□本日落語二席。
◆八代目春風亭柳橋「権助芝居」(NHKラジオ第一『真打ち競演』)。
東京渋谷NHK505スタジオ、令和6(2024)年6月13日収録※8月3日OA。
◆春風亭一朝「菊江の仏壇」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和5(2023)年7月26日(第661回「TBS落語研究会」)。
上方落語としては大ネタとされている「菊江仏壇」だが、最近はまったく聴かれることがない。そもそも東西で見てもそうさほど高座に掛けられていないようで、2011年以後、これを聴いたのは今回を入れてたった二席である。ちなみに、もう一席はやはり「TBS落語研究会」で五街道雲助だ(2016年4月27日/574回)。なお、雲助は2006年に「NHK東京落語会」でもこれを演っている。
肝心の上方の落語家ではというと、2010年以前の記録にさかのぼってみれば、桂米朝、五代目桂文枝、そして東京で活動した人だが三遊亭百生で聴いているというばかりである。当代の上方の落語家が演る「菊江仏壇」を聴いたことがないのだった。
◆八代目春風亭柳橋「権助芝居」(NHKラジオ第一『真打ち競演』)。
東京渋谷NHK505スタジオ、令和6(2024)年6月13日収録※8月3日OA。
◆春風亭一朝「菊江の仏壇」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和5(2023)年7月26日(第661回「TBS落語研究会」)。
上方落語としては大ネタとされている「菊江仏壇」だが、最近はまったく聴かれることがない。そもそも東西で見てもそうさほど高座に掛けられていないようで、2011年以後、これを聴いたのは今回を入れてたった二席である。ちなみに、もう一席はやはり「TBS落語研究会」で五街道雲助だ(2016年4月27日/574回)。なお、雲助は2006年に「NHK東京落語会」でもこれを演っている。
肝心の上方の落語家ではというと、2010年以前の記録にさかのぼってみれば、桂米朝、五代目桂文枝、そして東京で活動した人だが三遊亭百生で聴いているというばかりである。当代の上方の落語家が演る「菊江仏壇」を聴いたことがないのだった。
それに比して、少なくはあるが、東京の落語家だと、桂歌丸の高座も聴いていて、当代の落語家に近いものはみな東京である。なお、これを上方から東京に移したのは初代三遊亭圓右らしい。
やはりこれは妻が重篤になるなかで、若旦那が妻の見舞いにも行かず、芸者の菊江を家に呼んでどんちゃん騒ぎをし、あげくその最中に妻も死んでしまうというというインモラルなところが敬遠されているのだろうか。
今回、一朝はマクラでこの噺はあまり演られていないもので、なぜそれを今から演るのかというと、「研究会」だからだと言った。あまり知られていない落語でも「研究会」の名のもとに聴いていただこうという趣向ということか。客はちょっと笑ったりしていて、冗談のようでありながも、意外と冗談ではないのかもしれないと思った。
やはりこれは妻が重篤になるなかで、若旦那が妻の見舞いにも行かず、芸者の菊江を家に呼んでどんちゃん騒ぎをし、あげくその最中に妻も死んでしまうというというインモラルなところが敬遠されているのだろうか。
今回、一朝はマクラでこの噺はあまり演られていないもので、なぜそれを今から演るのかというと、「研究会」だからだと言った。あまり知られていない落語でも「研究会」の名のもとに聴いていただこうという趣向ということか。客はちょっと笑ったりしていて、冗談のようでありながも、意外と冗談ではないのかもしれないと思った。