伊豆の総社である三嶋大社
積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)の2神がひとつとなって、
三嶋大神として祀られているという
古代には伊豆諸島の噴火を畏れた人々から篤く崇敬された自然神が
全国の神々が体系化される中で
「山の神」であるオオヤマツミノミコトが引き継いで主神となったところ
バリバリの国学者である平田篤胤が事代主神を引っ張って来て
(もちろん論拠はあるけれど)主神に据えたのが明治時代
その後、大正時代になってオオヤマツミ信仰が復活して
三嶋大神として一体化したという
オオヤマツミノミコトは天照大神の生まれる前の
イザナキイザナミ二の国産みによる神
天照大神はその後のイザナキの穢れを落とした後に生まれた神
それに比べて
事代主神は大国主命の息子で国引きの際に
天津神系に与した国津神
平田先生はランクが違う事代主神を牽強付会に押し付けた
それはいかがなものかと一体神として
お伊勢の体系に組み入れたということかしらね
ただ、いずれにしろ国津神系であること
それは荒ぶれる伊豆半島、伊豆諸島への畏怖を現す原始の神であり
本体はまつろわぬ神ではないでしょうか
伝説で言えば
富士山に祀られる神はコノハナノサクヤ姫は
オオヤマツミノミコトの娘
天孫降臨の際に
ニニギノミコトがサクヤを見初め
求婚したところ
オオヤマツミノミコトがサクヤの姉のイワナガヒメを合わせて嫁がせた
しかし、あまりの醜女と思いニニギノミコトがイワナガヒメは送り返した
オオヤマツミノミコトは
コノハナノサクヤヒメの明るい未来と
イワナガヒメの力強く長命であることを祈ってお送りしたのに
これからニニギノミコトの子孫は短命になる
と呪詛をかけたと言われています
またイワナガヒメはこれを恥じて伊豆松崎に隠れて生涯を過ごしたと言います
イワナガヒメのいる松崎とサクヤヒメが争うことを恐れて
その中程に父親であるオオヤマツミノミコトが三島に祀られる
というのも座りの良い話しではないですか
ところでイワナガヒメが単独で祀られている
松崎の雲見浅間神社と大室山の浅間神社で
富士山の美しさを称えると良くないことが起こる
と今でも地元の人たちに言い伝えられているそうです