譜が到着。
楽譜って、見かけて「あっ」って思ったら買っとかないと、
また今度とか思ってたら、二度と手に入らない事も多いですよね
特に室内楽とか、ファゴットの楽譜とかは、爆発的に売れる物でもないので、
定番の曲以外は、初版が在庫切れしたら、次に重版がかかるかどうか分かったもんじゃありません。
コピー機が普及して以来、その傾向は更に顕著

一つは自分のレパートリー、一つはファゴットカルテットネタ、一つは今年の秋吉台でやってみるかな
楽器を演奏する人にとって、楽譜は財産ですよね
音にするのが楽しみ




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