一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

リードと向き合う

2014年03月07日 | リード
ファゴットやオーボエなどのダブルリードは、2月~4月はあまりリードの状態が良くありません。
だからあまり新品をいっぱい削らず、有り物で吹くようにしてるけど、リードのストックが全然無いのはマズイ

というわけで新品10本粗削り。リードがないと演奏どころか練習も出来ないから厄介です。
といっても、たぶんこのリードが全部使えるものにはならないんだよね

昔は「リード作りは面倒。吹くのは楽しいけど」と思ってたけど、アメリカで素晴らしい先生達と出会う内に、徐々に考えが変わってきました。
ファゴットのリードって指紋みたいなもの。同じ材料、同じ道具で作っても、それぞれの考えや好みや感じ方が反映されて、人と同じものにはならない。
リード作りが上手になるって、手作業の上達部分を除けば、自分を変えていくって事だなあと思います。

「やったこれでリードの事が解ったぞ」と思った事が、何年後かには全然違ってたのがハッキリ判って、何年間も正しいと信じてた事を、「こりゃあ根底から完全に変えないとダメだわ」って目には、今までにもう何度会った事やら
自分が変わらないとリードも変わらない。あ、リードだけじゃないな。吹き方なんかも同じ。
人生同様、試行錯誤の連続です。そして変化を恐れちゃダメ。

ニューヨーク・フィルのファゴットの恩師達なんて、初めて出会った時に、既に素晴らしいリードを作っていたのに、もっとこんな事が出来るはずって、常に上を目指して変化してるんですよ。
だからそのために新しいシェーパーを手に入れたり、ヘタするとカンナを新しい物に買い替えてまで、いつも更に良い状態を追い求めてる。
情報収集も怠らないし、会うと楽しそうにその話をいつもしてくれる。
向上する事に貪欲というか、好奇心が旺盛というか。現状維持なんてのとは程遠い人達です。
そして事実半年くらい経つと、リードがかなりモデルチェンジしてるんですよね
そんな素晴らしい人達と出会えて、間近で学べて良かったと思っています。
僕もそういうファゴット吹きになりたい

今は、リード作りは趣味といってもいいくらいです。
良いリードが出来たらやっぱりうれしいし。
まあ全然やる気にならない時も、もちろんありますが

例の四半世紀物ケーンは、順調に表カンナとシェーピングをして、

糸まで巻きました。
大抵長く置き過ぎたケーンは固すぎてダメな事が多く、それはもうカンナかけてる時には分かっちゃうもんだけど、これはなんだかそこまでじゃないような?
でも過剰な期待は禁物。
ちょっと固いリードだと、最終的に仕上げの段階で「やっぱダメか~」って事もよくあります。

さあどうなるかな?



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