ファティマの聖母
ファティマの聖母②
ファティマの聖母③
の続きです。
ヴァリニョスにおける聖母の第4回目の御出現:1917年8月19日(日曜日)
三人の羊飼いの子どもたちは日曜日のミサの後、ロザリオの祈りを唱えるためにコヴァ・ダ・イリアへ出かけました。
午後には、ルチアとフランシスコはフランシスコの兄のジョンと一緒に羊に草を食べさせるためにヴァリニョスに行きます。
ヴァリニョスはアルジュストレルとカベソの丘の中間にあるところです。
ここで、予期していなかった聖母の御出現がありました。
ルチアは、聖母の御出現が近いことを直感して、ジョンにヤシンタを呼びに行ってほしいと頼みます。
ヤシンタが御出現に立ち会えないと悲しむと思ったからです。
しばらくして、ルチアとフランシスコが例の稲光を見たとき、ヤシンタが駆けつけ、一本のウバメガシの上に聖母が御出現になりました。ルシアは聖母に尋ねます。
「私から何をお望みになりますか?」
「13日にコヴァ・ダ・イリアに引き続き行くこと、毎日ロザリオの祈りを続けることを望みます。最後の月に私はすべての人が信じるように一つの奇蹟を行います。あなたがたが町へ連れて行かれることがなかったならば、その奇蹟はもっと大きなものとなるはずでした。聖ヨゼフが世界に平和を与えるために、幼子イエスを連れていらっしゃるでしょう。私たちの主は人々を祝福なさるために来られます。ロザリオの聖母と悲しみの聖母も来られます。」
「人々がコヴァ・ダ・イリアに残して行ったお金で何をすることをお望みになりますか?」
「二つの駕籠を作らせなさい。一つの駕籠はあなたとヤシンタ、それに他の二人の少女が白い衣装を着て、もう一つの駕籠はフランシスコと他の三人の少年が担ぐのです。駕籠からのお金はロザリオの聖母の祝日のためのものです。そして残りのお金はここに建てられなければならない聖堂の建設に役立つでしょう。」
「ある病人を癒していただきたいのですが....」
「ええ、今年のうちにそのうちの何人かの人々を癒しましょう。」
それから聖母は悲しそうにこう言われました。
「祈りなさい。たくさん祈りなさい。そして罪人たちのために犠牲を捧げなさい。多くの魂が、彼らのために犠牲を捧げたり、祈ったりしてくれる人を持っていないからです。」
こう言って聖母はいつものように東の方角へと上って行かれました。
この日の御出現は三人のほかにはヤシンタとフランシスコの兄弟であるジョンだけが立ち会いました。
彼が母親に語ったところによると、三人が跪いて祈り、ルチアが話しているのを彼は聞いていますが、ジョンは聖母を見ることも聞くこともできませんでした。聖母が去られるとき、彼は銃声のようにはじける雷鳴を聞いています。
御出現の後、フランシスコとヤシンタは聖母が上におられたウバメガシの枝を一本を折り取って大切に家に持って帰りました。
帰宅するとヤシンタがヴァリニョスで聖母を見たと母親のオリンピアに報告します。母親はヤシンタに
「いつになったらその嘘は終わるのかね。行くところではどこででもお前はマリア様を見るのだね」
と皮肉を言いわれました。ヤシンタは取って来た枝を母親に見せました。
その枝からはえもいわれぬよい香りがしました。
母親はよい香りがするけれども、バラの香りではないし、何の香りかわからない、と言いました。
父親のティ・マルトは同じように、何とも表現できないよい香りをその枝からかぎますが、妻のオリンピアとは違いヤシンタの言葉をますます信じるようになりました。
ファティマの聖母⑤に続きます。
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