久々にSS(SXギャグ)を書いてみた。
やまなし・おちなし・いみなしをBLという意味でなくても普通に満たしている駄作。
~~~~以下駄文~~~~~~
太陽が中天から西側に傾き始めた午後、昼食も終わり執務室には静寂とけだるい午後の空気が蔓延していた。
窓から吹き込むそよ風が、ちょうどいい具合に頬をなで、睡魔の訪れをいや増した。
大半のイタリア人がお茶か昼寝をむさぼる時間帯だ、XANXUSも今日は隣の仮眠室でシェスタをしようかと思案していたとき、静寂を破って聞きなれた怒号が響き渡った。
「う゛ぉぉぉぉぉい゛っ!!ボスいるかぁっ!?」
折角気分良く昼寝しようかと思っていたXANXUSは、ドアが壊れるのではないかと思う程の勢いで執務室に入ってきた部下を一瞥し、手元にあったインク壷を反射的に投げつけていた。
ガコンっ!!
スクアーロの額付近にクリーンヒットしたインク壷は、そのまま床に転がり落ちてコロコロと転がっていった。
「イテェなっ!ひでぇぞぉ!!」
抗議の声を上げるスクアーロを睨みつけ、不機嫌さをあらわにしたXANXUSは、短く
「うるせぇよっ!ドカスザメがっ!!」
と低く怒鳴りつけたが、当のスクアーロは意に介した風もなく、ずかずかとXANXUSのいる執務机前まで歩み寄ってきた。
「何の用だ?」
血こそ出なかったが、こぶ位は出来たのだろう。
インク壷がクリーンヒットしたあたりを擦りながら、スクアーロは報告に来た旨を伝えてきた。
その様子が普段と違いどこかウキウキワクワクしていたのをXANXUSは気が付いただろうか?
おもむろに両手を机について身を乗り出すような形でXANXUSに迫り、
「とってもハッピーなお知らせがあるぜぇ。」
とニヤニヤしながらのたまったのだった。
XANXUSは、その態度に不信感を募らせつつも、任務の報告であるのならば聞かないわけにも行かないと、先を促した。
とりあえず一通り今回の任務の経過と結果報告をわめき散らしたのを聞いて、報告が終わったなら帰れとXANXUSが手を振ると、スクアーロは、普段絶対外さない左手の手袋をおもむろに外し始め、あらわになった義手をこちらに向けて突き出して来た。
「これを見てくれぇ。」
突き出された技手には、真新しい深い傷が一条ついていた。
「・・・失敗したのか?」
「はぁ?俺が任務にかぁ?そんな訳ねぇぞぉ!
コレは剣帝への道100番勝負の記念すべき100勝目の記念に付けたんだせぇ。」
「あっそう。」
XANXUSは興味なさげに、相槌を打った。
「あっそうって、おいっ!
100番勝負全勝したんだから、今日から晴れて二代目剣帝になったんだぞぉ!
祝いの言葉くらいくれてもいいだろう!?」
「はいはい、よくやった。」
XANXUSはレヴィが聞いたら嫉妬で卒倒しそうになるであろう言葉を、「本当に興味ないんだぜコラッ!」とでもいう風にいかにもどうでもよさげに言い放った。
「・・・・。もうちょっとさぁ、なんかねぇのかよ?」
XANXUSのあまりの態度にスクアーロはがっかりだ。
スクアーロの脳内予定では、二代目剣帝になった自分をキラキラする目で褒め称え、「抱いてくれ」と懇願するXANXUSがそこにいるはずだった。
それはそれは誰が聞いても、「ただの妄想だからそれっ!」と突っ込みを入れたくなるような脳内予定だった。
レヴィでもここまで妄想はしまい。
「何をだ?」
「曲りなりにも二代目剣帝になったんだぜぇ?
この傷だってもう落とす左手はないから、自分で新たに誓うために付けてみたのによぉ。」
「何を誓うって?」
「えっ?俺がお前に一生を捧げますって意味で。」
「はぁっ!?」
「だから、最初に誓ったときは、お前とやってくための覚悟の一部として左手を落としたわけだけどよぉ。
今回晴れて二代目剣帝になったし、そろそろ俺達にもちゃんとした関係の清算が必要なんじゃねぇのかと思ってよぉ。」
「何を言っている?」
「そおいや、前に髪を切らねぇって誓いもあったっけなぁ。
結局10代目になれなくて、そのままお蔵入り。
途中から趣味で伸ばし始めちまったけどなぁ。はははっ!」
XANXUSにはいきなり訳のわからないことを語り始めたスクアーロが宇宙人に見えた。
「でな、二代目剣帝になった暁によぉ、俺と結婚しないか?」
「ハァっ!??」
唐突な話しの展開についていけず、XANXUSはその場に呆けた顔でフリーズする以外の対処法を見出せなかった。
XANXUSの脳内に鮫の言葉がエコーを伴ってリフレインしている。
(結婚しないか・結婚しないか・結婚しないか・・・・)
言葉の意味を理解したくなくて、脳のシナプス達が反乱を起こしたようだ。
全ての思考が停止してし、外部刺激をも受け付けないといったかのように固まってしまったXANXUSを見て、スクアーロはXANXUSの両肩を掴んで激しく揺さぶってみた。
「なぁボス、大丈夫か?
おい、しっかりしろよXANXUSっ!!
お返事はどうしたぁ??」
普段のXANXUSにそんな口を聞こうものなら張り飛ばされること請け合いなのだが、現在のXANXUSは外部刺激をも全て遮断して違う世界に飛び立ってしまったようだ。
「なぁ、俺と結婚してくれるんだろ?」
がくがくと揺さぶられて、反射的に首が頷きの形をとってしまった。
「返事はOKなんだな?」
更に揺さぶられ、首がまた頷きの形をとる。
「愛してるぜぇXANXUS。」
誤解して感極まったスクアーロの突き出された唇が眼前に迫ったとき、違う世界から舞い戻ってきたXANXUSの反射の一撃が、スクアーロの顔面にクリーンヒットし、スクアーロの体はドアをつきぬけ廊下まで吹き飛ばされた。
無防備なまま直撃を食らったスクアーロは、そのまま昏倒し、その後通りがかったルッスーリアに部屋まで運ばれていったようだ。
XANXUSは椅子に座ったままバクバク言っている心臓を宥めつつ、「今のは悪夢。今のは悪夢だから忘れるんだ。」と呪文のように呟き続けていた。
その日からしばらくの間、XANXUSが”けっ”で始まる言葉が聞こえた瞬間全身から冷や汗を出して、その場から逃げ去る
という現象が続いたとか続かなかったとか。
やまなし・おちなし・いみなしをBLという意味でなくても普通に満たしている駄作。
~~~~以下駄文~~~~~~
太陽が中天から西側に傾き始めた午後、昼食も終わり執務室には静寂とけだるい午後の空気が蔓延していた。
窓から吹き込むそよ風が、ちょうどいい具合に頬をなで、睡魔の訪れをいや増した。
大半のイタリア人がお茶か昼寝をむさぼる時間帯だ、XANXUSも今日は隣の仮眠室でシェスタをしようかと思案していたとき、静寂を破って聞きなれた怒号が響き渡った。
「う゛ぉぉぉぉぉい゛っ!!ボスいるかぁっ!?」
折角気分良く昼寝しようかと思っていたXANXUSは、ドアが壊れるのではないかと思う程の勢いで執務室に入ってきた部下を一瞥し、手元にあったインク壷を反射的に投げつけていた。
ガコンっ!!
スクアーロの額付近にクリーンヒットしたインク壷は、そのまま床に転がり落ちてコロコロと転がっていった。
「イテェなっ!ひでぇぞぉ!!」
抗議の声を上げるスクアーロを睨みつけ、不機嫌さをあらわにしたXANXUSは、短く
「うるせぇよっ!ドカスザメがっ!!」
と低く怒鳴りつけたが、当のスクアーロは意に介した風もなく、ずかずかとXANXUSのいる執務机前まで歩み寄ってきた。
「何の用だ?」
血こそ出なかったが、こぶ位は出来たのだろう。
インク壷がクリーンヒットしたあたりを擦りながら、スクアーロは報告に来た旨を伝えてきた。
その様子が普段と違いどこかウキウキワクワクしていたのをXANXUSは気が付いただろうか?
おもむろに両手を机について身を乗り出すような形でXANXUSに迫り、
「とってもハッピーなお知らせがあるぜぇ。」
とニヤニヤしながらのたまったのだった。
XANXUSは、その態度に不信感を募らせつつも、任務の報告であるのならば聞かないわけにも行かないと、先を促した。
とりあえず一通り今回の任務の経過と結果報告をわめき散らしたのを聞いて、報告が終わったなら帰れとXANXUSが手を振ると、スクアーロは、普段絶対外さない左手の手袋をおもむろに外し始め、あらわになった義手をこちらに向けて突き出して来た。
「これを見てくれぇ。」
突き出された技手には、真新しい深い傷が一条ついていた。
「・・・失敗したのか?」
「はぁ?俺が任務にかぁ?そんな訳ねぇぞぉ!
コレは剣帝への道100番勝負の記念すべき100勝目の記念に付けたんだせぇ。」
「あっそう。」
XANXUSは興味なさげに、相槌を打った。
「あっそうって、おいっ!
100番勝負全勝したんだから、今日から晴れて二代目剣帝になったんだぞぉ!
祝いの言葉くらいくれてもいいだろう!?」
「はいはい、よくやった。」
XANXUSはレヴィが聞いたら嫉妬で卒倒しそうになるであろう言葉を、「本当に興味ないんだぜコラッ!」とでもいう風にいかにもどうでもよさげに言い放った。
「・・・・。もうちょっとさぁ、なんかねぇのかよ?」
XANXUSのあまりの態度にスクアーロはがっかりだ。
スクアーロの脳内予定では、二代目剣帝になった自分をキラキラする目で褒め称え、「抱いてくれ」と懇願するXANXUSがそこにいるはずだった。
それはそれは誰が聞いても、「ただの妄想だからそれっ!」と突っ込みを入れたくなるような脳内予定だった。
レヴィでもここまで妄想はしまい。
「何をだ?」
「曲りなりにも二代目剣帝になったんだぜぇ?
この傷だってもう落とす左手はないから、自分で新たに誓うために付けてみたのによぉ。」
「何を誓うって?」
「えっ?俺がお前に一生を捧げますって意味で。」
「はぁっ!?」
「だから、最初に誓ったときは、お前とやってくための覚悟の一部として左手を落としたわけだけどよぉ。
今回晴れて二代目剣帝になったし、そろそろ俺達にもちゃんとした関係の清算が必要なんじゃねぇのかと思ってよぉ。」
「何を言っている?」
「そおいや、前に髪を切らねぇって誓いもあったっけなぁ。
結局10代目になれなくて、そのままお蔵入り。
途中から趣味で伸ばし始めちまったけどなぁ。はははっ!」
XANXUSにはいきなり訳のわからないことを語り始めたスクアーロが宇宙人に見えた。
「でな、二代目剣帝になった暁によぉ、俺と結婚しないか?」
「ハァっ!??」
唐突な話しの展開についていけず、XANXUSはその場に呆けた顔でフリーズする以外の対処法を見出せなかった。
XANXUSの脳内に鮫の言葉がエコーを伴ってリフレインしている。
(結婚しないか・結婚しないか・結婚しないか・・・・)
言葉の意味を理解したくなくて、脳のシナプス達が反乱を起こしたようだ。
全ての思考が停止してし、外部刺激をも受け付けないといったかのように固まってしまったXANXUSを見て、スクアーロはXANXUSの両肩を掴んで激しく揺さぶってみた。
「なぁボス、大丈夫か?
おい、しっかりしろよXANXUSっ!!
お返事はどうしたぁ??」
普段のXANXUSにそんな口を聞こうものなら張り飛ばされること請け合いなのだが、現在のXANXUSは外部刺激をも全て遮断して違う世界に飛び立ってしまったようだ。
「なぁ、俺と結婚してくれるんだろ?」
がくがくと揺さぶられて、反射的に首が頷きの形をとってしまった。
「返事はOKなんだな?」
更に揺さぶられ、首がまた頷きの形をとる。
「愛してるぜぇXANXUS。」
誤解して感極まったスクアーロの突き出された唇が眼前に迫ったとき、違う世界から舞い戻ってきたXANXUSの反射の一撃が、スクアーロの顔面にクリーンヒットし、スクアーロの体はドアをつきぬけ廊下まで吹き飛ばされた。
無防備なまま直撃を食らったスクアーロは、そのまま昏倒し、その後通りがかったルッスーリアに部屋まで運ばれていったようだ。
XANXUSは椅子に座ったままバクバク言っている心臓を宥めつつ、「今のは悪夢。今のは悪夢だから忘れるんだ。」と呪文のように呟き続けていた。
その日からしばらくの間、XANXUSが”けっ”で始まる言葉が聞こえた瞬間全身から冷や汗を出して、その場から逃げ去る
という現象が続いたとか続かなかったとか。
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