祈り 癒し パワー

Caterina Michikoの備忘録

ファティマの聖母②

2020-05-13 | 聖母月

ファティマの聖母の続きです。



【第2回目の御出現】

1917年6月13日(水曜日)

6月13日は聖アントニオの祝日で、聖アントニオはポルトガルの国家的守護の聖人です。
ルチアの母親はこの大祝日がルチアたちに聖母の御出現のことを忘れさせてくれることを期待していました。
しかし、子どもたちは聖母との約束通り、コヴァ・ダ・イリアへ行くことにしていました。
コヴァ・ダ・イリアでは、近隣の村から御出現の噂を聞いた人々が約五十人ほど集まっていました。
ファティマの教区からはマリア・カレイラ以外にはほとんど来ていませんでした。
ヤシンタ、フランシスコ、ルチアがロザリオの祈りを唱え終わったとき、彼らは近づいて来る光のひらめきを見ました。
次の瞬間に牧童たちは5月のときと同じウバメガシの木の上に貴婦人を見ました。
ルチアが尋ねます。

「あなたは私に何をお望みですか?」

「あなたが来月の13日にここに来ること、毎日ロザリオの祈りをすること、読み書きの勉強をすることを望みます。後で、私が何を望んでいるかを言いましょう。」

ルシアが一人の病人の癒しをお願いすると、聖母はこう言われました。

「もし彼が回心するならば、今年の間に癒されるでしょう。」

ルチアは自分たちを天国に連れて行ってほしいとお願いしました。聖母は言われました。

「ええ、私はヤシンタとフランシスコをまもなく連れて行くでしょう。しかし、あなたはそれよりも少し長く地上にとどまらなければなりません。イエスは人々に私を知らせ、愛させるためにあなたを使うことを望んでおられます。イエスはこの世界に私の汚れなき御心への信心を打ち立てることを望んでおられます。この信心を実行する人に私は救いを約束します。これらの人々の霊魂は神の玉座を飾るために私によっておかれた花のように、神にとって大切なものです。」

ルチアは悲しくなって、自分だけ一人で地上にとどまらなければならないのですかと貴婦人に尋ねます。

「いいえ、娘よ、あなたはたくさん苦しんでいますか?気を落とさないでください。私は決してあなたを見放しません。私の汚れなき御心はあなたの避難所であり、あなたを神へと導く道であるでしょう。」

こう言われた後、聖母は両手をお広げになり、三人の子どもたちにおびただしい光線の束をお注ぎになりました。
ルチアによれば、「神の中に浸された」ようでした。
子どもたちはそのとき聖母の汚れなき御心を見ました。

「聖母の右の手の前に茨によって取り囲まれた心臓があって、それを茨が突き刺していました。私たちはこれがマリアの汚れなき御心であり、人間の罪によって踏みにじられ、償いを求めておられるということを理解しました。」

ルチアが後に(1927年)語ったところでは、このマリアの汚れなき御心のことは聖母から秘密を守るように言われたことではなかったけれども、神によってそうするように動かされていると感じたということです。
御出現の後、子どもたちは聖母のメッセージについて明かすように迫られたとき、最初は月の13日に御出現の場所に行くこととロザリオの祈りを毎日唱えることの2点だけを明かしていました。
他にないかとさらに問いつめられて嘘を言わないために、「聖母はあることを言われましたが、それは秘密です」と答えざるを得ませんでした。

この日、御出現に立ち会った50人ほどの人々は不思議な現象をいくつか経験しています。

ファチマ教区のマリア・カレイラはルチアが聖母が去って行かれると叫んだときに、ロケットのような音がしたと証言しています。
また聖母が東の方角に去って行かれるときに、木の枝が東の方へとなびいた、小さな雲が東の方角へ向かって上って行った、聖母が御出現になったウバメガシの木のてっぺんの若枝が人が乗ったように傾いたという証言もありました。
最初の巡礼者となった彼らは村に帰り、自分たちの経験した不思議なことを人々に語ります。
このようにして、次の7月13日の御出現にはもっと多くの人々が集まることになりました。

第2回目の御出現の後、ルチアはファチマ村において不信の嵐にさらされることになりました。
マリア・カレイラを除いてほとんどのファティマの人々は御出現を信じませんでした。
ルチアの母親マリア・ロサやルチアの姉妹たちもルチアの言うことをまだ信じていませんでした。
教区司祭フェレイラ神父はフランシスコ、ヤシンタ、ルチアの順番に質問をしました。
フランシスコは神父の問いに答えられることを全部答えました。
ヤシンタは何も言いませんでした。
ヤシンタはルシアが神父の質問に答えている間ロザリオの祈りを唱えていました。
三人の質問の後、フェレイラ神父は「これは全部悪魔の発明だ」と言いました。
あまりにも静かに言い渡されたこの宣告はルチアを暗闇の中に突き落としました。
ルチア自身も、悪魔のせいかもしれないという疑念にさいなまれるようになりました。
ルチアはこの疑念をヤシンタとフランシスコに打ち明けますが、彼らはそのことを否定し、ルチアを励ましました。
「悪魔は醜いけれど、私たちが見たあの貴婦人はあのように美しかった。私たちはあの方が天に昇って行かれるのを見ました」と。
しかし、ルチアは悪魔が彼女を欺く夢をさえ見て、いとこたちから身を隠すまでになりました。
10歳の少女ルチアは教区の司祭と母親から信じて貰えず、ついには約束したコヴァ・ダ・イリアへはもう行かない決心をします。
ルチアはヤシンタとフランシスコに決心を告げました。
二人は泣いてルチアのこの決心を翻すように頼みましたが、ルチアの決心は変わりませんでした。
ルチアが後でヤシンタに聞いたところでは、ヤシンタはルチアの決心を聞いた夜、一晩中眠らずに泣きながら聖母に、ルチアが一緒に行くように祈ったということです。

ファティマの聖母③に続きます。

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