前作の「黄泉がえり」から17年後の熊本。
実際にも起こった熊本地震から1年後。
再び「黄泉がえり」現象が起きる。
登場人物たちが、身近な人の復活に驚きはするものの意外と冷静というあたりに、「慣れ」のようなものを感じた。
今作では、加藤清正と恐竜・ミフネリュウまで復活。
相当ハチャメチャなストーリーになるのかと思いきや、さにあらず。
どちらも物語には欠かせない重要な役割で、思い切り感情移入できた。
ただ…というわけではないのだが、加藤清正の尾張弁は、さすがになじみがないのでイントネーション等が分からない。
でも言葉を読んでいるうちに、ある人物というかロボットというか…が浮かんできた。
「特警ウインスペクター」のバイクル(笑)。彼に清正の尾張弁を頭の中で代読してもらったら、結構すんなり入ってきた。
清正が現代に馴染んでいるというのが、不思議でもあり嬉しくもあり。
あまり意識したことはなかったのだけど、加藤清正という人物のことは潜在意識に深く刻み込まれているのかもしれない。
高校時代、毎日のように熊本城を見ていたから、かな?
この作品の最重要人物の相楽いずみ。フィクションの世界とはいえ、私の高校の後輩にあたる。
彼女に迫る危機には、ドキドキ、ハラハラした。
彼女を守るために黄泉がえった人々が集結する場面は、多少不気味さも感じたが、
きっとコレは彼女に危害を加えようとしていた人物たちが感じていたものと同一だろう。
黄泉がえった人と、元からいる人が結婚する、という展開にも驚かされた。
前回のことを考えれば、決断は早いほうがいいというのは分かるんだけど、それにしても結婚出来るんだ~と感心してしまった。
熊本に迫る危機に対処するため、黄泉がえった人々が力を合わせ、危機を消滅させる。
これは前作と同じ。
でも結果が違った。
それどころか…という展開に、「え、え、え~~~!!!」と何度も驚かされた。
この衝撃のラストシーンに対して思うのは、「世界の人口ってどうなるの?」。
なんかメチャクチャ気になるんですけど。
何はともあれ、ハッピーエンドともアンハッピーエンドとも言えなかった前作に対し、
こちらは多少喜劇的要素があるもののハッピーエンド。
読み終わったあとの爽快感が気持ちよかった。
文庫本で500ページ近い作品を1日、というより買ってきたその日なので実質3~4時間で読み切ったのも久しぶり。
読書だけにかかり切りになれる環境じゃないんだけど、それでも読み始めたその日に読み終えることが出来たのがうれしい。
まだまだ自分の集中力も衰えていないと確認出来た。
劇中で起きた「熊本の危機」。アレはもう実現しなくていいからね…。
なんか生々しすぎて怖かった…。
熊本港まで直線で10キロほどだから、アレが起きたら余計に怖いわ…。
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