「アリスの国の殺人」

納豆食べてたら下唇思いっきり咬んで血豆できちゃったよちくしょー。


日本推理作家協会賞受賞作全集42「アリスの国の殺人」
辻真先／双葉社

『児童文学の編集を志しながら、はからずも漫画誌編集に携わる綿畑克二。
　夢のなかの『不思議の国のアリス』の世界でチェシャ猫殺害の容疑者にさ
　れて慌てていると、現実世界では上司の編集長が殺されて大騒ぎ。交錯す
　る夢の世界と漫画ジャーナリズムの現に翻弄され克二は・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（文庫裏表紙より）』


「完全恋愛」で惚れ込んだ辻先生のミステリーです。
前述小説の名義である牧薩次は，辻真先のアナグラム（文字の入れ替え）です。
たとえば本書で大活躍のバー『蟻巣』は「完全恋愛」にも出てきますし，
他の小説で牧薩次という名の探偵が出てきたりするそうです。
しかし辻先生の小説は心配なく読めますねぇ。第一印象がよかったからでしょうね。

主人公の克二はアリスが大好き。
本を開くと、現実世界で失敗をし落ち込んでいるときも、いつでもテニエルが描いたアリスは快く彼を迎えてくれた―
そんなおちゃめな設定ですが、ちょっと意外な雰囲気のミステリーです。
スケールが大きいけれど、なんとなく暖かくて安心する「完全恋愛」と違って、
スケールは大きくなくて、ちょっとブラックなお話です。
謎解き場面は結構あっさりとした印象なのですが、
そこで一安心すると一気にブラックな世界に突き落とされます。
だからこそ、夢の世界との対比が目立ってシュールです。

夢の世界と現実世界は真逆のシナリオ、ということなのですが
現実世界の最後では、克二は死んでしまったのかなぁ？？と気になっていますが
みなさんはどう思われましたでしょうか。


この小説内には「不思議の国のアリス」にちなんで言葉遊びがたくさん出て来ます。
と前情報があったので、無駄に探してしまいました。
コナンの『２分の１の頂点』みたいになっているのかと思って。笑
でも言葉遊びの所はちゃんと太字になっていたり、
ぱっと見て何かの形に文章が配置されていたりするので
そうでない所は、お話に集中して読まれて大丈夫ですw
・・・もし本当に他にトリックがあったなら、私は気付かなかったです。

お話自体にもトリックがあったのかしら。
私は推理自体まったくできないので、そういうのにも気付かない人なのですよね。
バーの名前と猫以外にも、現実世界にアリスと共通しているところがあるのかなぁ。
時計とか・・？
あと疑問としてはパチンコ玉が、「位置を移動している」以外の意味があったのかなとか。
あそこである人がパチンコ玉をあえて出すのは、登場人物の得にはならなくて(むしろ損)作者得になるだけなのでw
どうなのかな、と。玉は３つなのですが、何かアリスに関係あるのかな？
本家アリスもろくに覚えていないもので・・。(しかもアリスといえばキャロルの本ではなく、でずにーで育った。)


ではもう一度，あらすじを見てみましょう。

つかず離れず夢とのあいま
じげんを超えて会いにゆき
まさかのアリスと結婚式さ
さつじん殺猫巻添くいつつ
きみとのこいはみつのあじ

お粗末様でしたm(__)m。。（逃!ε=ε=ヘ(*--)ノ



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