竹林亭白房

志ん朝「四段目」★落語

□本日落語二席。
◆桂小春團治「断捨離ウォーズ」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和6(2024)年2月27日収録(「心斎橋鰻谷寄席」)。

◆古今亭志ん朝「四段目」(NHK-Eテレ『おとなのEテレタイムマシン』)。
昭和63(1988)年10月22日OA『演芸指定席』※東京霞ヶ関イイノホール、昭和63(1988)年9月16日(第351回「東京落語会」)。
今回、志ん朝の「四段目」で、これは上方(「蔵丁稚」)では聴かないぞと思ったのは、丁稚の定吉が使いに行った帰りに芝居小屋に寄って、途中で帰ろうと思ったけれど、もう一幕見たくなって30銭を払ったという件(くだり)だった(東京落語「四段目」でもみな言うかどうか)。

30銭というのは一幕単位の入場料だったのか。歌舞伎座のHPには明治22(1889)年開場当時の入場料が次のように記されていた。
「因みに当時の入場料は、上等桟敷一間四円七十銭、上等高桟敷一間三円五十銭、上等平土間一間二円八十銭、中等桟敷一間二円五十銭、中等桟敷一名五十銭、三階正面桟敷三十銭から二十銭。立見席への入場に下駄を脱がせたのは歌舞伎座が初めてであった」。

これで見ると、定吉が払ったという30銭というのが、いちばん安い席料だったようでうまく符合する。「四段目」は明治なかばの噺として聴けばよいのか。
なお、週刊朝日編『値段の(明治大正昭和)風俗史』によると、明治25年の相撲の観覧料は35銭だから、芝居とほぼ同じのようだ。

ただ、同書によると、明治20年でそば(もり・かけ)の一杯の値段は1銭とあるので、丁稚が芝居を見るのに払う30銭というのは、けっこうな散財という気もする。
そばの値段で妥当なところを推し量るなら、昭和9年でそば一杯10銭、昭和15年でそば一杯15銭である。もしかすると、「四段目」は昭和10年代の噺あたりとして聴くのが妥当だろうか。
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