暦の上では残暑のはずなのに、まだまだ暑中感満載だった数日のあと それは起こった。
残業で深夜に帰宅した私を迎えてくれた保護部屋の子たち。ぽぽのすけもゴローと一緒にいつものようにそばに寄ってきた。
あれ?なんだか動きが悪くね?表情もなんだかスッキリしないし、鼻が乾いて若干体温も高めに思える。食欲もいまひとつで
わずかに口をつけただけで「もういいや…」とコテンと横になる。
暑い一日だったからなぁ…いくらクーラーを使っているとはいえ、終日室温を確認しているわけではない。暑さにやられたかなぁ
なにしろデカいし。
とりあえずアイスノンやクールパッドを増量。明日以降の様子では早めに受診も考えることにした。
翌朝、それほど様子に変化はなく…ただ食欲はあまりないぽぽのすけを一番涼しいふわり部屋に移動させておいた。意外にも
ふわりともめない。お互いにちょっと威嚇の声を出すのだけれど、それ以上にはならないので様子見。
しかし夕方帰宅したころには、ぽぽのすけの鼻も肉球も真っ赤で明らかに高熱を出しており、食欲も廃絶。少量の嘔吐の跡が1カ所
あった。時々口をくちゃくちゃさせて気分も悪そう。感冒症状はなく、今のところ今のところ表立った兆候はない。
しかし、この体型の子が食べないのは原疾患であれ、二次的であれ要注意だ。翌日の受診を決めた。
そして翌朝。最悪の予想が当たった。
トイレトレイを引き出してため息が漏れた。
ビリルビン尿。画像はペットシーツの裏面、比重の関係で表面よりも下部の色が濃い。友人曰くペーパークロマトグラフィー。
昨夜は異常はなかったぽぽのすけの耳。日光に透かしてみるとうっすら黄色い。大急ぎで診療前のVETにメール、画像を添付して
朝一で受診したい旨を伝えた。
さすがに元気のないぽぽのすけをキャリーに入れる。…が、思い直してネットに入れてからキャリーへ再度イン。
診察室でキャリーから出そうとするが威嚇するわ、突っ張るわで出せないので、キャリーを分解して診察台へ。
ネットに入れてきたと告げると、VET&スタッフ一様にホッとした表情。うん、まあ、そうだよね。でもね、今日のぽぽのすけは
ぽぽのすけ史上一番元気がないと思うよ?ととりあえず付け足してみる下僕。
まずBWチェック。「ん?」VETが二度見する。「そんなはずないよね?」と私を振り向く。いや…たぶん事実です(汗)と思う私。
ゼロ点合ってなかったかな?と合わせ直して再計測。驚愕の10.55㎏
そう…ぽぽのすけはとにかくデカいのだ。太っているというよりも個体としてデカいといったらいいか…。たるんたるんではなく
硬いのだ。そして、それだけの大猫だから当然と言ってはなんだが力も強い。
なにはともあれ、採血をする。VETもスタッフも私も緊張Maxで変な汗が噴き出てくる。
なぜなら…ぽぽのすけにはいくつもの武勇伝があるから。興味のある方は…ほんの一部ですがドゾ
こちら こちらも
巨猫で俺様だけどホントはノミの心臓なのだ。だからめっちゃ暴れる。41.0℃の高熱で具合の悪い今回も火事場のバカ力?を
必要以上に発揮。
ネットを破り、エリカラを吹き飛ばして大暴れ。日頃、私が持ち込む外の子たちを難なく扱っているVET&スタッフさんたちもどーにも
手をこまねく。最終的にVET二人、スタッフ二人と下僕の計5人がかりで採血。診察台の上でバスタオルを掛けられ、私の腹に顔を
うずめてようやく大人しくなったぽぽのすけを抱えたまま、データ分析を待つ。
採血データ: WBC 9000 / Hb 10.7 /GOT 45 /GPT 100 / T-Bil 4.2 /Cre 1.4 /BUN 10
やっぱり…な高ビリルビン血症。Hbの著明な低下はないから溶血性ではなさそう。GPT値が高いが以前のもじゃの時に比べればそれほど
でもない。ここで持ち堪えるのか?これからまだ上がるのか?
…とりあえずデータからは、肝リピや三臓器炎などの肝胆管系(肝性)もしくは胆石や腫瘍などの物理的な閉塞性(肝後性)の黄疸が疑われる状態。
本来ならX-Pや腹部エコーで肝臓と周辺臓器の様子を確認したいところだが…採血だけでこの有様。これ以上の検査もましてや入院など
とんでもなく無理な話。
なにか他の疾患が隠れているかもしれないけれど、とりあえず三臓器炎に対する治療に反応するかどうか、それで切り分けていくしかない。
輸液200mlと抗生剤&ステロイドを皮下注。抗生剤とプレドニン10mgとウルソ100mgを処方され帰宅した。
食欲は全くない。水も飲まない。高ビリルビンによる食欲不振で食べられない。が、こんな時ぽぽのすけの巨体がさらに状態の悪化を
後押しする。とにかく食べさせて肝リピドーシスへの移行だけは防がないといけない。
一度にたくさん入らない。様子を見ながら回数でカロリーを稼ぐしかない。高カロリーチュールがいい仕事。1本ずつ、嘔吐しないことを
確認しながら2時間おきに入れていく。
病院ではあんなに大暴れだったぽぽのすけも、自宅に戻ったら不調全開。爪切りも強制給餌も案外できる。様子を見ながら水を背負わせる。
回復しているのか、いけるのか…は食欲の改善と尿色で推測していくしかない。
※以下サムネイル表示。シーツについているモロモロしたものは尿を吸って崩れた木質ペレット
受診当日夜 食欲廃絶。飲水せず。高熱持続し寝ていること多い。
二日目 朝 ゴハンの皿に興味を示すが食べず。強制給餌続け、水200背負わせる。日中少し解熱傾向も夜になって再び高熱。
三日目 朝 銀スプを数粒+チュールを自ら舐める。強制給餌続け、水200背負わせる。日中ほぼ解熱、少し動き始める。夜発熱あり。
三日目 夜 ウェット・ドライ共に食べ始める。チュール減数して強制給餌、水100背負わせる。動き良くなってくる。夜発熱あり。
四日目 夜 食欲かなり改善する。チュール減数して強制給餌、自力飲水OK。終日発熱なし。
最初に処方してもらった薬は5日分。なんとか飲み切った。ビリルビン尿もすっかりなくなり治療に好反応を示したと言えるだろう。
もちろん油断はできないし、決して本調子ではないのはわかっている。
ゴローちゃんとうっしーがふざけあっていてもぽぽのすけは参加しない。ゴハンを食べてコテン。部屋を移動してコテンとすぐに 休んでしまう。
継続してデータを追えない以上推測するしかないが、おそらくあの後、肝機能データはさらに上昇していたのだろうと思う。
幸いにもビリルビン血症が改善、食欲も戻り最悪の事態は避けられたが、肝臓はそれなりにダメージを受けている。
今回、潜在的な肝臓疾患の関連があったのか、外因による食欲廃絶が肝リピドーシスを引き起こしたのかはわからない。
ただ、今回の病態がこれから先もぽぽのすけの体調を左右する大きな因子であり続けることだけは確かだ。
これは多頭飼いあるあるだと思うんだけど…1匹調子悪くなると必ず後に続く子が出る。
体調を崩したくぅ姐さんの受診の際に今後のぽぽのすけの治療方針を相談する。もちろんみんなの平和のため再受診はしない方向w
とはいえ再発しやすい病態なので、可能ならあと1か月の投薬を…とVET。
わかりましたと返しながらどうやってこの投薬期間を乗り越えようかアタマの中はぐーるぐる。
あの時ホントに具合悪かったんだよね、ぽぽのすけ。
最初の2日は抵抗もせず薬を飲めたのに、食べられるようになればなるほど全力で拒否だよ。
いくら爪を短く切ってもなにしろ力が強いしデカいのだ。なかなか手に負えない。抱えたところで弾き飛ばされる。
一日2回の投薬は正直キツイ…
せめて1度にしてもらえないかとお願い。プレドニンを10→5mgに減量し ウルソ50mg×2回を100mg×1回/日に変更、抗生剤は
1回/日で継続。でも結局3錠飲ませるのが大変で…朝)プレドニンとウルソ 夕)抗生剤 という感じでなんとかなんとか。
確実に飲ませるため苦くて内服させにくいプレドニンははじめからカプセル詰を選択。抵抗が強く口腔内に放り込めなくなってからは
投薬用の粘度の高いチュールも使った。猫の投薬には、その子に応じて毎回無い知恵をしぼりださなくてはならず、下僕はマジ疲弊する。
とはいえ、飲ます方も飲まされる方も息があってきたというか、割とすんなり飲める方法を新たに生み出しつつある。
手元の薬はあと2週間分。一生モノの病態を背負わせてしまった申し訳なさを抱えて、下僕はひたすら頑張るのみ!なのだ
残業で深夜に帰宅した私を迎えてくれた保護部屋の子たち。ぽぽのすけもゴローと一緒にいつものようにそばに寄ってきた。
あれ?なんだか動きが悪くね?表情もなんだかスッキリしないし、鼻が乾いて若干体温も高めに思える。食欲もいまひとつで
わずかに口をつけただけで「もういいや…」とコテンと横になる。
暑い一日だったからなぁ…いくらクーラーを使っているとはいえ、終日室温を確認しているわけではない。暑さにやられたかなぁ
なにしろデカいし。
とりあえずアイスノンやクールパッドを増量。明日以降の様子では早めに受診も考えることにした。
翌朝、それほど様子に変化はなく…ただ食欲はあまりないぽぽのすけを一番涼しいふわり部屋に移動させておいた。意外にも
ふわりともめない。お互いにちょっと威嚇の声を出すのだけれど、それ以上にはならないので様子見。
しかし夕方帰宅したころには、ぽぽのすけの鼻も肉球も真っ赤で明らかに高熱を出しており、食欲も廃絶。少量の嘔吐の跡が1カ所
あった。時々口をくちゃくちゃさせて気分も悪そう。感冒症状はなく、今のところ今のところ表立った兆候はない。
しかし、この体型の子が食べないのは原疾患であれ、二次的であれ要注意だ。翌日の受診を決めた。
そして翌朝。最悪の予想が当たった。
トイレトレイを引き出してため息が漏れた。
ビリルビン尿。画像はペットシーツの裏面、比重の関係で表面よりも下部の色が濃い。友人曰くペーパークロマトグラフィー。
昨夜は異常はなかったぽぽのすけの耳。日光に透かしてみるとうっすら黄色い。大急ぎで診療前のVETにメール、画像を添付して
朝一で受診したい旨を伝えた。
さすがに元気のないぽぽのすけをキャリーに入れる。…が、思い直してネットに入れてからキャリーへ再度イン。
診察室でキャリーから出そうとするが威嚇するわ、突っ張るわで出せないので、キャリーを分解して診察台へ。
ネットに入れてきたと告げると、VET&スタッフ一様にホッとした表情。うん、まあ、そうだよね。でもね、今日のぽぽのすけは
ぽぽのすけ史上一番元気がないと思うよ?ととりあえず付け足してみる下僕。
まずBWチェック。「ん?」VETが二度見する。「そんなはずないよね?」と私を振り向く。いや…たぶん事実です(汗)と思う私。
ゼロ点合ってなかったかな?と合わせ直して再計測。驚愕の10.55㎏
そう…ぽぽのすけはとにかくデカいのだ。太っているというよりも個体としてデカいといったらいいか…。たるんたるんではなく
硬いのだ。そして、それだけの大猫だから当然と言ってはなんだが力も強い。
なにはともあれ、採血をする。VETもスタッフも私も緊張Maxで変な汗が噴き出てくる。
なぜなら…ぽぽのすけにはいくつもの武勇伝があるから。興味のある方は…ほんの一部ですがドゾ
こちら こちらも
巨猫で俺様だけどホントはノミの心臓なのだ。だからめっちゃ暴れる。41.0℃の高熱で具合の悪い今回も火事場のバカ力?を
必要以上に発揮。
ネットを破り、エリカラを吹き飛ばして大暴れ。日頃、私が持ち込む外の子たちを難なく扱っているVET&スタッフさんたちもどーにも
手をこまねく。最終的にVET二人、スタッフ二人と下僕の計5人がかりで採血。診察台の上でバスタオルを掛けられ、私の腹に顔を
うずめてようやく大人しくなったぽぽのすけを抱えたまま、データ分析を待つ。
採血データ: WBC 9000 / Hb 10.7 /GOT 45 /GPT 100 / T-Bil 4.2 /Cre 1.4 /BUN 10
やっぱり…な高ビリルビン血症。Hbの著明な低下はないから溶血性ではなさそう。GPT値が高いが以前のもじゃの時に比べればそれほど
でもない。ここで持ち堪えるのか?これからまだ上がるのか?
…とりあえずデータからは、肝リピや三臓器炎などの肝胆管系(肝性)もしくは胆石や腫瘍などの物理的な閉塞性(肝後性)の黄疸が疑われる状態。
本来ならX-Pや腹部エコーで肝臓と周辺臓器の様子を確認したいところだが…採血だけでこの有様。これ以上の検査もましてや入院など
とんでもなく無理な話。
なにか他の疾患が隠れているかもしれないけれど、とりあえず三臓器炎に対する治療に反応するかどうか、それで切り分けていくしかない。
輸液200mlと抗生剤&ステロイドを皮下注。抗生剤とプレドニン10mgとウルソ100mgを処方され帰宅した。
食欲は全くない。水も飲まない。高ビリルビンによる食欲不振で食べられない。が、こんな時ぽぽのすけの巨体がさらに状態の悪化を
後押しする。とにかく食べさせて肝リピドーシスへの移行だけは防がないといけない。
一度にたくさん入らない。様子を見ながら回数でカロリーを稼ぐしかない。高カロリーチュールがいい仕事。1本ずつ、嘔吐しないことを
確認しながら2時間おきに入れていく。
病院ではあんなに大暴れだったぽぽのすけも、自宅に戻ったら不調全開。爪切りも強制給餌も案外できる。様子を見ながら水を背負わせる。
回復しているのか、いけるのか…は食欲の改善と尿色で推測していくしかない。
※以下サムネイル表示。シーツについているモロモロしたものは尿を吸って崩れた木質ペレット
受診当日夜 食欲廃絶。飲水せず。高熱持続し寝ていること多い。
二日目 朝 ゴハンの皿に興味を示すが食べず。強制給餌続け、水200背負わせる。日中少し解熱傾向も夜になって再び高熱。
三日目 朝 銀スプを数粒+チュールを自ら舐める。強制給餌続け、水200背負わせる。日中ほぼ解熱、少し動き始める。夜発熱あり。
三日目 夜 ウェット・ドライ共に食べ始める。チュール減数して強制給餌、水100背負わせる。動き良くなってくる。夜発熱あり。
四日目 夜 食欲かなり改善する。チュール減数して強制給餌、自力飲水OK。終日発熱なし。
最初に処方してもらった薬は5日分。なんとか飲み切った。ビリルビン尿もすっかりなくなり治療に好反応を示したと言えるだろう。
もちろん油断はできないし、決して本調子ではないのはわかっている。
ゴローちゃんとうっしーがふざけあっていてもぽぽのすけは参加しない。ゴハンを食べてコテン。部屋を移動してコテンとすぐに 休んでしまう。
継続してデータを追えない以上推測するしかないが、おそらくあの後、肝機能データはさらに上昇していたのだろうと思う。
幸いにもビリルビン血症が改善、食欲も戻り最悪の事態は避けられたが、肝臓はそれなりにダメージを受けている。
今回、潜在的な肝臓疾患の関連があったのか、外因による食欲廃絶が肝リピドーシスを引き起こしたのかはわからない。
ただ、今回の病態がこれから先もぽぽのすけの体調を左右する大きな因子であり続けることだけは確かだ。
これは多頭飼いあるあるだと思うんだけど…1匹調子悪くなると必ず後に続く子が出る。
体調を崩したくぅ姐さんの受診の際に今後のぽぽのすけの治療方針を相談する。もちろんみんなの平和のため再受診はしない方向w
とはいえ再発しやすい病態なので、可能ならあと1か月の投薬を…とVET。
わかりましたと返しながらどうやってこの投薬期間を乗り越えようかアタマの中はぐーるぐる。
あの時ホントに具合悪かったんだよね、ぽぽのすけ。
最初の2日は抵抗もせず薬を飲めたのに、食べられるようになればなるほど全力で拒否だよ。
いくら爪を短く切ってもなにしろ力が強いしデカいのだ。なかなか手に負えない。抱えたところで弾き飛ばされる。
一日2回の投薬は正直キツイ…
せめて1度にしてもらえないかとお願い。プレドニンを10→5mgに減量し ウルソ50mg×2回を100mg×1回/日に変更、抗生剤は
1回/日で継続。でも結局3錠飲ませるのが大変で…朝)プレドニンとウルソ 夕)抗生剤 という感じでなんとかなんとか。
確実に飲ませるため苦くて内服させにくいプレドニンははじめからカプセル詰を選択。抵抗が強く口腔内に放り込めなくなってからは
投薬用の粘度の高いチュールも使った。猫の投薬には、その子に応じて毎回無い知恵をしぼりださなくてはならず、下僕はマジ疲弊する。
とはいえ、飲ます方も飲まされる方も息があってきたというか、割とすんなり飲める方法を新たに生み出しつつある。
手元の薬はあと2週間分。一生モノの病態を背負わせてしまった申し訳なさを抱えて、下僕はひたすら頑張るのみ!なのだ