第3話 ロンちゃんが先に我が家にやって来た・・・（６）

　「慣れないところだし、きっと泣くよね」
　「暗いくて、一人（一匹が正しい表現でしょうが）で寝れるかな」
　「皆がいるところが良いんじゃない。こっちの部屋で置いていたら」
　「それはだめだろう。暗い方が寝やすいと思うよ」

　皆がいる明るい部屋とは離して、一人で暗い部屋で寝ることにされたワンちゃん。
　
　皆、「きっと泣くよね。」「クンクン泣いたら、可哀想だからみといてやろうね」
　なんだか泣くのを期待して、面倒見たくて仕方がないような様子のお母さんと、おねぇちゃん。

　しかし、その期待に反して、ぐっすり寝てしまった様子のワンちゃん。
　「クーン」とも言わない。期待はずれのお母さんたち。
　　泣いてくれるのを待っていたのに、眠くなるのが先に来て、お休み。

　翌朝、段ボールの中のワンちゃん。すごく元気。お母さんの気配を感じるなりしっぽをしきりと振って嬉しそう。
　夜中に泣きもしなかったし、怖そうな感じは全くない。

　慣れるのがが凄く早いみたい。

「ご飯やってみようか」「お腹すいたでしょう」
「さー、こっちにおいで」とお母さんが手を出すと、何の警戒心もなくしっぽを振ってお母さんに抱かれるワンちゃん。
　チワワとういう犬は、警戒心が強く慣れにくい犬だと思っておいたお父さん。「これは不思議。やはり、ワンちゃんも一目惚れだー。分かっているんだなー」

　それで、お母さんから我が家で初めてのご飯です。

　しっかり食べるワンちゃん。

　　　　　　

　何の心配もなく、美味しそうに食べきりました。

　　

　すっかり慣れてじゃれるワンちゃん