Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

「自分色」を創る!

2011年12月09日 | 500px
「自分色」を創る!

前回「色」についてフィルムとデジタルの事を書いたら、
色々質問が来ました・・・。

素人的な質問からかなり専門的なことまで書いてきた方もおられましたが…。

特に気になったのは、ポジフィルムの方がまだデジタルより色範囲が広い、
そういうどこぞの研究所のような方からのご意見もありました。

それは理論上の原理はそうです。そんな事は分かっております。
その辺に売っている本を一冊読めば全て書かれています。

私の言う「色」とは、自分でコントロール出来る色合い、
すなわち「自分色」を創ることなんです。

いくら元の色範囲が広くても、
相手に決められた「色合い」で作品を創られるのは面白くない。
そう考える者も少なくないと言うことです。

この話は音楽でのオーディオマニアと似ています。
どこぞのスピーカーは音域が広い。
人間の耳でも聞こえないような範囲まで再生できる・・・笑

問題は音域・レンジの広さではなく、音質の問題で、
決められた音質が自分に合う方はそれで良し、
合わないならば自分で自由にコントロール出来る方が良い。

そういう単純な話です。

私のような写真家は、フィルムメーカーの決められた「色」に対して、
とても納得がいかず、「自分色」探しをずっとしてきました。
よってデジタルは最高の「絵の具」です。

今現在最高のソフトで現像術を行えば、
かなりの線まで「自分色」が創れます。

もっと正確に書きますと、
まずカメラを「自分色」に設定して撮影する。
そしてさらに現像で完成させる。

銀塩時代では到底満足出来なかった事が、
いまや撮影からプリントまで全てに自分の感性を表現出来るのです。

昨日の夕方、日没後すぐに撮影した下記作品は、
まさに「自分色」です。

既存のフィルムでは、こういう色は偶然作品として出来ても、
現場で「イメージを完成させる」事は無理です。

デジタルはそれを可能にしてくれました。
撮影後すぐに車内でチェック、「イメージの完成」に満足しました。

5分後に外を見ると、もうほとんど真っ暗です。
日没後の撮影は時間との戦いです。

★「Just After Sunset

画像をクリックしてご覧下さい。
正しい解像度でご覧頂けます。

そもそも色が違えば写真は別なものだと私は考えています。

例えば分かりやすく私の「青い池」、
他の方が撮ってもまず同じ色にはならないでしょう・・・。
たとえこれから雪降る日にそこへ行っても・・・。

色が違えば受ける印象は全く異なります。

最近私の宿に宿泊した、あるアマチュア写真家から、
「ここに住んでいて、同じ日に一緒に撮影に出かけていたら、
多分私にも撮れそうな作品ですよね!・・・。」
そう言われました。

「え~撮れますよ!ぜひ来年はこの時期に泊まられて、
私より素晴らしい作品撮ってください!」

・・・そう話しておきました。

そのように考えているレベルでは、
全く同じ位置にカメラをセットしてあげても、
いえそれどころか、絞りとシャッター速度さえ同じにしても、
同じ作品にはならないのです。

ですから私はいつも、撮影場所は秘密にしません。
全てお話して、撮影ツァーでは一緒に同じ場所で自分も撮ります。
上の「自分色」の作品も皆さんと一緒に撮影しました。

でも出来上がった作品の「色」は全く違います。

この事をすぐに理解できるか?
それとも数年かかるか?

実はそこが大切なポイントです

追伸

「ナショジオ」で世界中に紹介されてから、
色々な問い合わせや依頼が来るのは以前にも書きましたが、
ここ最近はロシア語圏からの問い合わせも多いです。

つい先日、下記コミュニティ・サイトから掲載の申し出がありました。
ここでは色々なジャンルの世界中の写真家を紹介しているようです。

ロシア語で分かりづらいと思いますが、
私の名前をクリックすると、写真が縦一覧に並びます。

★「PEROU

名前の下に書いてある序文は、
私のお友達で現在東京外語大ロシア語学科の女子学生、
素敵なAyakoさんに訳して頂きました。

Kent Shiraishiさんの風景写真
Kent Shiraishiさんは日本の北海道、美瑛に暮らし働いているカメラマン。
美瑛は美しい丘とターコイズ色の湖で知られています。
Kentさんは小さなホテルを経営していて、希望者に写真教室を開いています。
彼の素晴らしい作品集を載せます。色の清らかさや美しい風景を見たら、
あなたも彼の作品に興味を持たずにいられないでしょう。

・・・・・・・・・・・・
ここまで書いて頂き恐縮です。
写真は500pxからの転載ですが、
もちろん「National Geographic」のブランド力のおかげでしょう。

年末になって思いっきり忙しくなりました。
とても対応しきれません。
ほんとにただただ感謝するのみです・・・。

来年は老体に鞭打って、
さらにユニークな作品を制作するよう頑張ります。

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