聖母マリアのさまざまな称号の中で、最も古くから呼ばれている名に「神の母」があります。
「神の母」の祭日は1月1日ですが、1月1日には、全世界のカトリック教会で祈られていることがあります。
それは、「世界平和祈願の日」ということで、世界平和について祈られると共に、ローマ教皇は毎年、「世界平和祈願の日」に寄せたお手紙を発表しています。
聖母マリアの称号には、「平和の元后」という呼び名もあります。
「平和の元后」は聖マリアの連祷の中にある祈りです。
聖マリアの連願ができたのは16世紀、今から約500年前ですが当時の連祷には「平和の元后」という言葉はありませんでした。
平和の元后は、1915年、第一次世界大戦に心を痛めた教皇ベネディクト15世によって定められました。
教皇パウロ6世は、1968年ベトナム戦争が激化する中で1月1日の神の母聖マリアの祭日を「世界平和祈願の日」と定め、「平和の元后聖マリア」を通して平和が与えられることを祈るよう、全世界に呼びかけました。
上の写真の「平和の元后」は、世界遺産にも登録されている長崎教会群「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺跡」を成す黒島教会の「平和の元后」の聖母マリアのご像です。
「平和の元后」に捧げられている千葉県にある豊四季教会の「平和の元后聖マリア」のご像は、やはりルルドの聖母のように胸の前で手を合わせて祈る姿ですが、違うタイプの聖母像となっています。
御出現の聖母像と異なり、称号の聖母像には特に「これが○○のマリア様だ!」というものはないようです。
★「平和の元后」に捧げられている主な聖堂
平和の聖マリア聖堂 (ローマ属人区長教会)
土浦教会(茨城県土浦市)
豊四季教会(千葉県柏市)
古賀教会(福岡県古賀市)
鳥帽子教会(長崎市佐世保市)
★世界平和の日教皇メッセージ