大河ドラマ『光る君へ』の視聴率があまり芳しくないとか。自分は職業柄すこぶるおもしろく見ているのだが、平安時代の世相や政情に疎い人が見た場合、どれだけ理解されるのだろうかという気分にはなる。NHKは、これに懲りずこれからも、別な人物を主人公にするなどして、平安時代の人物像を啓蒙するドラマをこれからも創り続けていけば、いずれ、織田信長や豊臣秀吉や徳川家康なみに、藤原兼家や藤原道長といったキャラクターが世に浸透するのではないだろうか。知らんけど。
今回の『光る君へ』に限らず、歴史ドラマを創る際、わからない部分を創作プロットで埋めていくというのは、作者の醍醐味だろう。このドラマの場合、主人公の紫式部自体がそうなのだけれど、式部の母親についての資料がまったくないところが、ドラマ初段の課題だったのではないだろうか。
その点でセンセーショナルなのは、紫式部の母親が藤原道兼に殺されたという件(くだり)である。道兼については、『大鏡』に「御心いと情なく恐ろしくて、人にいみじう怕(お)ぢられたまへりし」と書かれてある点に着目し、非情な人物で人に危害を加えかねないというキャラクターとして造形されてあのようなプロットになったのだろう。自分はおもしろいと思うけれど、批判する人はいるだろうな。
□本日落語一席。
◆古今亭文菊「子別れ」(寄席チャンネル『粋 らくご』)。
横浜市民文化会館関内ホール、令和5(2023)年5月13日(ごらくハマ寄席/第414回県民ホール寄席「古今亭文菊独演会」)。
今回の『光る君へ』に限らず、歴史ドラマを創る際、わからない部分を創作プロットで埋めていくというのは、作者の醍醐味だろう。このドラマの場合、主人公の紫式部自体がそうなのだけれど、式部の母親についての資料がまったくないところが、ドラマ初段の課題だったのではないだろうか。
その点でセンセーショナルなのは、紫式部の母親が藤原道兼に殺されたという件(くだり)である。道兼については、『大鏡』に「御心いと情なく恐ろしくて、人にいみじう怕(お)ぢられたまへりし」と書かれてある点に着目し、非情な人物で人に危害を加えかねないというキャラクターとして造形されてあのようなプロットになったのだろう。自分はおもしろいと思うけれど、批判する人はいるだろうな。
□本日落語一席。
◆古今亭文菊「子別れ」(寄席チャンネル『粋 らくご』)。
横浜市民文化会館関内ホール、令和5(2023)年5月13日(ごらくハマ寄席/第414回県民ホール寄席「古今亭文菊独演会」)。