□本日落語一席。
◆桂佐ん吉「火事場盗人」※小佐田定雄作(NHK大阪放送局『上方落語の会』)。
NHK大阪ホール、令和2(2020)年12月3日(第410回「NHK上方落語の会」)。
番組内のトークによれば、落語作家の小佐田定雄が、京都在住の落語家桂米二のために作った落語とのこと。それで、場所が京都になっているのだと知る。
上方の古典落語で盗人ものと言えば、だいたいどの作品も、間抜けな盗人がなんらかの失態を演じて、それを笑うという内容である。しかし、この「火事場盗人」は、上方落語にはめずらしい人情噺である。しかも、涙腺の弱い人を確実に泣かせるだけの内容をもっている(自分は泣いた)。それでいて、ちゃんと軽みを見せて終えるという秀逸な落げもある。
これを佐ん吉が継承したというのは意義がある。これを契機に、古典となり得るだけの価値はじゅうぶんもちあわせている落語だろう。もっと多くの落語家に演じられてほしいと望む。
しいて言えば、最後のプロットで娘が実の父に「ありがとう」と言わせるところは、すこし飛躍を感じたので、もうちょっと緻密に展開する内容であればと思った。
◆桂佐ん吉「火事場盗人」※小佐田定雄作(NHK大阪放送局『上方落語の会』)。
NHK大阪ホール、令和2(2020)年12月3日(第410回「NHK上方落語の会」)。
番組内のトークによれば、落語作家の小佐田定雄が、京都在住の落語家桂米二のために作った落語とのこと。それで、場所が京都になっているのだと知る。
上方の古典落語で盗人ものと言えば、だいたいどの作品も、間抜けな盗人がなんらかの失態を演じて、それを笑うという内容である。しかし、この「火事場盗人」は、上方落語にはめずらしい人情噺である。しかも、涙腺の弱い人を確実に泣かせるだけの内容をもっている(自分は泣いた)。それでいて、ちゃんと軽みを見せて終えるという秀逸な落げもある。
これを佐ん吉が継承したというのは意義がある。これを契機に、古典となり得るだけの価値はじゅうぶんもちあわせている落語だろう。もっと多くの落語家に演じられてほしいと望む。
しいて言えば、最後のプロットで娘が実の父に「ありがとう」と言わせるところは、すこし飛躍を感じたので、もうちょっと緻密に展開する内容であればと思った。