佐久田隆司の山関係のブログ

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鬼が阻む!山梨・「九鬼山」秀麗冨嶽十二景はまこと絶景なり!

2022-03-16 04:56:19 | 登山、トレッキング、クライミング、山関係
山梨県大月市と都留市にまたがる九鬼山は桃太郎伝説が残る山!富士急行線の「禾生駅」もしくは「九鬼山登山口駐車場」から始まるルートは、美しい富士山が眺められるが、鬼に阻まれる険しさも持ち合わせています。伝説の山を辿る冬のルートは鬼の棲家を十分堪能させてくれるでしょう。動画でも紹介しています。

【鬼が阻む】凍結のトラバース、急登!侮れない山梨「九鬼山」ルート実況! Introduction of mountain climbing route

富士急行線「禾生駅」もしくは「九鬼山登山口駐車場」をスタート

富士急行線「禾生駅(かせいえき)」から15分ほどで、落合水道橋をくぐり「九鬼山登山口駐車場」に到着します。駐車場と言っても数台停められる空き地で、7~8台といったところでしょうか?トイレはありませんので、駅で済ましてください。
落合水道橋の脇を上っていくと、分岐があります。杉山新道と愛宕神社コースの分かれ目で、杉山新道でも山頂は目指せますが、天狗岩を経由しないので、今回は愛宕神社コースで山頂を目指します。
愛宕神社の脇から本格的な山道になります。
しばらくは歩きやすい穏やかな樹林帯。春先から晩秋は熊対策は必須です。

田野倉駅からの合流
しばらくすると田野倉駅からのルートと合流します。今日は山頂から札金峠を経由するので、田野倉駅からでも周回できますが、登り口が少しわかりにくいので、初めての方は禾生駅からをお勧めします。

急登の始まり
田野倉からの合流から先は、鬼に阻まれるような急登が続きます。途中標識で急登山道と新登山道が分かれますが、急登山道は尾根上を真っ直ぐ上るもの、新登山道はそれを巻いて登る形になっています。
冬は新登山道は氷と化し滑り止めは必至!急登山道は凍結していないものの、かなりの斜度です。ゆっくり登りましょう。
天狗岩の分岐の看板を右に分け入って、天狗岩を目指します。
天狗岩は九鬼山山中で最も富士山が美しい場所!再びルートへもどってきますが、ぜひ立ち寄りたいところです。
天狗岩のスペースは狭いので、順番にのぼって秀麗富岳十二景を堪能しましょう。
再びルートに戻り山頂を目指します。同じように急登山道と新登山道が並行しますので、どちらかを!
山頂直下は残雪は免れません。例年雪が残りやすい斜面です。

970mの山頂で一休み
九鬼山の山頂は展望に優れています。大月方面が大きく広がるほか、樹林の間からも富士山が眺められます。


アイゼンを付けて札金峠へ
ここでアイゼンを装着します。札金方面は残雪が予想されるのと、トラバースがあるので、軽アイゼンを用意しました。進行方向へ進むように札金峠を目指します。
痩せ尾根に雪が付いています。慎重に下りましょう。滑り止めのない方はこの先には進まないように!
一旦雪が消えますが、安心はできません。

田野倉側へ下山
分岐が出てくるので、田野倉駅側、馬立山方面へ進みます。
しばらくすると残雪のトラバースが出てきます。雪も凍結しかなり滑りやすく、さらに道幅も狭いので要注意です。
長~いトラバースが続きます。緊張が連続する場面ですが、これを越せばもう危険な箇所はなくなりますので!

展望が広がる道へ
トラバースを抜けると展望が広がる場所に出ます。ここまでくれば一安心。
再び富士山も眺められます。
ここからしばらく、これまでが嘘のような美しい尾根が続きます。

札金峠
大きな分岐は札金峠です。ここは田野倉駅側へ下りましょう。馬立山へ進めば猿橋駅までのロングトレイルも可能です。
林道に出たら、もう田野倉駅は目と鼻の先!国道に出ればすぐにコンビニがあります。

今回は冬場の山行でしたが、九鬼山は夏場でも注意しなければならない斜面があるので、なかなか手強いです。鬼が棲む山に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?


【手強い】絶景!観音峠からの「金ヶ岳・茅ヶ岳」ルート

2021-08-27 06:31:32 | 登山、トレッキング、クライミング、山関係

深田久弥も認識していた「金ヶ岳・茅ヶ岳」

山梨県韮崎で「瑞牆山・金峰山」方面へ目を向けると、堂々としたツインピークの山が観える!手前が「茅ヶ岳」そして奥が「金ヶ岳」。その奥の曲岳登山口付近からの上級レアルートが「観音峠ルート」です。
「茅ヶ岳」の登山ルートは、山頂手前の南斜面を登る「深田記念公園」からのアクセスが一般的。尾根続きの「金ヶ岳」は、健脚か縦走者でないとアップダウンがあり、茅ヶ岳より人気は少ない。しかしツインピークの最高峰は金ヶ岳であり、やはり合わせて登りたいもの。

茅ヶ岳は日本百名山の著者「深田久弥」が登山中に息を引き取った山でも有名。山中には終焉の碑も残されているほど。

レアなルートには訳がある
観音峠ルートへは、曲岳登山口駐車場からスタート。公共交通機関はなくマイカーやタクシーでアクセスするのが一般的。とはいえ、夏季はJR韮崎駅より深田記念公園へバスが出るので、殊更マイナーなイメージ!
曲岳登山口駐車場には車が4台ほどのスペースがあり、トイレもありません。

観音峠ルートがマイナーな訳は、このアクセスの悪さに加え、北斜面で滑りやすく峻険なルートだから。登山口には初心者や高齢者は控えるように、乃表示もあります。
金ヶ岳と茅ヶ岳の稜線のコル「観音峠分岐」までは、なかなか厳しい岩場を登っていきます。ところどころ樹林が切れると展望があり、富士山も垣間見えますが、気を付けていきましょう。要所には鎖も設置され、赤ペンキなどで注意喚起もされています。


船首岩を過ぎれば分岐も近い
ロープが垂らされ、大きな岩に阻まれる場面があります。ここが船首岩といわれるところですが、登り側には特に表示はなく、登った後で知ることになります。
岩場のスキルがあれば特に問題はありませんが、三点支持をしっかりと守っていきましょう。
船首岩を過ぎると軽いアップダウンをクリアし、観音峠分岐を目指します。
鎖でできたラダーも出てきます。にしても全体的にハードな登りが続きます。
観音峠まであと少し

観音峠分岐から金ヶ岳と茅ヶ岳へ進路を決める
観音峠分岐は広場になっていて、金ヶ岳と茅ヶ岳への分岐になっています。ここで山頂稜線に上がりきったので、あとは各々のピークまでのアップダウンを経てになります。

まずは最高峰の金ヶ岳へ
観音峠分岐を右に進路を取って、まずは金ヶ岳へ!途中金ヶ岳南峰を経由します。南アルプスや富士山が眺められます。
アップダウンを繰り返します。
金ヶ岳山頂に到着。富士山が素晴らしい!手前のピークは次ぐに行く茅ヶ岳です。

観音峠まで戻って茅ヶ岳を目指す。

観音峠に戻り今度は茅ヶ岳へ進路を取ります。
するとしばらくアップダウンがあり、茅ヶ岳名物の「石門」にたどり着きます。この辺りはザレているので注意!幾度のアップダウンを経ていきます。

茅ヶ岳はいつも人が絶えない人気の山
茅ヶ岳はいつもにぎわっている人気の山!深田子記念公園側から登ると、ここまでで折り返す方が大多数いるので、金ヶ岳との印象は正反対です。
茅ヶ岳では金峰山・瑞牆山など奥秩父の山々が眺められます。もちろん富士山も!
茅ヶ岳から観音峠分岐に戻るルートは南斜面で、季節によってはかなり暑い!熱中症に気を付けるのがいいでしょう。観音峠分岐まで戻れば後は来た道を戻りますが、北斜面の下りは滑りやすいので注意します。

レアながら、手ごたえのあるルート「観音峠」
観音峠ルートは人気もなく、登りにくいルートですが、それなりに達成感がかなりあります。ツインピークから眺める360°のパノラマは素晴らしく、一度訪ねてみても損はないでしょう。

金ヶ岳・茅ヶ岳の基本情報
住所:山梨県甲斐市上芦沢(登山口)
電話:0551-22-1991 (韮崎市観光協会)
アクセス:JR中央線韮崎駅よりタクシーおよびレンタカーで45分

2021年8月現在の情報です。詳細はお問い合わせください。


ルート消失?南魚沼の秘峰「金城山」水無ルート、滝入ルート周回

2021-08-09 05:11:32 | 登山、トレッキング、クライミング、山関係
新潟県南魚沼市塩沢地区に堂々とした山容を見せるのが、南魚沼の秘峰「金城山」だ。標高1369mの低山ながら、山体は大きく山頂までのルートはかなり時間がかかる。
今回は一般的な登山ルート「観音寺ルート」ではなく、「水無ルート」「滝入ルート」を使って山頂を目指します。

金城山のふもとにある「雲洞庵」は曹洞宗のお寺で、山号が「金城山」。雲洞庵は戦国武将「直江兼続」が幼少時を過ごしたところでも有名。まさにこの土地を代表する寺院の山号を掲げていることから、金城山への思いが感じられます。

五十沢地区の駐車スペースから

金城山登山口は、塩沢町五十沢地区の奥にあります。どこにも標識はなく、民家の前の舗装路を行き止まりまで行き、10台ぐらいのスペースがあります。駐車場の看板もなく、いきなり登山口といった印象。もちろんトイレはありませんし、コンビニも国道17号線を走っているうちに済ませましょう。

登山口には登山ポストがあり、行動計画書を提出できます。人気の少ない山なので、必ず提出して登り始めたいものです。
今回は水無コースを登り、滝入コースで下る周回ルートで山頂を目指します。水無コースは下山禁止なので、この周回コースか滝入コースのピストンに限られますが、例外として観音山コースへ下る方法もあります。
ただし車で来られる方はこの二つに限られるでしょう。
今回は標準時間約9時間、距離10.36km(今回測定)
累計標高差上り(水無)1051m、下り(滝入)1034mになります。

滑りやすい痩せ尾根を登っていく
徒渉や樹林帯の斜面を登りきると展望の良い痩せ尾根に出ます。このパターンを繰り返し登っていきます。樹林帯の斜面は急で滑りやすく、トレッキングポールなども使いにくい斜面。なかなか気の抜けない斜面が続きます。
魚沼盆地がよく観えます。

岩壁に遭遇すると、さらに斜面の難易度が上がる
五合目で大きな岩に遭遇します。この辺りから岩を縫うように登山道がかわってきます。非常に滑りやすい斜面のトラバースなど、非常に危険ですので慎重に!
岩を回り込むことも

山頂は岩峰の峰々に圧倒される
金城山の最高地点には実は標識がありません。9合目を過ぎて最初の開けたピークが山頂ですが、実はここは標高が高いだけであまり面白味はありません。そのまま進むと金城山避難小屋に到着。ここにはトイレもあって、例年月から解放されています。急な天候変化などに利用するのがいいでしょう。
避難小屋を過ぎるとクライマックスの岩峰が観えてきます。
岩峰の先端に上ることもできますが、鎖や手づかみで慎重に登りましょう。さらに、摩利支天などが奉られる岩の上にも到達できます。
越後山々がすばらしい姿で眺められます。


7合目付近で分岐するルート
山頂からのルートは7合目付近まで樹林帯。急な斜面は鎖が設置されています。
大きく視界が開けると、滝入コースの分岐です。道標には五十沢、大月コースと表記されています。ここを右へ進みます。
しばらく樹林帯を下っていきます。ピンクリボンは何とかありますが、かなり不明瞭。慎重に下りましょう
滝入コース四合目で沢に出ます。
しかしこの辺りからルートが不明瞭になってきます。ピンクリボンは少なく、さらに進行方向が沢だったりして、思うに任せません。
実は近年の豪雨で二合目からの橋が流されているとか?まだ四合目ですが、それでもかなり荒れている印象。踏み跡をたどり進みますが、草が生い茂り道なき道を行く感じ。
それでも綺麗な滑滝などにも遭遇
今回はこの先でかなりルートを消失して困りました。本来のルートはなかったと思います。細かい解説が多いので、詳しくは動画をご覧ください。


なかなか手強い金城山
どなたにでもお勧めできる山ではありませんが、登山スキル、沢登りなどを得意とする方へは、かなり楽しめるかと思います。一般の方は熟練した方と一緒に行くことをお勧めしますし、天候があれそうなときは絶対に足を踏み入れないでください。にしても南魚沼の秘峰は素晴らしかった!コロナ禍ですから、マイカーで直行直帰で楽しんでくださいね。

金城山の基本情報
住所:新潟県南魚沼市山谷(登山口)
電話:025-773-6660 (南魚沼市市役所)
アクセス:関越自動車道塩沢石内ICより35分 



おっと!展望のいい山梨百名山「毛無山」 岩、岩、岩の体力勝負

2021-08-04 05:53:08 | 登山、トレッキング、クライミング、山関係
「毛無山(けなしやま)」は山梨県身延町と静岡県富士宮市にまたがる標高1,964mの山。天子山地の最高峰で、日本二百名山、山梨百名山[、及び静岡百山[に選定されています。
山頂ほかで宝永火口の隠れる美しいシルエットの富士山が眺められるほか、北アルプスを展望する場所、落差70mを誇る不動の滝を眺めることができます。

登山口は「毛無山駐車場」から
毛無山のベーシックな登山口は「毛無山駐車場」から。富士オートキャンプふもと村を過ぎたドン付きの場所。近くにきれいなトイレがありますから、ここで用を足しておくのがGood!

駐車場は1日/¥500。備え付けのポストにナンバーを記載して投函するシステムだ。万一お札しか持っていない場合は、下山後に「ふもとっぱらキャンプ場」にて支払うようになっている。小銭を忘れないように!

金山の遺構を横目に上りだす
毛無山は以前金採掘がおこなわれていて、その遺構が残っている。そのわきを山側へ入っていきます。
ルートに入るとすぐに涸れ沢の徒渉。向こう岸へ渡り進む。
赤いペンキに従って森に入っていきます。

地蔵峠方面は現在通行止め!右方向へ進む
少し進むと分岐に出ます。本来山頂を周回できるルートがありますが、現在左方向の地蔵峠あたりで崩落があり、通行止め!今回は右を選択した山頂からのピストンルート紹介になります。
ここから本格的な山道になってきます。斜度は最初から急で、自分のペースを守りながら進むのがいいでしょう。本日のルーは、標準5時間20分、距離5km
累計標高差上り1042m、下り1031mになりますので、水分をしっかり持参して臨みましょう。

不動の滝展望台で一休み
急登を上っていくと「はさみ石」を通過します。まさに小さなルンゼのような、岩に挟まれた箇所。ロープなどもありますから、三点支持で上っていきます。
毛無山の特徴はとにかく岩が多いこと。要所にはロープも設置されていますが、トレッキングポールなどは逆に使いにくいかもしれません。
急登を登りきると「不動滝見晴台」に到着します。
ここから観える「不動の滝」は落差70mに及ぶ大滝。近くには行けませんが、豪快な滝の音がここまで届いてきます。広くはありませんが、ここで少し休憩をするのがいいでしょう。
不動滝見晴台で元気を復活させたら、再び岩登りです。
美しい樹林帯をトラバースする場面も登場します。
急登が落ち着き、空が広がる大きな広場に出ます。ここはレスキューポイントで119番に電話を掛ければ、ここでヘリコプターで救助してもらえるようです。ですが実費確実なので、山岳保険に入ってない方は要注意!
さらにこの時点でかなり疲労しているなら、粛々と下山したほうが無難。この先もずっとこんな感じで上っていき、この時点で6合目あたりです。

「富士山展望台」で雄大な眺望を
7合目が近づくと「富士山展望台」の標識が下から確認できます。
富士山展望台からは美しい富士山と朝霧高原の景色が手に取れるように!


急登は9合目まで!山頂まであとわずか
急登は合目まで続きます。ここまで来るとかなり斜度は緩み、歩きやすい尾根道に・・・。
進行方向左側に「北アルプス展望所」の方式があり、その岩によじ登ると素晴らしい景色が目に入ってきます。距離はありますが、北アルプスがよく観えます。
この尾根には「バイケイソウ」「マルバダケブキ」の群生も!
ともすると山頂です。

山頂からも富士山が眺められますが、富士山展望台のほうがはるかによく観えます。大きく広い山頂は昼食に最適。下りはピストンなので、しっかり休憩を取って岩に備えましょう。

慎重に下る岩の急斜面
下りは来た道を戻るだけですが、岩の多い急斜面を下るので慎重に!

頑張りがいのある静かな山!だからこそ慎重に行動
おおむね2000mもある毛無山は「低山」のカテゴリーながら、なかなか手強い山です。頑張れば素晴らしい富士山の姿やアルプスも眺められますが、それだけに慎重な行動が必須!人気の少ない山だからこそ、山岳保険にも入っておきたいですね。ルートの迷う箇所は最初の徒渉か所だけ。ピストンなら体力勝負といえるでしょう。大きな岩がゴロゴロするアルプスなどの練習にも最適です。
ぜひああなたも出かけてみては?

毛無山の基本情報
住所:静岡県富士宮市麓170 (毛無山駐車場)
電話:0544-22-1155 (富士宮市観光課)
アクセス:国道139号線沿い「朝霧グリーンパーク入口」に「毛無山登山口」の大きな看板があります。

2021年7月の情報です。詳細はお問い合わせください。 





岩稜の「阿弥陀岳」へ縦走 #阿弥陀岳 #八ヶ岳 #赤岳 #美濃戸口 #御小屋山 #御小屋尾根 #鎖場 #ロープ #縦走 #行者小屋 #赤岳鉱泉 #北沢ルート #日帰り #登山

2021-07-27 07:14:19 | 登山、トレッキング、クライミング、山関係
岩稜の「阿弥陀岳」! 御小屋山尾根経由で赤岳まで縦走 
威厳を放つ八ヶ岳の「阿弥陀岳」
山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳。都心からのアクセスの良さと森の美しさで人気の山塊ですが、夏沢峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳にエリアが分かれ、中でも南八ヶ岳は日本アルプスと双璧をなす岩稜の山並みが、人々を魅了しています。
八ヶ岳最高峰の「赤岳」を中心に構成される南八ヶ岳ですが、赤岳の西側に独立法的に威厳を放つ「阿弥陀岳」は、信仰の山として古来登られている山。
一般的には赤岳登山と合わせ、行者小屋や赤岳鉱泉を起点に上られることが多いようです。

今回は八ヶ岳登山のベーシックな登山口「美濃戸口」からダイレクトに「阿弥陀岳」を目指すルートでトライ!いかなる山行になるでしょうか?

美濃戸口へのアクセスは?
美濃戸口には1日¥500の一般駐車場があります。
またJR中央線茅野駅より季節運航のバスがあり、片道¥1000(往復割引料金¥1500は駅前のアルピコ交通の事務所で購入)で約40分ほど。

美濃戸口には、有料トイレ、仮眠施設、入浴施設、レストランなどもあり、登山の起点には最適。

御小屋尾根でひとまず「御小屋山」を目指す
美濃戸口を出てすぐに分岐があります。大方の登山者は左の北沢、南沢ルート方向へ行きますが、今回は右へ進路を取り、ひとまず御小屋山を目指します。
別荘地帯の舗装路を上っていくと通行止めのゲートがあります。ここから本格的な登山道になります。
緩やかな勾配を上っていきます。一般的な北沢、南沢ルートと比べると、穏やかな印象。
美濃戸口から1時間0分ほどで、「御小屋山」に到着。木々に囲まれる静かな山頂です。この御小屋山は諏訪大社の「御柱祭」に使われる大木を切り出す山として「御柱山」の別名があります。

強清水を越えて岩稜帯へ
御小屋山を過ぎ、森林の樹林帯を進んでいきます。
途中一か所「強清水」への分岐がります。阿弥陀岳までに水場はここだけ。一再び本ルートに戻った箇所に、この道標があります。

視界が広がりいよいよ岩稜帯に
強清水からの合流点を越えると、だんだん勾配もきつくなってきます。
八ヶ岳らしい森を越えていきます。
樹林が少なくなってくると、一気に視界が広がってきます。前方には八ヶ岳最前線の「編笠山」が観えます。

ここから本番!岩稜帯を行く「阿弥陀岳」登頂へ
正面に阿弥陀岳の姿を確かめられる稜線に出ます。
振り返るとそれまで辿ってきた御小屋尾根を確かめられます。
高山植物の「チンングルマ」もそこかしこに咲きだし、目の保養になりますね。


岩場も登場。箇所によってはロープもありません。しっかり三点支持を守って登るのがいいでしょう。足元はザレた路面。注意が必要!
急斜面のザレ場は落石の危険と隣り合わせ。前後にほかの登山者がいる場合は特に注意が必要!
山頂直下にはロープも設置。
吊り梯子も出てきます。
阿弥陀岳中央陵に到着。山頂はもうすぐ!
山頂まで気の抜けない岩稜帯!
長いロープの斜面を進み
ちょっとデンジャラスな鎖場の先には梯子があります。
これが越えてきた鎖場のある岩場
晴れて「阿弥陀岳」山頂を制覇!美濃戸口から阿弥陀岳までの標準時間は5時間20分ほど。踏破時間のかかる方は美濃戸口の仮眠施設などを使って、早朝出発がおすすめです。
八ヶ岳は晴天率が高く、ほかのアルプスより天候の懸念材料が少ないとはいえ、やはり午後は雲が上がりやすいので、山行は念入りに計画しましょう。

中岳のコルまで160mの急斜面を下る
阿弥陀岳からの一般的下山ルートは、来た道を折り返す、中岳のコルまで下り行者小屋へ至る、さらに中岳を越え文三郎尾根分岐から行者小屋へ下るの三つなので、今回は中岳を越えるルートを取りました。
といっても中岳のコルまでの下りは、さらに細かくザレた急斜面が続く侮れないもの。さらに行者小屋から山頂を目指す上りの登山者との往来で、気が抜けません。160mの急斜面を下っていきます。
正面には赤岳の勇猛な姿を眺めることができる。こちら側からの赤岳の姿は阿弥陀岳でないと眺めずらい位置関係!
要所には鎖が設置されているものの、足元は崩れやすく落石には十分注意が必要。

鉄棒の梯子も出てきます。

コルからさらに中岳を越え赤岳へ
中岳のコルにはベンチなどがあります。赤岳へは一旦中岳を縦走しなければなりません。行者小屋へはここから下っていきますが、山行の進捗から赤岳まで行くことにしました。目の前の中岳を上り返し、向こう側のコルまで下っていきます。
中岳は阿弥陀岳と赤岳に挟まれるピークで、この山を目指し登る方はいませんが、それでも2700mの山頂からの景色は圧倒的なもの。阿弥陀岳と赤岳を間近に眺められるのは素晴らしい!再び55mほど下り赤岳方面へ上り返します。

文三郎尾根分岐から赤岳山頂まで
反対側のコルに分岐点はありません。赤岳方面へ少し上った「文三郎尾根分岐」までは一本道。
振り返ると中岳の姿も捨てたものではなかった。堂々とした円錐形の山容は、仮にこの山がどこかにあったなら、登りたくなる衝動に駆られる美しさだ。
文三郎尾根分岐は行者小屋から赤岳へ上るメインルート!ここから岩稜と鎖場が始まります。
赤岳山頂までの文三郎尾根は、岩と鎖の峻険なもの。ただしメインルートである為安全面にはかなり配慮されている印象です。


山頂直下は梯子があります。しかし高度感はなく安心して登れるレベル!


赤岳山頂には社があって、360度のパノラマが楽しめる。森林限界を超えている標高ながら、八ヶ岳の特徴である緑が混在する景色は必見!

文三郎尾根分岐から文三郎尾根で行者小屋へ
山頂から文三郎尾根まで折り返し、行者小屋を目指します。分岐から先は階段が多いルート。分岐から山頂までの印象とは違い、なれない方への配慮がされたもの。ただし長い階段はそれまでの足の疲労に拍車を掛けます。
行者小屋は、宿泊、テント場、水場、トイレがある拠点。ランチタイムなら小屋で食事をとることも可能。ここから美濃戸口まで南沢ルートで下るのが一般的。近隣の赤岳鉱泉まで進めば、北沢ルートで下ることも可能です。
どちらかといえば南沢ルートより北沢ルートのほうが急峻な場所が少なく、疲労度も抑えめ。翌日も山行が予定されていたので、今回は赤岳鉱泉を経由して北沢ルートで下ることにしました。
赤岳鉱泉は行者小屋と同系列の山小屋で、お風呂も入れる山小屋。テント場も広く人気の拠点。ここはスルーして北沢ルートで下山します。
結局今回は、距離18.25km、累計標高差上り1553m、下り1551mとなり、踏破時間9時間19分(1時間38分の休憩含む)になりました。登り始めが4時51分と早めだったため安心して進めましたが、上り開始時間が遅めな方は別ルートか、行者小屋、赤岳頂上山荘などに一泊するのがいいでしょう。

八ヶ岳で威厳を放つ「阿弥陀岳」を踏破しよう
八ヶ岳はそれぞれ個性的な山が構成する山塊。中でも阿弥陀岳はすこしメインルートからそれているために、登る方も少ないのでしょうか?しかしその威厳を放つ姿は、やはりその足で登りたいものです。天気予報をしっかり確認し無理のない計画で楽しみましょう。そして山小屋ではマスクのマナーも忘れてはいけません。

阿弥陀岳の基本情報
住所:長野県茅野市豊平
電話:0266-73-8550 (9:00~17:00)茅野観光協会
https://navi.chinotabi.jp/feature/trekking/
アクセス:JR中央線茅野駅よりバス50分、中央自動車道諏訪IC、もしくは中部横断自動車道八千穂高原IC

2021年7月現在の情報です。詳しくはお問い合わせください。