「ドリアン・グレイの肖像」の前に東京オペラシティーアートギャラリーで行われていた
「意識の流れ」を見に行ってきた。
鈴木理策さんの写真展である。
私は基本、あまり写真展は行かない方であるが、彼のポスターの写真を見てずっと気になっていたのだ。
以前、「かがみのなかのたなかに」を見に行ったときに、この写真展の存在を知ったのだが、
そのときに、一緒に行った人は興味なさそうだったので、そのときはとりあえず見送ったのだが、
今回は待ち合わせよりも早めについたので、一人で観にくことにした。
観に行って正解だった。
今まで見てきた写真展とは何か違うものを感じた。
この人の作品は写真撮影が可となっています。
それも珍しいと思ったのですが、それよりも写真がすごくいんですよね。
観ていて、心が揺さぶられる感じの作品なんですよ。
なんでも、ちらしによると「見ること」に重きを置いている人なんだそうです。
ちらしより~
「本展では、鈴木の新作および未発表作を中心に、写真作品約100点と映像作品3点を展示します。
タイトル「意識の流れ」は「見るという行為に身をゆだねると。とりとめのない記憶やさまざまな意識が浮かんできて、
やがてひとつのうねりのような感情をもたらすことがある」という鈴木自身の経験に基づいてつけられました。
鈴木nまなざしを追体験すること、それによって私たちは純粋に「見ること」へと誘われるでしょう。」
とのこと。
この日、残念ながえあスマホしかもってなく、スマホは写真撮るときに音が出るので、
撮影ができませんでした。(音はNGなので)
下の作品は映像作品で、水に浮かぶ水蓮が映し出されているですけど、
焦点を手前にしたり、水蓮に合わせたり、水面に合わせたりと変わるんですよね。
そして、かすかに音も聞こえます。
多分、作者が焦点を合わせている音なのかなあと。
あとは自然音。
私は水とか観るのが好きでこの作者さんとなんとなくだけど、見て面白いと思う視点が似ているのかなぁと
想いながら作品を見ていました。
通常、写真見てもあんまり感じないのですが、見ていて、すごく面白かったので。
本当なら、たくさんの写真で会場の様子を伝えるのが1番なんでしょうけど、ざんねんながら写真はなく。
あと、面白いなぁと思った作品は、WHITE7という作品。
12枚の雪の景色が並べられていて、その写真は風景が繋がっているんですけどその真ん中あたりの
半分くらいの作品が真っ白なんですよ。
雪の丘なんでしょうけど、本当に真っ白なパネル。
もしかしたら、写真ではなくただの白いパネルか?と思うくらい白いパネルなんですけど、
その12枚が並ぶことによって、そこに大きな雪の丘が見えてくる。
これはすごく斬新だなぁと思いました。
そんなことないのかな?
とにかく好きだなぁと思った作品。
自然をすごく美しく撮る人だなぁと思いました。
観に行ってよかったです。
写真家でお気に入りの人ができました!
鈴木理策(1963年和歌山県生まれ)
1980年代後半から写真を媒体に創作活動を始めました。
1998年には故郷の熊野をテーマに初の写真展「KUMANO」を、翌年には「Piles of Time」を開催。
聖地に向かう道のりをロードムービーのような連続写真の手法で抑えた物語性を軸に、
見ることについての根源的に問いかける表現が評価され、2000年に第25回木村伊兵衛写真展賞を受賞しました。
その後も2006年にニューヨーク、2011年にチューリッヒで個展を開催するなど、国際的に活動の場を広げています。
鈴木のライフワークともいえる熊野での撮影とともに南仏のサント・ヴィクトワール山、サゼンヌのアトリエ、
桜、雪といった多様な対象を異なるアプローチでとらえていますが、
一貫してうかがえるのは写真おというメディアへの深い探求と「見ること」への問いです。