竹林亭白房

三実「あの人どこ行くの」★落語

□本日落語二席。
◆桂三実「あの人どこ行くの」(NHK総合『令和5年度NHK新人落語大賞』)。
NHK大阪ホール、令和5(2023)年11月11日生放送。
ちょっとずつ聞いてきた『令和5年度NHK新人落語大賞』もこれが最後の一席となった。これがOAされて約二週間、ネットのニュースなど、どこかで優勝者の結果が知れるかと思ったけれど、結局今日まで知らずにきた。
ということは、やっぱり落語の世間的な注目度は低いのだなあと気づかされる。M-1とかだと、優勝者がきまると、ベタ記事でも新聞で報じられて目にしてしまう。

ということで、優勝者は昨日聞いた桂慶治朗だった。新たな発想で再構成された「いらち俥」が評価されたということだろうか。自分としては疑義を感じたが、審査員のかたがたは良しとしたということだろう。

ところで、今日最後に聞いた三実の「あの人どこ行くの」は、今回の出演者のなかで、もっともウケていた一席だった。まさに爆笑に次ぐ爆笑。
よって、満点の十点をつけた審査員もいた(桂文珍他)。ただ、七点というもっとも低い評価をつけた十一代目金原亭馬生の選評を聞いて納得した。
この落語は、大阪の地下鉄御堂筋線と、阪急電車という、ひじょうにローカルな話題で展開される内容なのである。馬生曰く、「これは全国放送だから」と。

これと同じことは、東京の落語家の演る新作に感じることがある。やたら、東京の地名ばかり出てきて、土地勘のない者にはまったくおもしろさがわからないということがある。
古典落語でも、たとえば「黄金餅」は、そういった意味あいを含むかもしれないけれど、古典落語での土地勘は、しっかりした主題が伝われば、あまりそういったところが気にならない。

しかし、具体的な地名を出すことでおもしろさをねらった落語なら、そこが逆に命取りになるわけだ。ちなみに、東京人の審査員である評論家の広瀬も三実には満点をつけていなかった。そういう意味では、審査員に東西のバランスを配したというのは公平な措置だったのだろう。

三実は再チャレンジするのだろうか。もしそうだったら、次回に期待してみよう。

◆森乃石松「兵庫渡海鱶魅入」(ABCラジオ『日曜らくごなみはや亭』)。
神戸新開地喜楽館、令和5(2023)年9月6日(マルエスpresents「神戸新開地・喜楽館AWARD2023」予選第二日)。
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