主人のいわく、自分はもとより頑愚でなんの知識もない。ただ教文について少しばかり
考えているところを述べようと思う。
そもそも災難を治術する方途については、内道にも外道にもその文がいくらあるかわからない。ただし仏道に入って
しばしば自分の考えをめぐらすのに、結局は謗法の人を禁止して、聖道の高僧を重んずるならば、国中安穏となり、天下は泰平となるであろう。
謗法の人を責めるについて、涅槃経には次のごとく説かれている。「ただ一人を除いて
余の一切に布施するならば、皆その布施行を讃○するであろう」と。純陀はこれを聞いて質問し、「どういう者をただ一人と名づけて除くのですか」。
仏のいわく「いまここで説く唯一人とは破戒の者である」。
純陀はまた質問して、「自分はいまだわからないから、どうかもっと
説いてください」。仏のいわく「破戒とは一闡提のことである。その外の
あらゆる一切に布施すれば、讃○され、しかも大果報を得るのである」。純陀はまた仏に問うて「一闡提とはどういうことですか」。
仏いわく「純陀よ、もし僧尼および俗男俗女があって粗悪の言葉で正法を誹謗し、このように正法誹謗の重罪を造ってて、しかも永く悔い改めることなく、心に懺悔することがないであろう。このような人を名づけて一闡提の道に趣向するとなすのである。あるいはまた殺・盗・婬・妄語等の重罪を犯し、父を殺す、母を殺す等のが五逆罪をつくりこのように重罪を犯すと知っていても、初めより心に恐れつつしみて懺悔することがない。しこうして正法を護り惜しみ建立する心がなく、かえって法を破り、信ずる人を見て悪口をいい、軽賤していうことに過失ばかりが多いであろう。このような人をまた一闡提の道に趣向するとなすのである。ただこのような一闡提の輩を除いて、それ以外の者に布施するならば、一切が讃○するであろう」と。
わからない文字がありましたすみません。
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