Chiakiの徒然日記

怒涛の12月20日

あれは、2000年の12月20日の出来事。
大学院1年の私は、初めての「指導側」に回った卒論の提出日だった。
当時の4年生は10人ぐらいだったのかな。
そのうちの8人は、前日の19日までにほとんど仕上がっていて、最後の仕上げをやるだけになっていた。
中には既に提出を済ませてしまっていた人もいたけど。

でも、2人だけ違った。
ある程度の形は出来ているものの、本当に大枠しか出来ていない。
中の細々とした部分に間違いやら何やらが見つかり、大変な思いをした。
先輩と2人で、それぞれ1人ずつに張り付いて、あれこれ指導をしていった。
とにかく提出日ということもあって時間との勝負。
私が張り付いた学生(男性)はPCに結構強かったし、言ったことを即座に理解できるタイプだったのだが、
先輩が張り付いた学生(女性)はそれほどPCに強くなく、指摘した誤りを訂正するのに、全部打ち直さないといけないタイプ。
当然先輩の労力は計り知れなかった。

必死にPCと向き合っている私たち4人の後ろでは、卒論を仕上げてナンバリングをしている学生しかいない。
それすら終わって悠々自適に紅茶を飲んでいる人もいた。
正直なところ羨ましかったが(笑)

ある時間帯に差し掛かった時、私が張り付いていた学生がソワソワしだした。
「どうしたの?」
と訊ねると、切羽詰まった声で
「トイレ行きたい…」。
思わず噴き出してしまった。
「プリントアウトならしておいてあげるから、早く行って来なさい!」
タバコが吸いたいだとか、何か飲み物を買ってきたいだとか言ったら、「ふざけるな!」と一喝するところだけど、
トイレじゃねぇ。変わってあげることはできないし、その後の集中力にも影響するからね。
飲み物はゼミ室に常備してあるしねぇ。

トイレから帰ってきた彼は、スッキリした表情で作業に取り掛かり、提出時間1時間ほど前に無事提出。

女性の方は不備だらけではあったが、何とか形を整え、私のコピーカードを使って全部コピーで仕上げた。
(他の人たちは全員2部ずつプリントアウトしていたが、彼女はそれが間に合わなかった)
こちらは本当にギリギリで提出完了。

全員が無事に卒業できた。

のだけど。

後になって、専攻科長の教授からクレームがついた。
「この(女性の方)学生の卒論、こんなので卒業させられちゃ、困ります!!」
担当教授はのらりくらりと交わしていたが、卒業させちゃったものは仕方がない。
残って欲しくないから卒業させた、なんて口が裂けても言えないだろうな(笑)

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