竹林亭白房

はな平「鰍沢」★落語

□本日落語一席。
◆林家はな平「鰍沢」(寄席チャンネル『鮮 あざやか』)。
港区立伝統文化交流館交流の間、令和5(2023)年2月23日(林家はな平独演会「ハヤシにのって」※祝!令和4年度文化庁芸術祭賞優秀賞受賞)。
お熊が旅の男に毒入りの卵酒を飲ませても、男が死に至らなかったところの説明がなかった。旅の男が毒消しの御封を飲んで息を吹き返したとき、いったんはお熊の家から飛び出したものの、欲が出てまたお熊の家にひき返したというところで、どんな欲なのかという説明がなかった。逃げて行く旅の男をお熊は川下で待ちかまえていたと言ったが、男は崖から川へ飛びこんだという設定なので、お熊はどういう経路をたどって川下へまわったかという説明がなかった。

まだ、他にもちょっと気になる点があったけれど、聞いていていちばんひっかかったのは上記三点。これは、はな平が意図的にショートカットして語っていたものか、または、この日の時間的な問題による省略かわからない。
理由はどちらにせよ、なんだか不完全燃焼的な「鰍沢」だった。令和4年度文化庁芸術祭賞優秀賞受賞の対象公演で演じられたのは、この「鰍沢」ではなく「火事息子」であるようだが、この「鰍沢」だったら受賞できのだろうかという思いが。

ぜひ受賞対象となった公演で演じられたという「火事息子」を聞いてみたいものである。ちなみに、受賞理由には「はな平の脱力した芸風は貴重である。特に『火事息子』は高評価を得た。噺の肝である親子の対面の場面ではしっとりし過ぎず、勘当中の息子をそばに呼ぶ際の父親の細やかなせりふ回しで、複雑な心情を描くことに成功した。小さな注文はいくつか議論になったが、将来性を感じさせる高座が評価された」と賞賛されている。
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