竹林亭白房

雀太「いらちの愛宕詣り」★落語

□本日落語四席。
◆桂雀太「いらちの愛宕詣り」(ABCラジオ『日曜らくごなみはや亭』)。
神戸新開地喜楽館、令和5(2023)年9月5日(マルエスpresents「神戸新開地・喜楽館AWARD2023」予選第一日)。
この落語は、東京に移って数ある粗忽者落語の一つである「堀の内」とかわる。いわば、「いらち」が「粗忽」にかわるわけだが、両者は似て非なるもの。東京落語で、粗忽者は今挙げた「堀の内」をはじめとして、「粗忽の使者」「粗忽の釘」「粗忽長屋」など、代表的なものがいくつもある。これらの落語に登場する粗忽な男の言動は、あわて者だが、どこか抜けていて滑稽味のあるキャラクターだ。

しかし、大阪弁で言う「いらち」は、牧村史陽編『大阪ことば事典』に「いらつく人、せかせかする人、一つことにおちついていられず、なにかせかせかとつぎの新しいことをやってみたい大阪人の性格である」とあるように、「いらつく」という要素が重要なのだろう。このなかの「せかせかする」という部分だけは、「粗忽」と共通しているところか。
ただし、「せかせかと」に付随する「つぎの新しいことをやってみたい」という意味あいは、たぶん「粗忽」にはないのだろう。

だから、「いらち」はつねに行動が前のめりでスピーディーである。つぎからつぎへとことが展開する。「粗忽」は、せかせかしながらも、ときにあと戻りなどしてうろたえる。

雀太は、そんな大阪人特有の前のめりでスピーディーな男を、実にスリリングに演じていて秀逸だ。雀太のこれは聞くべき一席である。

◆二代目古今亭志ん五「子別れ」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
日本橋社会教育会館ホール、平成30(2018)年4月10日(道楽亭出張寄席「古今亭志ん五、春風亭一之輔兄の胸を借りる」)。

◆『笑点』落語協会新真打披露口上(2023年10月):林家たい平(司会)/林家木久扇(口上)/林家まめ平・柳家平和(かゑる改メ)・柳家福多楼(さん光改メ)・林家希林(木りん改メ)(日本テレビ『笑点』第2880回)。
後楽園ホール、令和5(2023)年10月8日OA。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(日本テレビ『笑点』第2880回)。
後楽園ホール、令和5(2023)年10月8日OA。
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