竹林亭白房

金時「愛宕山」★落語

□本日落語三席。
◆三遊亭金時「愛宕山」(寄席チャンネル)。
国立演芸場、令和2(2020)年3月18日(三遊亭金時独演会「金時、金馬になる会」)。
マクラで語っていた大阪話。落語会で大阪に来て、手銭で一泊して帰ろうと思ったとき、ネット検索したところ、素泊まりで4,000円で泊まれるところがあったので、そこまでタクシーで行くことにした由。

場所は西成のホテルだったらしいが、したところ、そこまで行くために乗ったタクシーの運転手が曰く、「夜は、ネクタイなんかして外を歩かないように、棍棒で殴られて、金品奪われるから」と。

さて、いったいいつの話をしたのだろう。ネット検索したなどということは、わりと最近のことなのか。これが作り話でなく、本当だったとしたなら、そのタクシー運転手は犯罪者級だなと。
今もって、西成のことをそのように喧伝する人物がいるとは信じられないことだ。いや、昔でさえ、そんな危ない人物が西成にうようよしているというのはなかったはずである。たまたまそういう事件があったことはあるかもしらんが、そういう事件性のことだけなら、大阪に限らず、他の土地、それこそ東京だってあるはずである。

さらに、金時は自分の乗ったタクシーに、ヤクの売人が寄ってきて顔をつき出して、物を売りに来たと言っていたが、これもあり得ないことだ。売人が路上にいたというのは事実であろう。
しかし、誰彼なく物を売り歩くなどという危ないまねを彼らはしない。いや、しなかった。彼らが売買するときには、ある種の符丁でもって取引をするのである。また、「~た」と過去形にしたのは、今はまずそのような者が路上にいるなどということがなくなったからである。

たぶん推察するに、何年前のことか知らんが、路上にそのような売人が立っていたのを、タクシーの運転手は、金時にあの男がヤクの売人なんだと教えてやったのではないだろうか。そして、それを聞いた金時が、話をふくらませて、車に寄って来て物を売りに来たということにしたのではないかと思われるが、どうだろう。

東京の落語家が、大阪ってこんな危ないところだぞと言って、客の興味を引くのは、度を超すと、聞いていて不快に思うところがある。会場の客席には、大阪出身の客はいなかったのだろうか。いたとしたら、そんな誹謗中傷はやめてくれと思ったことだろう。

あ、今日も落語の話ではなくなってしまったが、やれやれ……。

◆『笑点』大喜利:桂歌丸(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久扇・春風亭昇太・六代目三遊亭円楽・林家たい平(BS日テレ『笑点 火曜なつかし版』)。
後楽園ホール、平成24(2012)年5月13日OA(『笑点』第2314回)。

◆『笑点』大喜利:桂歌丸(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久扇・春風亭昇太・六代目三遊亭円楽・林家たい平(BS日テレ『笑点 火曜なつかし版』)。
後楽園ホール、平成24(2012)年5月20日OA(『笑点』第2315回)。
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