さぶい。
寒い。今日は絶対寒い。
富士山が白く、力強く見えていた。
空は青く、雲ひとつない。
空気が澄んでいるのだろう、
景色が歪まないように、
息を止めた。
風が、頬にあたる。
つめたい。
思わず吐いた息が、
白く、
白く、すーっと消えていく。
笑い声が聞こえた。
子供の声。
暖かい。
それは、あたたかい声。
母とつないだ手もあたたかそう。
ふりかえる。
電車が入ってきた。
白い山も、笑い声も、
轟音に消された。
開かれたドアに、
自分は飲み込まれていく。
いつもの、
また別の世界へと、
足を踏み入れていく。
寒い。今日は絶対寒い。
富士山が白く、力強く見えていた。
空は青く、雲ひとつない。
空気が澄んでいるのだろう、
景色が歪まないように、
息を止めた。
風が、頬にあたる。
つめたい。
思わず吐いた息が、
白く、
白く、すーっと消えていく。
笑い声が聞こえた。
子供の声。
暖かい。
それは、あたたかい声。
母とつないだ手もあたたかそう。
ふりかえる。
電車が入ってきた。
白い山も、笑い声も、
轟音に消された。
開かれたドアに、
自分は飲み込まれていく。
いつもの、
また別の世界へと、
足を踏み入れていく。